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永瀬廉主演、映画「法廷遊戯」感想

今さらですが、映画「法廷遊戯」の感想を残しておこうと思う。

このnoteでも書いているように、私はKing&Prince、特に永瀬廉くんのファンである。
その永瀬廉くん主演の映画、どうしたって贔屓目になってしまうし、まともな感想なんて書けそうにない。
そんなこと考えているうちに、映画を観てからずいぶんと時間が経ってしまった。考察とかまったくしてないのに。

あわよくば舞台挨拶付きの劇場に行けたら、なんて思ってたけど、当たるはずもなく。公開初日の舞台挨拶中継付上映のチケットも取っていたが、息子がインフルエンザにかかり、キャンセル。。

公開3日目の日曜に、いつもの映画館でやっと鑑賞できた。
え、公開3日目なのに、小さめのスクリーンじゃん。。席も半分埋まるかどうかぐらいだし。(田舎の小さいイオンシネマだからということもあるけど。)あんなに番宣もがんばってたのに、こんなものなのだろうか。と、ちょっと切なくなる。
チラシや予告映像を見ただけでは、アイドル映画とは言わないまでも、若者向けの少し軽めのミステリーだと思い、敬遠してしまう人もいたのではないか。こんなこと言っちゃなんだけど、私も1年前だったら観ようとしていないかも。。あのチラシ、キラキラさせる必要あったんかな?

ただ公開からしばらく経った頃にも、Xなんかでは、ほぼ満席だったという内容のpostが流れていたので、もしかしたら口コミでジワジワと広がっていたのかもしれない。

という私も、2回目の鑑賞にも行ってきたのだけど。

原作は、弁護士でもある五十嵐律人さんの小説。
メフィスト賞というものも受賞している。
私はミステリーものはネタバレせずに映画を楽しみたいので、あえて原作は読んでいなかった。

ちなみに、この「法廷遊戯」と同じ日に公開となった「正欲」については、なぜか映画鑑賞前に原作を読んでおいたほうがいいのでは?と感じ、読み終えていた。それなのに、近所のイオンシネマで上映されてない!ので、結局こちらはまだ観れていない。。

話がそれてしまったけど、言いたかったことは、この「法廷遊戯」という映画をアイドル映画だと思って軽い気持ちで観ると、いい意味で裏切られることになる。ということ。
そもそも原作小説が賞を受賞するくらいミステリーとして面白いということもあるが、そこで描かれる人間ドラマや社会問題を通しても、いろいろと考えさせられることになる。どちらかというと全体的に暗い映画だし、明るく笑えるシーンなんてまったくない。

といっても、スクリーンに映し出される永瀬廉のお顔はやっぱり美しい。ただ、そこにはアイドルとしてのキラキラはまったく存在していない。そうそう、永瀬廉という俳優のこういうところに私は惹かれたんだった。

いつも廉くんが番宣で言わされていた?おきまりのフレーズ。
「予測不能のノンストップ・トライアングル・ミステリー」
「二転三転、そして四転五転する」とも言ってたかな。
確かに、四転五転とまではいかないまでも、想像していた法廷ものとは違い、面白い展開で物語が進んでいく。
最近の映画には珍しく2時間を切る、97分という短さ。
無駄がないというか、こちらを飽きさせないようなテンポの良さ。
ある殺人事件で、被告人、弁護人、死者となった3人。
それぞれの過去が少しずつ明らかになっていく様子も、謎解きの要素としてうまく構成されているなと感じた。

この作品ではセリフで感情を伝えるシーンが少なく、登場人物の関係性や思いを、観ているこちら側が想像しながら進んでいくような感覚にもなる。

清義(永瀬廉)と美鈴(杉咲花)の関係は、恋愛関係でも家族でもない、同じ秘密を共有する運命共同体のようなものだと、私は感じた。
どこか「白夜行」(ドラマしか観てないけど)の二人に似ている。
昔から、こういう関係性の二人が出てくる物語に、私はなぜだか惹かれる。
「Nのために」(こっちもドラマだけだけど)とかもね。

二人にとって、お互いの存在こそが、生きる意味だったのだろう。

しかし、そこに馨(北村匠海)が交わってくることによって、少しずつその関係が変化していく。

1回目の鑑賞のときには、馨の気持ちを想像するまでの余裕がないまま、気づいたらエンドロールが流れていたような気がする。
なので、2回目の鑑賞時には、このとき馨は清義にどんな感情で接していたのだろう?とか、自然と馨の視点から観ていた。

映画では、あえてそこを詳しく説明するようなセリフはなく、観ている側に想像させるような狙いがあったのかもしれないが、2回目を観ても私はやっぱり、馨の心情をもっと知りたい。って思ってしまった。たぶんこれ、永遠にわからないんだろうな。
もしかして原作小説にはもう少し細かい描写もあるのかな?
馨のこと以外も映画では描かれていない部分など気になり、原作小説を今、読み進めているのだが。

序盤で馨が発した、冤罪と無罪の違い。
物語が進むにつれて、観ている私たちはその意味を知ることになる。
そして、いつの間にか馨がしかけた謎解きゲームに参加させられていた。

なんか馨のことばかり言ってる。
出演シーン少ないのに(笑)

そんな馨の凛とした佇まい。
存在感というかオーラみたいなものがあって、演じた北村匠海くん、さすがだなと思った。

主要キャストを演じた若い俳優3人とも、このキャスティングで大正解だったと思わされる、名演だった。
もちろん、それは監督とともに作り上げたものであることも大きい。

杉咲花ちゃんは、もうさすがの演技力。
ドラマ「夜行観覧車」で初めて彼女の演技に触れたときから、すごい子だとは思ってたけど。
この美鈴という役でも、可憐さがありながら、どこか危うく、そこに狂気も出てくる。表情の変化とか、廉くんが言ってたように鳥肌立つレベルだ(笑)

そして、清義を演じた永瀬廉くん。

この久我清義という役、俳優永瀬廉の良さが詰まっている。
それもそのはず。脚本が出来ていない段階から、プロデューサーからオファーがあったとか。そんな感じのこと、パンフに書いてあった。
「言葉がなくても惹きつけられてしまう雰囲気を持っている方」とか、
「華やかさがありながら、どこか影がある雰囲気を持っている」とも。

「真夜中乙女戦争」のときの陰の雰囲気、どこか儚げな感じが、個人的にとても好きだったけれど、今回の清義もそれに近い感じ。
ライブであんなにキラキラを振りまいていた永瀬廉と本当に同じ人ですか?
と、疑うぐらいの、陰の表情。
そもそも、そのギャップに私は惹かれたのだけど。
馨や美鈴の言動に翻弄されながらも、自分なりの正義を貫き進もうと成長していく、そんな変化もうまく表現されていたと思う。

そして、やっぱり彼の魅力と言えば、声。
この作品でも、永瀬廉の優しい声が、清義というキャラクターにとても合っていた。
映画館で聴く彼の声は、格別に心地よい。
落ち着いた中にも、聡明さや芯の強さのようなものも感じられる、そんな声。
深川監督も何かの雑誌で、不思議な魅力のある声とおっしゃっていた。

永瀬廉ファンの目線が大きく出ている感想になってしまったが、映画の内容もミステリーとしてとても面白かったので、ぜひたくさんの方に観てほしい。
もう上映している映画館少ないですが。。

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