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業者とのつきあい方

店主にとって「お客様」とは、文字通り「来店されるお客様」だけのことを言い、その他の仕入れ業者や各種サービスマンにとっては店側がむしろお客さんになるということからなのか、来店されるお客さん以外の関係者に対しては途端に横柄な態度に出る店主が今も昔もいます。

会社勤め経験がないからであるとか、会社員時代は常に頭を下げ続ける仕事だったからその反動であるとか、いろんなケースがあるかもしれませんが、最高にカッコ悪く、究極にダサいんでやめましょうね。

開業当初、こんなことがありました。まだ開店準備中でシャッターを閉めている状態の時でした。ガラガラガラ~っといきなりシャッターが開いて(まもなく開店だったので鍵はあけていました)誰か入って来ました。
驚いた私の表情を見て、その人は、「開けちゃって良かったでしょうか?」とあまり悪びれることもなく言ってきました。「いいわけないけど何?」と完全にキレながら言った私にその人もビックリしたようで、食材卸の業者であることと謝罪を同時に言ってきました。

「泥棒じゃないんですから、連絡くれるとかどうして無いんですか」と怒りが収まらない私にひたすらその人は何度も謝ってきました。え?冒頭で言ってたことはどうなってるの?って話ですが、続きを読み進めてください。

業者さんにお店の鍵を渡して店主不在時にも納品してもらったり、シャッターを開けて入ってくるという慣例もあるということを脱サラ人間の自分は知らず、ただただ驚いたのと、そうするにしてもやはり最初だけは確認を取り合うべきなのは言うまでもないので、その旨をこんこんと説きながらも、状況が把握出来たので怒りも鎮まり、納品し、その人も帰っていきました。

ほどなくして、卸業者のそこの会社(のお偉いさん?)から誠心誠意こもった謝罪の電話がありました。その時、その後も配送してくることになるさっきのその人を私は好ましく思いました。なぜなら私の中ではあれで終わっており、以後気をつけてもらえるだろうし、そういう(勝手に入ってくる)慣例もあることも知ったし、その人も物凄く反省しているのが見て取れたので、その件はもう終了で良くて、もちろんそのようなことがあれば上司にも報告するべきなのはそうなのですが、私が実際に「この件はこれはこれで終わりです。今後ともよろしくお願いします」と締めくくったので、そこでその人がそれ以上上司に報告等は無しで、もみ消すことも可能だったはずなのに、その人は上司に正確に報告(しかもかなり迅速に。店を出てすぐだったと思われる)したという行為が私には好ましく、そして今述べた私が感じたことその上司と思われる人にもそのまま伝えました。
そして報告、連絡、相談(ホウレンソウ)が末端まで行き届いているこの会社の評価も私の中で上がりました。

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