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ネガティブとポジティブの両輪

開業する際には「きっと大丈夫!俺(私)は出来る!」という気持ちと、「失敗したらどうしよう」という気持ち両方あると思います。どっちの配分が多いのでしょう?
「10年以上続く個人店は1%にも満たない」という統計を知って、「失敗したらどうしよう」と不安になるのは自然なことではありますが、見方を変えてみると、「なんとかなるっしょ!」という根拠のない自信だけ持ち、ろくに準備もせず、勢いだけでやろうとする人の数がかなりいるからこそこのような統計結果になっているともいえると思います。

飲食店の開業というのは参入障壁が低過ぎるのです。

司法試験や公認会計士の試験を受ける人よりは断然適当にチャレンジする人が多いはずです。「本当に真剣に準備し、情熱も持って開業した人」だけを分母にした統計を知りたいものだとずっと思っていますが、
とりあえずここの読者は全員がそういう人であると信じて話を進めます。「真剣に準備し、情熱を持って開業しようとしている人」はおそらく各自が様々なネガティブ要素も受け止めながら準備を進めているであろうから、こちらからはなるべくポジティブな話を・・・という展開には持ち込みません(笑)。

まず、考えうるネガティブ要素のさらに最悪の想定まで掘り下げることをお薦めします。
私はホームレスになっている自分にまで事細かにイメージ出来てしまっていました。まだ結婚する前のことで、これはここで端的に表現することは難しいので省きますが、そういう感触、廃業の肌触りを恐ろしくリアルにイメージ出来てしまったことがありました。所詮はイメージに過ぎないことではあるのですが、私の中ではあの時のあの感覚が想定の底辺ですので、以降の実践準備段階で想定したことは全てその上を行くことによりスムーズに行きました。

少し話が個人的になり過ぎましたので、もう少し汎用性のあることをいいますと、「どういう状態になったら店を畳むことにするのかを決める」ことです。これはその人それぞれおかれた環境もあるでしょうから、
各自で設定してください。

例えば「資金が尽き、借りられるあてが消費者金融のみになった場合」などです。
優秀な大規模チェーン店はその出店の勢いや拡大方針もさることながら、「撤退の定義」もしっかり決め、それを粛々と断行しているものです。個人店の場合は断行するのもされるのも自分ゆえ、甘えが生じやすいものですが、ハンドルをきることよりもブレーキを踏むことのほうが自らの命を守ることにもつながることがあります。

今回のテーマは「ネガティブ&ポジティブ」なので、ポジティブな話もします。

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