#53 個人事業主、労働基準監督署へ行く
今日は、労働基準監督署へ行ってきました。
あまりなじみのない方に、説明すると、労働基準監督署とは、ネットで調べると以下のようにあります。
確かに私のイメージもそうでした。労働者側が駆け込むようなイメージ。
では、今回事業主である私がなぜ訪れたのか。
それは、事業主としての労災保険の加入のため。
これから詳しく書きますが、これから書くことは、重要なのにも関わらず、あまり知られていないので、今回書くことにしました。
しかも、このご時世、事前にネットで調べれば、だいたい分かるんじゃ?なんてタカをくくってました。
が!
ネットで検索しても、労災保険の表面的なことについては書かれているものの、その入り方や、条件などは、ほとんど出てこないのです。
なので以下で、同じように困っている人の助けとなればと思って、詳しく説明してみます。
(なので、こちらは2023.10.13時点の情報です。その後法改正などで変更がある場合もあるかもしれませんので、その場合は最新の他の記事等を参考にしてみてください。)
まず、事業主が(法人、個人事業主問わず)、アルバイトや従業員を雇うとなった場合、事業主が管轄の労働基準監督署に行って、人を雇ったという申告をする必要があります。
これは、最低何時間以上という条件はなく、たとえ時間が少なくても、短期でも、長期でも雇ったら必須です。
厚生労働省のHPによれば、
ちなみに、似た保険で、雇用保険というものがありますよね。
失業した際に、役に立つアレです。
こちらは、週20時間以上の労働時間がある場合に、加入するものになります。(厳密には、31日間以上の雇用契約、週20時間以上の労働時間、学生でないことの3つが条件となります)
なので、週20時間未満の場合でも、労災保険には必須で入らなければいけません。
まず、序盤の、この点を理解している人はあまり少ないかもしれません。
そして、加入するためには、従業員を雇った日から10日以内に、管轄の労働基準監督署に手続きに行かなければなりません。(結構短い!)
しかも平日の9時-17時までに。
ちなみに、うちの店から管轄の労働基準監督署へは、車で40分ほど。(遠い!)
平日店舗に立って客商売をしている身としては、なかなか厳しい条件です。(個人の感想)
そこで、いろいろ調べたら、e-Govという総務省が運営するオンライン申請のシステムがあることが分かりました。
これを使って、労災保険の加入が出来そうなことが分かりました。
まずはアカウント取得から。
で、仰山あるお品書きから、労働保険に加入の項目を探します。
そこで、まず、ない。見つけられない。
加入とかではないんですね。四苦八苦してやっと見つけました。
保険関係成立届(継続)
というところがそれでした。継続じゃないんだけど、新規なんだけど、などと思いつつ。
で、入力していき、
使えない文字が入ってます!
などと言われ、たびたびはじかれ、悪戦苦闘して、やっと記入。
全部で44項目(行)ありました。
途中で保存することはできたので、2日ぐらいに渡って休み休み入力して、完成!(まだ未送信。未申請。入力自体が完成したという段階)
ここで、ふと疑問が。
そういえば、雇った人の名前や住所は一切入れてないんだけど、果たしてこれで書類や申請は完成なのだろうか。
不安になってきました。
調べたけど、案の定、どこにもそのようなノウハウや記載は見つかりませんでした。。
雇用保険などでは、なんとなく、
誰を雇った、みたいな申請をして、雇用保険被保険者証を発行されるので、(会社員時代の従業員の立場の経験から)
名前や住所も必要だろうと思っていたので、不思議でした。
本当にこれであっているのか?
もう一度見直す。
事業主の名前、住所は入れるとこはあっても、やはり、従業員のそれらを入れる部分はない。
たぶん、合っている。
じゃあ、と、申請ボタンを押しました。
すると、驚くべきことが!
ICカードを読み込んでください(もしくは電子証明書を選択してください)
の文字が画面に出現。
マイナンバーカードの電子証明書のことっぽい。
電子証明書とは、信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するもので、書面取引における印鑑証明書に代わるもので、マイナンバーカードを作る際、カードに付与できます。
つまり、e-govで今作った書類が、本人によって作られたものであることを証明しなければいけないようです。電子証明書を読み込ませて。
マイナンバーカードと言えば、7,8年前に最初に作った際、電子証明書を付けた記憶があります。
引っ張り出してカードを確認します。
なんと電子証明書の期限が切れていました。
調べると電子証明書の期限は5年で、都度更新しなければ使えないようです。マイナンバーカードとしては普通に使えます。
進むごとに、壁が立ちはだかります。
では、先ほど、もう一つ選択肢が出てました。
もしくは電子証明書を選択してください
調べると、認証局にお問合せの上、電子証明書の発行を受けて、その書面を添付しろということのようですが、
認証局とは?
どうやって発行してもらうの?
など次々に疑問が出てきて、案内されているこのHPを見て、さらに紹介されている先のサイトを見てもちょっと良くわからず。。(有料っぽかったり、大変そうなことだけは分かる。)
ここで、一旦この方法は終了。
もう、時間を作って、40分かけて、管轄の労働基準監督署に行ったほうが早いと判断。いろいろ疑問も聞けるし。
で、行って来た訳です。
それで、無事申請もできました。
まあ、これは、事前にe-govのサイトで入力したものと全く同じ項目を書くので、事前に予習ができていたとも言え、簡単でした。
ただ、この予習すらしていなくても、基本的には事業所の屋号や住所や名前を書くだけなので超簡単です。これからやる方も安心してください。
そして、従業員の名前や住所は必要ないということも分かりました。
何だか不思議です。
例え、これから雇用する従業員は増えても何か手続きする必要はないとのことでした。
さらに不思議。
で、厚生労働省のHPにこんな記載があることが分かりました。
そして、上記を納得させたのが、これから書く、我々事業主が、労災保険の保険料の支払う仕組みです。
保険料というのは、業種によってパーセンテージが異なるのですが、(これはおそらく業種によって危険度、怪我をする確率が違うからだと推測するのですが)従業員へ支払う給与の何パーセントかとなります。
さほど大きい金額ではありません。ましてや、労働時間が週20時間未満であるならば、経営を圧迫するような金額ではないかと思います。
保険料は、
今回、労災の加入の申請を出した際に、概算を書く欄がありました。
つまり、3/31の年度末までに、従業員に対してこれくらいの給与を支払う予定という金額をだして、その場で、計算式にあてはめて、管轄の労働基準監督署の方が出してくれました。
その金額
数百円。
その場で担当者が保険料を計算して、納付書を作成して、渡してくれました。
これを50日以内に、銀行に持っていき、支払わなければいけません。この納付書は、コンビニ等では支払い不可(2023.10月時点)。銀行の窓口のみでしか支払えない。オンラインバンキングなどはなし(アナログ!)
電子納付などはないのか?と尋ねてみましたが、現段階ではないとの回答。
口座振替にはできるとのこと。要らない。(笑)
e-govなんかが出来て、お!と期待はしたものの、まだまだアナログです。
では次に、様々な理由(都合であまり働けなかった、や、思ったよりたくさん働いてもらったなど)で、給与の金額が、今申告した金額から変わることもあるはずです。
それはどうするのか。
これは、確定申告方式。
つまり、年度末に、正式な給与額などの金額を申告して、今回納付書で納付した金額より多ければ還付金があって、少なかったらまた(おそらく納付書で)追加分を支払うということなのだ。
どうりで、従業員の名前や住所は必要なく、これから雇用する従業員が増えても何か手続きする必要はない訳でした。
最後に、質問をしました。
今雇った従業員が労働時間が週に20時間以上になったら、雇用保険に入ることになると思うのですが、そうなった場合は、どうすればよいのですか?と。
その場合は、管轄が所轄の公共職業安定所(ハローワーク)になるので、近くのハローワークに行って手続きをしてください。とのことでした。
なるほどー。
今回は、経営や開業向けな話になってしまいましたね。
似たような誰かのお役に立てれば幸いです。
その他、以下のマガジンなんかも書いてますので、よろしければ読んでみてください。
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