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引っ越し狂想曲 母親に間違えられる 過去日記 2015

某日

布団がきた

数ヶ月ぶりに生理がきた
なんでも来る時はいっぺんに
来るものだ


マイブルベリーナイツを観る
良かった

夕飯は豚の串揚げ
和風チキン
甘い卵焼き焦がす
ブロッコリー
彼は銃の映画の続きを
観ている


某日


彼はダブル布団の真ん中でクウクウと無邪気な顔で
寝ていた
不思議な程に布団が広くなった感じが全くしなかった


songs
の星野源の特集を見ていたら
髪の毛がくさいって笑いあう、
しあわせみたいな歌が出てきて

彼の頭が犬の匂いがするとか言っちゃったけど
満更、間違いでもないのかと
しみじみした


なんだか見覚えある公園のブランコだなーと見ていたら
星野源は蕨出身らしく
それで行った事がある公園だと
分かった


なんか今売れている人たちも
そのエネルギーの根源は
コンプレックスだったり
負の感情だったりすることが多い


羽生くんが3:00点越えで優勝した
キスアンドクライで
クマのプーさんを抱いてニッコリしている


こういう可愛いぬいぐるみを抱いていても見事にはまる
こういう所は彼にも
ある
小憎たらしい程に可愛いアイテムも
似合ってしまう所


夕飯に肉野菜炒めを作ると
彼も同じニラとモヤシを買って帰ってきた

一週間お疲れ様
引っ越しまで あともう踏ん張り



某日


見積もり
アークの人は時間に遅れてやってきた

土足でいいですよと言うと
ほんとに土足で室内にあがった


彼が値下げを交渉
純のことをお母さんと呼ぶ
彼はお母さんですか?
と訊かれて
そうですねと答えたくせに
後で
純ちゃんをお母さんと間違えたから怒ってるんだよと
いい加減な事を言っていた



見積もり交渉が炸裂
午後から豊島園
束の間の小春日和の非日常空間に
癒しと元気をもらう
帰宅してお茶を煎れて二人で
みたらし団子を食べた


見積もり第2弾
サカイ引越センター
米をもらい40000円であっさりと
お願いする
粗大ゴミは意外に安く引き受けて
くれた

やはり、本がかなり多いですねと
言われる
本棚を見て
村上春樹が好きなんですねと
担当の
背の高い営業マン


彼は外でウロウロしていた
日頃、あまり他人と交流がないので気疲れ
母親だと勘違いされるわ、腕は痛いわ
ほとほと情けなくて
さめざめと泣く


彼に純ちゃんは

彼にとってメリットがないと言うと
前はあったみたいじゃないかと


酷い?と訊いていたが
純は愛情を感じた

純ちゃんは素敵な人と言うので
どこが?
と尋ねると


どこか、が と言う
泣いて泣いて笑う


彼はiPadのSiriに
何度も話し掛けて遊んでいた
純ちゃんありがとうと繰り返す
するとSiriが
自分の仕事をしているだけですよ

とぼけた受け答えをしている


様々な人の仕事ぶり
その時は色々と面倒くさいが
後から俯瞰してみると
色んな人間模様が可笑しい
神様はこんな人間たちをさぞ
面白可笑しく見守っているのだろう


テラスハウスに出ていた今井さんが31歳で亡くなった
人の命の儚さ

真っ白なファンデーションを
顔にぬる夢を見た

死化粧を想起させた
自分の生命の覚束なさ
死はすぐそこに鎮座しているようでもあるし
遥か彼方、茫洋とした海原に漂う
舟のようでもある



それは今に始まった事でもなく
ずっと昔からそうだった
呼吸するように死もまた
同時にそこで息をしている


** *



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