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抑え込んだ感情の行き先

子どもも大人も感情を抑え込む

不妊治療で授かったムスコ(8歳)とのやりとりで
印象的だった出来事があるのでシェアします。

過去に抑え込んだ感情があふれた瞬間を目の当たりにして
心が震えました。

この記事を読むと人は年齢に関係なく
たくさんの感情を抑え込んでいるということ、
それがふとした時にあふれ昇華していくということが
シンプルにつかんでいただけます。

5年前の思い出話

現在8歳のムスコ、11歳のムスメといつも通り夜ご飯を食べていました。
その日の献立はムスコリクエストのおでん。
食卓の話題はムスコが3歳まで住んでいた福岡の思い出の話になりました。

ムスコは福岡の記憶はほとんどないそうです。
でもただひとつだけ強烈な記憶が残っているようで
そのことについて自分の言葉で語り始めました。

ムスコ「おれ、オートロックで閉め出されたことは
めちゃくちゃおぼえてる!」

「あぁ、あったねぇ。
お友だちのマンションで子どもも大人も大勢集まっててね。
誰かのお母さんが用事があってひとりで出ていって
それになぜかついて出て行っちゃったんだよね。
そのお母さんもまさかついてきてるとは思わずに
気づかないまま見えなくなっちゃってね。」

ムスコとムスメ「そうなんだよ!(爆笑)」

「お母さんも子どもが大勢いすぎてすぐ気づけなくて。
ふと見渡したらムスコくんいないしめっちゃ焦ったわぁ・・・」

ムスコ「そうなんだよ。振り返ったら誰もいないし、
マンションのオートロックは開かないし!(爆笑)」

「いやーでも危なかったよ。道路に出ててもおかしくない状況だったし。3歳だったのにちゃんとマンションの下にいてくれたからほんとよかったよ。怖かったでしょう。覚えてる?」

ムスコ「ほんとマジ焦ったって!(爆笑)
福岡の記憶と言えばこれだけだもん。ほんとにめっちゃ覚えてる!!」

こんなやりとりをしながら今となっては笑いながら話しているムスコ・・・
でも気づくと笑いながらポロポロと涙を流しているのです。

5年前の涙

笑いながらポロポロと流れるムスコの涙は
3歳の時のムスコの涙が5年の時を経て流れているんだなと
私は感じました。

当時はびっくりしたせいか
ムスメが怖がって泣きわめいていたせいか
騒ぎになったらいやと思ったのか
ムスコは泣きませんでした。

でもムスコの性格からしても
おそらくとっても怖かったんだと思います。

「このままみつけてもらえなかったらどうしよう」
「どうやって中にはいったらいいんだろう」
「おかあさん・・・ぼくをみつけて」

小さな3歳のムスコがとっさにフタをしたそんな気持ちが
今になってポロポロと溢れていました。

その日は眠る前にもこの話をしていたムスコ。
3歳の記憶なのに
その時に考えていたことや彼が見た景色、
たくさんのことを話してくれました。
5年前のいろいろなものが
ムスコの中から放たれるのを感じました。

あふれた感情の

私たちも同じように
感情を抑え込む場面が数多くあります。

その場は抑え込む方が好都合だったから抑え込んだのかもしれません。
でも自分一人で抱え込むのは大きすぎることをずっと抱え込んでいると
ふとしたことをきっかけにあふれるのです。
そのことは決して悪いことでも恥ずかしいことでもなく
自分の心にとって必要なことなのです。

でも、一旦抑えこんだ感情とひとりで向き合うのは
パワーがいります。
ひとりではしんどいな・・・
そんな時は安心できる誰かに一緒に受け止めてもらうことが
必要です。

心の奥深くだからこそ身近な人には見せられない…
そんな時はカウンセリングを利用することもひとつです。

時を経てあふれる感情、
なぜか涙が止まらない、
誰にでもあることです。

「私はここにいるよ」と
出てきてくれた感情を丁寧に手に取ってあげてくださいね。





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