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絶望で始まり愛で終わる「三体Ⅲ 死神永生 下」

文学ラジオ第45回の紹介本
「三体Ⅲ 死神永生 下」
劉慈欣 著
大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功 訳
早川書房

遂に完結!ネタバレありで話しています。下巻では人類の命運を左右するおとぎ話から始まり、四次元のかけらが現れ、小説の舞台は地球から宇宙へ。中国の文化大革命での絶望から始まった「三体」物語は、遥か彼方の星にたどり着いた人間の愛で終わりを迎えます。

シリーズⅠ、ⅡではVRゲームや面壁計画に突っ込みながらおもしろおかしく読めていましたが、Ⅲでは突っ込む余裕を持てず、「二次元攻撃は本当にやばい」と絶望的な気分で読みました。とくに程心と雲天明の運命には一喜一憂してしまい、最高の現実逃避小説になりました。見事に三体ロスにもなりました。

本書のあらすじ
帰還命令にそむいて逃亡した地球連邦艦隊の宇宙戦艦〈藍色空間〉は、それを追う新造艦の〈万有引力〉とともに太陽系から離脱。茫漠たる宇宙空間で、高次元空間の名残りとおぼしき“四次元のかけら"に遭遇する。〈万有引力〉に乗り組む宇宙論研究者の関一帆は、その体験から、この宇宙の“巨大で暗い秘密"を看破する……。一方、程心(チェン・シン)は、雲天明(ユン・ティエンミン)にプレゼントされた星から巨額の資産を得ることに。補佐役に志願した艾AA(アイ・エイエイ)のすすめで設立した新会社は、数年のうちに宇宙建設業界の巨大企業に成長。人工冬眠から目覚めた程心は、羅輯(ルオ・ジー)にかわる二代目の執剣者(ソードホルダー)に選出される。それは、地球文明と三体文明、二つの世界の命運をその手に握る立場だった……。SF最大の賞ヒューゴー賞をアジア圏で初めて受賞した『三体』に始まり、全世界に旋風を巻き起こした壮大な三部作、ついに完結。

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