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「怪物」〜まず観る前に思ったこと〜rap

映画館で是枝裕和監督と坂元裕二脚本の映画「怪物」のチラシを見つけた時、正直
「是枝監督と坂元裕二のテイストが合うはずない」と思った。
また、「絶対観なければ」とも思い、チラシを持ち帰った。

しかし、ここ最近はなかなか劇場に行く時間が取れずにいたら、第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞の2冠に輝いたと言うニュースが入り、

「脚本賞⁉️」と、衝撃を受けた。
坂元裕二が世界に知れ渡るのは当たり前。嬉しい。と言う気持ちと、
「では、『ドライブマイカー』の脚本みたいにすごい脚本を坂元裕二は書いたのか⁉️」というダブルショックであった。

私は映画、舞台等が大好きだが、その要素の中で一番惹かれているのは突き詰めると「脚本」であると思う。

「ドライブマイカー」では、村上春樹の小説をもとにその世界観は守りながら、他の小説のエピソードも組み合わせて一つの作品に仕上げていて、その仕事は天才としか思えなかった。

以前に観た劇団東演の舞台「兄弟」でも同じことを感じたことがある。
「兄弟」は、余華による中国の長編小説。
上下巻に分かれていて、大変なボリューム(質も量も)のあるこの小説のエキスを的確に網羅しながら感動的なドラマの脚本に仕上げたのは、文学座の演出家、松本祐子さん。
松本さんの印象的な演出も込みで、その作品に驚愕した。


以前にもここに書いたように、私は坂元裕二のファンだ。
なかでもここに書いたシリアス三部作が好きで、最近のコメディ要素多めの作品には少し距離を置いていた。


この後、いよいよ「怪物」を観た。

そして、私の最高に好きな坂元裕二がそこにいたことを知るのだ。

(つづく)

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