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ただここで映画を撮りたい、『カフネ』という作品を誰かに届けたい、そんな気持ちが一致していれば何もいらない|松本明日香

この夏、25名の大学生によって制作される映画「カフネ」。
noteマガジン「#それぞれの想い」では「カフネ」に向き合うひとりひとりの想いを紹介していきます。

松本明日香
映画「カフネ」にはアシスタントプロデューサーとして参加。
対外とのやり取りや、公式Instagramの運営などを担当している。



一回私辞めてます。この現場から離れたくて辞めたんです。通ってる大学が違う子達、名前と顔が一致しない、ましてや彼らの学んでいることすら知らない、どうやって仲良くなればいいかわからない、彼らが言っている映画用語が分からなくて毎回検索をかける日々、それに耐えきれなくなりました。この人たちと私は別の世界で生きて、これからも別の道を歩んでいくんだ。きっとそうだ。そうやって自分に言い聞かせて映画制作を辞めました。

辞めてから少し経った時にどこかで『カフネ』のことについて目にしました。もう終わったことだから私には関係ない。また言い聞かせてスマホを閉じました。でもそれから『カフネ』の文字が頭から離れなくなりました。ずっとずっとカフネカフネ。頭がおかしくなるほどに『カフネ』の文字が頭の中で行ったり来たり。

その時気付きました。私には『カフネ』が必要だと。それと同時に彼らについて考えました。彼らは決して私と違う世界で生きていない、私と同じような悩みを持った学生なのだ。

正直彼らのことについてまだあまり知りません。でもそんなこと私たちには必要ないんです。ただここで映画を撮りたい、『カフネ』という作品を誰かに届けたい、そんな気持ちが一致していれば何もいらないんです。
そう気付き、すぐに連絡しました。私も参加させてほしい。そう伝えると二つ返事で受け入れてくれました。

作品を沢山の人に届け、私たちの気持ちを伝えることは、この作品にとっても私たちにとっても大切で必要なことです。でもその前に、私はこの作品で彼らと同じ時期を過ごしたいと思っています。そして私だけではなく彼らやこの作品に関わってくださる方々にとって大切な時間になってほしいです。

アシスタントプロデューサー|松本明日香



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