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逃げる、名前を変えても「パッセンジャー」リサ・ラッツ著、杉山直子訳

文学ラジオ第77回の紹介本

逃げる、名前を変えても
「パッセンジャー」
リサ・ラッツ 著
杉山直子 訳
小鳥遊書房

今回は逃亡系ミステリー小説をご紹介します。「無実」のはずなのに、名前を変えて逃げ続ける女。彼女はなぜ逃げるのか? 物語が進むにつれて、明らかになる謎。彼女の逃亡生活は、同時に自分探しの旅でもある。この作品をラジオではネタバレなしで紹介しています。

スリル感ある展開で、海外ドラマを観ているような気分を味わえました。また、他人を演じて生きてきた主人公にも本来の姿があって、作中で一人の人間のいくつもの顔を見れるのもおもしろさがありました。読みやすくて、緊張感もあり、一気読み必至のエンタメ小説でした。

本作は今年の日本翻訳大賞の最終候補5作の一つです。5月中旬の大賞発表までにラジオでは候補作を順に紹介していきます。次回の「詩人キム・ソヨン 一文字の辞典」が最後の紹介になります。

▼読書会のお知らせ
今年の第八回日本翻訳大賞の二次選考15作のどれか読まれた作品を語り合う読書会を開催します。
5月5日(木)14時〜16時
オンライン(ZOOM)、参加無料
詳細・申込は以下のpeatixイベントページをご確認ください。

本書のあらすじ
階段から落ちて事故死した夫の死体を見た瞬間、「わたし」の逃亡生活がはじまった。 別人になりすまして第二の人生をスタートしたはずが、たちまち正体不明の追手に襲われる。窮地を救ってくれたはずの女バーテンのブルーも、「わたし」の人生の歯車をさらに狂わせていくーー。次々と名前を変え、外見を変えて逃亡する「わたし」とはいったい誰。なぜ、何から、逃げ続けるのか。すべてのピースが一つにつながる驚愕のクライマックスまで一気読み必至。


ラジオは毎週月曜日に更新しています。

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