インドネシアネクロマンサーvs韓国呪殺師(レビュー:『呪呪呪/死者をあやつるもの』)
『呪呪呪/死者をあやつるもの』
オススメ度:★★★★☆
「B級待ったなし! なんならC級! ワンチャンZ級!」といった風情の邦題のせいで損をしまくっている国際オカルト・クライムサスペンス映画である。なんで『呪呪呪』なんてタイトルにしてしまったのか……。
本作は韓国のテレビドラマ『謗法~運命を変える方法~』の映画版続編といった位置付け。韓国映画ではあるのだが、面白いのが主人公側が「韓国の呪術師」で、敵対する側が「外国の霊能力者」という構図になっているところだ。ドラマ版もそうだったらしい?(日本の犬神も出てきたとか)。今回の劇場版ではインドネシアのネクロマンサー(デゥクン)が相手となる。
「世界各国の伝統的霊能力者を引っ張り出してくれば永遠に話が作れる」
といったことを「ホラー映画をみんなで見る会」の誰かが言っていたが、私もこれは上手い企画だと思った。
さて、本作の主な敵はゾンビである。と言っても、ウー、ウーと唸りながらトボトボ歩くロメロゾンビのイメージではなく、かといってバタリアンのような走る知的ゾンビでもなく、まさに「動く死体」である。肉の塊を霊能力で無理矢理に動かしているだけ……なのだ。
結果、このゾンビは全速力で走るし、腕力もすごい。それに死体なので無茶な運用もできる。例えば、階段を駆け下りる必要がない。上から身投げして、グシャッと落ちた後に立ち上がればいいだけだ。ネクロマンサーが操作しているため、車の運転もできるしインタビューに答えることもできる。
そして、このゾンビたちが予告殺人を行うのだ。ネクロマンサーは製薬会社のクソヤバ治験行為に対する謝罪を求め、それが果たされないなら、3人の重役を順番に殺していくと宣言。で、この宣言をインタビュー形式で堂々と行ったため、犯行予告時刻には当然ながら警察が出動。万全の防御態勢を固める。この状態から一体どうやってターゲットを殺すのか、ちょっと無理じゃないか……と思いきや、なんと、
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