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Mr.Children Live@日産スタジアム

Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス

2022年6月12日(日)@日産スタジアム


ミスチルは今年30周年で盛り上がりそうです。
オリジナル・アルバムはCDほとんど持ってますが、正直、聴きこんでないアルバムも結構あって、好感は持っていても、大きな声でファンですとは言えない状態。
当然ライヴにも行った事ありません。チケットも獲れそうにないしね。

で、30周年記念ツアーが行われる事が発表されたのですが、5月の東京ドーム公演が、僕が仕事の休みの火曜日にあるので、この日狙いで抽選申し込んでみるか、となったわけです。
チケットぴあでチェックしたら、ticket boardという所に登録しなければならなかったのですが、そこから申し込む事に。
でも、案の定というか...当たらないんですよねえ。
なんでも、ファンクラブに入ってても当たらないのはザラだとか。そんなにプラチナ・チケットなのか。

で、2回ハズレて、早く3回目の抽選やらないかなと思って、毎日チケットぴあをチェックしてたのですが、情報が更新されない。
まだなのかなあと思ってたある日、Twitterのフォロワーさんが「抽選申し込んでみました」と呟いていて。
え?抽選やってるの?と思って、チケットぴあを見てみるも、まだ情報は更新されてない。
なんだろ、おかしいなと思って、ここでやっと、ミスチルの公式サイトを見てみるという初歩的な事に気付きました。
そしたら、東京ドームの3次抽選は行われていて。
お、やっぱり受け付けてるんじゃん!と思うのも束の間、僕が気付いたのは受付締め切りの2時間後だったのです。
うそだー、ついさっき締め切ったばかりだなんて!
しかも、それが最終抽選だと書いてありました。
目の前が真っ暗になりました。
初めにチケットぴあで情報を見つけたものだから、そこを見てればいいやと思い込んでいて、ちゃんと公式サイトをチェックするという初歩的な事を疎かにしてた僕が完全に愚かだったのですが。
そりゃあ、申し込めてたとしても、ハズレてたかもしれませんが、最後の抽選のチャンスを逃してしまった事が悔しくて悔しくて。

そこからですかね、6月の日産スタジアム公演を視野に入れ始めたのは。
元々は、仕事が丁度休みだからと軽い気持ちだったはずなのですが、抽選にハズレ続けて、さらに悔しい思いをすると、どうしてもライヴに行きたいんだという気持ちに変わってきたんですよね。

ところがどっこい、さらに何日かしたら、あれで最終抽選だったはずの東京ドーム公演、ソールド・アウトと謳いながらも、注釈付指定席券ならまだ残ってるという事で、もう1回抽選のチャンスが舞い込んできたのです。
これだあ!と最後の望みに賭けてみるも、結局またハズレ。
なんだよ!せっかくちょうど仕事が休みなのは運命だと思ってたのに、チケット獲れないのかよ!とさらに落胆したのですが、実はこの事が後にちょっとヒントになったのです。

結局、東京ドームは獲れなくて、それならば6月の日産スタジアムにしよう、と。
でも、当初、それを選択肢に入れなかったのは、屋根のないスタジアムだから、という事です。
雨が降ったら、かなり面倒で辛い事になるだろうと予想できたので、屋根のない会場のライヴは今まで避けてきたのです。
それに、6月でしょ?思いっきり梅雨じゃん。雨に降られる確率高いじゃん!と。
それで、今回も最初は考慮してなかったのですが、そういったわけで東京ドームが獲れなくて、ライヴに行きたい熱が高まってしまったら、それでもいいや、なんとかなるでしょ、という気持ちに変わってきたのです。


そして間もなく、日産スタジアム公演のチケット抽選が始まったのですが、狙いは、注釈付指定席でした。
注釈付指定席というのは、ステージを真横から観る事になるので、角度上、セット機材に阻まれて、ステージが見えにくい席、という事です。
東京ドームでも、何度かそういう席で観た事がありますが、僕は、その席が大好きなのです。
理由は、「ステージが近いから」です。
ステージを真横から観る、という事はつまり、近いんです。
アリーナ席でも後方とか、スタンド席の上の方とかに比べたら、確実にステージが近いんです。
観えにくいといっても、完全に観えないわけではないし(ただし、ドラムセットはほぼ観えない)、今のライヴは大抵スクリーンがあるので、それが観えればあまり問題がないとも言える。
それでいて、通常の席よりも安い。
それに、一番の懸念だった雨ですが、普通に指定席で申し込むと、アリーナ席が当たってしまったらアウトですが、注釈付だったら、スタンド席になるのは確定。
日産スタジアムの公式サイトを見ると、スタンド席の1階19列目以降と2階席だったら、屋根があるので雨に濡れずにすむとの情報でした。
ならば、注釈付なら雨に濡れない席が当たる可能性の方が高いのでは?というのが後押し。
そして今回のミスチルの東京ドーム公演のチケットでも、注釈付指定席券が最後まで残って抽選が行われた事がヒントになりました。
通常の指定席がソールドアウトになったのに、絶対数が少ないはずの注釈付は残ったという事は、人気がない、という事なんだろう、と。
やはり、ステージが観えにくいという注釈は、普通の人からするとネガティヴなイメージなので、選ぶ人が少ないんだと思われます。
なので、今回の日産スタジアム公演も、注釈付指定席なら、競争率低いんじゃないだろうか。
土日公演だったら、土曜日の方が人気が高いのは経験上わかっているので、こちらも僅かでも競争率低い日曜公演に狙いを定めて。
それならば、チケットが獲れないというミスチルのライヴでも、なんとかなるんではないかと。


そうやって、戦略を立てて、抽選に申し込んだら、一発で当選したのです!


これで、ミスチルのライヴに参戦するのが決定して、そこから、ライヴまでの2ヶ月弱、ミスチルの全アルバムを聴きまくりました。
おかげで、ちゃんとハマる事が出来ました。ミスチルって、こんなに良かったんだあと、今更ながら気づくことが出来ました。
まだまだにわかではありますが、ファンですと胸を張って言えます。
期間も2ヶ月弱あったのが良かったですね。もし東京ドーム公演の方が当たってたら、それは1ヶ月前だったので、そういう予習の時間はあまり取れなくて、どっぷりハマる事が出来なかったかもしれないと思いました。


実は、チケットが当選する直前に、今回のツアーが始まって、セットリストが明らかになったのですが。
そこには、「Sign」がなかったのです。
今回は30周年記念ツアーだし、レコード大賞も獲った、ミスチルの数ある曲の中で僕が1番好きと言ってもいい「Sign」はきっとやってくれるだろう、と期待してたのに、セットリストの中にないのです。
これはもう、かなり落胆しましたね。
「Sign」さえ聴ければ、あとはなんでも...くらいに思ってましたからね。

今回のツアーは各会場2DAYSなのですが、セットリストは日替わりなのも気がかりでした。
どちらの日でも演奏される固定曲もたくさんあるのですが、たとえば、
2曲目は「youthful days」or「箒星」or「PADDLE」とか、
4曲目は「シーソーゲーム」or「innocent world」とか、
その日によって、会場ごとにランダムに入れ替わる流動曲が結構あるのです。
他にも、
「Over」or「Replay」or「LOVE」とか、
「Drawing」or「僕らの音」とか、
「LOVEはじめました」or「ロックンロールは生きている」とか、
もう、気になる流動曲があって、僕が行く日に、好きな方をやってくれるのかどうかが気になって仕方なかったんです。

それに、最新アルバムの『SOUNDTRACKS』のお披露目ツアーはコロナ禍で出来ていなかったので、その意味合いもあってか、『SOUNDTRACKS』からは4曲も選ばれているし、さらに新曲も2曲あるしで、ライヴで演奏される22曲中、6曲が新しい曲となるわけで。
ミスチルにはヒット曲や代表曲がたくさんあるのに、今回のセットリストを俯瞰すると、ベストヒット的な要素は意外に少なくて、あんまり「30周年記念」の感じはしないなあ、というのが第一印象でした。

そして、東京ドーム公演が行われたのですが、そこでは、「シーソーゲーム」と「innocent world」の両方が演奏されてるし(配信されるからのサービスなのか?)、流動曲でも、「youthful days」「Over」「ロックンロールは生きている」など、僕が聴きたい方が選ばれていて、ああ、これが観たかった、僕が元々狙っていた東京ドーム公演が「当たりの日」だったかなあ、と、悔しい思いがこみ上げました。
願わくば、僕が行く日産スタジアムも、好きな曲をやってくれて、日産スタジアムで良かったと思えるようになればいいのに、と。

そういう、セットリストに対する不満や、期待や、不安がありつつも、どの曲が来ても心の準備ができるように、予想される曲をSpotifyでプレイリストを作って、ライヴの10日くらい前から毎日聴いて、気持ちを作っていきました。

ツアーグッズのバンドTシャツがカッコ良かったので、欲しいなと。
当日は混雑の中、ちゃんと買えるのか心配でしたし、何より、それを着てライヴに行きたい!という事で、送料はかかりますが、通信販売で事前購入。
6月上旬より発送との事で、ちゃんとライヴ前に届くのか心配ではあったのですが、賭けてみたら、5日前にしっかり届きました。
これで気持ちも上がってきました。



そして、ライヴが近づいてきて、最大の懸念、お天気。
1週間前から、予報は「雨」でした。
ライヴの数日前になって梅雨入りし、そりゃもう、雨が降る気配プンプンでしょ、と。
それから毎日チェックするも、相変わらずその日の予報は「雨」。
もう、気持ちはふさいでいくばかりでした。
雨かあ、面倒な事になるなあ、カッパとか荷物とか足元とか、どうなるんだろ、憂鬱だな。
たとえ雨でも、それはそれで良い思い出になるなんて事はあるのだろうか。
雨が辛くて、ライヴを心から楽しめなくて、早く帰りたい気持ちで一杯になってしまったら最悪だな...。

でもまあ、雨に濡れない席が当たれば、そんなに困る事もないのかなと希望を抱き。
今回の座席は、ライヴの2日前にチケットが発券開始となるまでわからないのです。
ドキドキの座席発表。
祈るような気持ちで、チケットをスマホにダウンロード。
西ゲートW15 スタンド1階6列571番。
うわああああ、6列目かよおおお、完全に雨に濡れる席じゃん!!
絶望しました。
普通なら、前列なら喜ぶべきところなのですが、今回は雨を避けるため、後列を期待してたので、よりにもよってこれはないでしょ、と。
雨に濡れてのライヴ観戦。
これはえらい面倒な事になる...。

ところが。
その直後、天気予報を確認してみたら。
ライヴ当日の予報が、「雨のち晴れ」に変わっていたのです。
雨のち晴れ??
もしかしたら、夕方には晴れる?
まさしく、希望の光が差し込んできました。
それならば、それならば何の問題もない!!


ライヴ前日。
天気予報をこまめにチェックすると、「雨のち曇り」となったり、媒体によっては「午後も雨」とか言ってるところもあったり、完全に晴れるとは言ってくれなかったのですが、当初予報の「1日雨」みたいなことはなくなったようで、たぶん、夕方には雨は降らなそうな感じ。
よしよしいいぞ、なんとかそのままで。

それからもう1つの問題、セットリスト。
流動曲がどうなるか。
この日(土曜日)は、日産スタジアムの1日目が行われたので、そこでどんなセットリストだったかによって、僕の行く2日目のセットリストがどうなりそうかも予想が付く。
流動曲は、1日目ではやってないものが、2日目に来るだろう、だから、僕の好きな曲は、1日目にはやってないように、お願い!
そんな気持ちで、1日目のセットリストを確認しました。
すると。

何コレ、思ってたのと違う!
1曲目も2曲目も、今回のツアーではやってなかったものが演奏されてるのです。
ドーム公演での固定曲とか流動曲とかの話は吹っ飛びました。
ドーム公演とスタジアム公演では、セットリストを変えてくるかなあ、と考えた事もありましたが、スタジアム公演は全部で4公演しかないので、そのためにわざわざ変えたりしないよな、今回のツアーは、基本線は同じだろう、と思っていたのです。
しかし、変えてくるとは。
ドーム公演では全22曲(東京ドームは23曲)だったのが、スタジアム公演では全25曲と、曲数も増えてます。
そして、そして。
なんと、「Sign」がある!!
これにはビックリしました。
まさかまさかの急展開です。
もちろん、ドーム公演では2DAYSのセットリストは別メニューだったので、日産スタジアムの2DAYSも、別メニューとなる可能性もあるわけで、まだ手放しでは喜べないのですが、さっきの考えからすると、逆に4公演しかないスタジアム公演のセットリストは変えたりはしないんじゃないかなあという気がするのです。
ともかく、元々、生で聴く事を熱望していた「Sign」が聴ける可能性が出てきたという事です。
完全に諦めていたのに。

お天気もセットリストも、僕にとって良い方向に風が吹いてきました。


ライヴ当日。
僕が家を出る10時前には、すっかり雨は上がっていました。
午後ににわか雨的なものの可能性はありそうですが、ライヴが行われる夕方以降は雨の心配はなさそうです。
ホント、良かった。一応、カッパは持っていきましたけど。

横浜では、いつものお楽しみ、disk unionとBOOK OFFでお買い物。
レコード、CD、本を買って荷物が増えたので、これも雨が降ってたら面倒な事になってたんだろうな、と。
disk unionを出たら、空に黒い雲が近づいてきていて、怪しいなと思いつつ、BOOK OFFへ。そこで買い物してる最中に、やはり、にわか雨というか、夕立みたいなものがあったみたいです。店を出た時に、路面が濡れていました。
タイミングが良かったです。

日産スタジアムは、もちろん初めて行く場所。
16時頃に、地下鉄の新横浜駅に降り立ち、そこから徒歩で。
周りにたくさん日産スタジアムに向かっている人がいたので、迷うことなく行けました。
たどり着いたところは東ゲート。
僕の席は西スタンドなので、そこからさらにグルっと反対側の西ゲートまで行かなくてはならなかったので面倒。
帰りの混雑の事もあるし、この時までは、東スタンドの席の方が良かったなあ、と思っていました。
えっちらほっちらと歩いて、ようやく西ゲートへ。遠かった。
でも、入場時はまったく混んでいなくて、スマホのQRコードを読み取ってもらってササッと入場完了。
少しだけ時間を潰して、トイレを済ませてから、16時45分、いざスタンド、自分の席へ。
やはり、ステージの真横です。
僕の右隣は4席あって、それ以上右は封鎖されていました。
そして、6列目だし、近い。
アリーナ席でも後方の人なんかに比べたら、ずっとずっと近い。
ステージとは目線の位置が同じような高さで、見上げるでも見下ろすでもない、いい感じの高さ。
晴れたから言える事ではありますが、6列目で良かったあ、と。
最初に6列目と知った時は絶望してたのにね。

晴れてしまって日差しがあって、夏至が近いこの時期、日が暮れるのもかなり遅い。
で、17時開演という事は、ライヴの終盤になっても空は暗くならないじゃないか、という事に気付きました。
もしかして、ライヴ始まって2時間くらい、ずっと日差しが照り付けてるの?と。
帽子なんかは持ってきてないし、暑くてたまらなかったら嫌だなあ。
そんな事を不安に思いながらだったのですが、席に着いてみると、ここは西スタンドだったので、西から照り付ける日差しは建物に遮られ、見事に日陰だったのでした。
で、反対側に見える東スタンドは見事に日差しが照り付けていて、それから日が暮れるまで2時間近く、その状態が続く事に。
この時、ああ、西スタンドで良かったな、と思い直したのでした。


開演時間の17時を10分ほど過ぎ、開演となりました。



01. 終わりなき旅
02. 名もなき詩
03. 海にて、心は裸になりたがる
04. シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~
05. innocent world
06. 彩り
07. 口笛
08. 車の中でかくれてキスをしよう
09. Sign
10. タガタメ
11. Documentary film
12. DANCING SHOES
13. LOVEはじめました
14. フェイク
15. ニシエヒガシエ
16. Worlds end
17. 永遠
18. others
19. Tomorrow never knows
20. 光の射す方へ
21. fanfare
22. エソラ
23. GIFT
(Encore)
24. HANABI
25. 生きろ



桜井さんのギターのストロークにより始まった「終わりなき旅」。
ドーム公演での1曲目はNEWアルバムからの曲だったので、それと比べると、グッと30周年記念ライヴらしい幕開けになった気がします。
それで、30周年を迎えた今にして歌われる「終わりなき旅」でのスタートですからね。意味合いを考えてしまいます。

ただし、この時点で、肝心のステージのメンバーの姿は、実はほとんど観えず、で。
ドラムセットはまったく観えないし、ギターの田原さん、ベースのナカケイさんも、あの辺にいるのかなくらいしかわからない。
そして、桜井さんの姿は一応観えるのですが、ちょうど照明機材が桜井さんの頭を隠すようにしていて、首から下の姿しか観えないのです。
これは、まいったなあ、と思いました。
でも、これは「定位置」での話。
桜井さんがギターを置いて、ハンドマイクにして動き回れば、話は違ってくるだろう、と期待をかけました。

「名もなき詩」。
少々乱暴気味というか、バンカラ風味の前半から、キャッチーなサビでたたみ掛けてくるロック・ナンバー。
中盤の「♪ 絶望失望 何をくすぶってんだ~」からの展開がとても好きで、「♪ 成り行き任せの恋に落ちて~」の速射砲も生で聴けて興奮。

ここから、桜井さんはギターを置いて、ハンドマイクに切り替えました。
「海にて、心は裸になりたがる」。
解放感と疾走感のあるスピード・ナンバーです。
この曲は、本来はサビの最後でみんなで「Oh~!Oh~!Oh~!」と叫ぶのがいいんだろうなあと思いましたが。
桜井さんは歌いながらステージの前方、そしてアリーナ席に伸びた花道、ステージの左右に伸びた花道を順番に回ってきてくれました。
ステージ右に伸びた花道の先まで来ると、僕とは30mくらいの距離。表情がはっきり見てとれます。
めっちゃ近い!
そして、桜井さんもテンションが上がってるのか、ダンスというか、ものすごいキレのある動きをします。それは、サッカー選手が、アップの時に体を激しく動かす様を思い出させました。桜井さん、サッカー好きですからね。自然とそういう動きが出たのでしょう。
この曲に限らず、桜井さんの次は、ナカケイさん、その後は田原さんまで、順番に何度も花道の先まで来てくれました。
あれ、気が付いたら花道にいる!なんて事も。
照れながら客席に手を振る田原さんが可愛かったですね。

「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」。
当時リアルタイムで聴いて、ミスチルっていいなあと思わせてくれた曲の1つで、エルヴィス・コステロへのオマージュという点でも思い入れがあり、生で聴きたいと思ってた曲です。
途中でパン・パパンと手拍子するところとか気持ち良かったし、サビの「♪ エーエーエエエー」のところとか、「♪ シーソーゲーム 人生ゲーム」の合いの手コーラスとかは一緒に歌っちゃったよね。
ドーンと爆音も上がってビックリ。

「次にやるのはMr.Childrenの代表曲で、今まで何度も何度も演奏してきましたが...」と紹介があっての「innocent world」。
イントロのギターの音色が心地良い。
歯切れが良く、高揚感で満たされるサビも天下一品。
観客はリズムに合わせて手を左右に振って応えます。

歌詞の一節を紹介してからの「彩り」。
とても優しさを感じる、ほのぼの楽曲。
サビのラストにいろんな色を登場させて締めるのが見事です。
今回のセットリストの中では、穏やかな気分になれる稀有な瞬間だったのではないかと思えて良かったですね。

「口笛」。
バラードになりそうでバラードではない、絶妙な加減の曲ですよね。
切ない曲なのかなと思わせて温かい気持ちにさせるのもまた絶妙。
空の下で歌われるのが似合うなあと感じました。

ここで、アリーナ前方に伸びた花道の先のセンターステージに移動。
まずは桜井さんと、ギターの田原さん、キーボードのSUNNYさんの3人で。他の2人は休みだそうです。

デビュー当時から歌ってたという紹介で、「車の中でかくれてキスをしよう」。
楽器は2つなので、シンプルでややアコースティックな響き。
初期のマニアックな曲だし、地味と言ったら言葉が悪いかな?
でも、7万人の中で演奏するにはやっぱりどこか弱さが否めない印象でした。

さて。
次が、僕にとって最重要曲が来る番だと思うのですが、はたして期待通りやってくれるのか。
やってくれたとしても、このまま3人での演奏となると、原曲よりも地味な感じになってしまって、それはそれで残念な感じになりはしないか?
と不安に思っていると、ここで、残り2人のメンバーを呼び寄せました。
良かった、フル・メンバーだ。これなら。

どうかな...と思って固唾をのむと、切ないピアノのイントロが鳴りました。
「Sign」だ!
やったあ、やってくれました。
これを、これを望んでいたんだよ。
まさか聴ける事になるなんて。
2日前までは思ってもいなかった事が現実に。
もう、うっとりしましたよ。
「♪ 君が見せる仕草 僕に向けられてるSign もう何一つ見逃さない」、大好きなフレーズです。
愛情の中に、ものすごい強さを感じて良いんですよねえ。
ホント、今日この場に来る事が出来て良かった...。

センターステージでの演奏はこれにて終了、メインステージに戻ります。

「タガタメ」。
グッと重たいテーマの曲となりました。
先ほどまでの夢のような時間から、現実に戻された感じ。
ダイナミックな魂の演奏に圧倒されます。

「Documentary film」。
NEWアルバムの中では1番好きなのがこの曲。
ちょっとしっとりと虚ろで、静かに心の中に食い込んできます。

「DANCING SHOES」。
引き続きNEWアルバムからの曲。
ちょっとドロドロとして怪しい感じ。

「LOVEはじめました」。
真面目なのかふざけてるのかわからないけど、きっと真剣に訴えてる。
ニヒルで憂い。決してライヴ映えする曲とは思えないんだけど、割とライヴで採り上げられてる感じ。

「フェイク」。
クールなビートから、サビ前のブレイクがカッコ良く、一気に熱くなるロック・ナンバー。

「ニシエヒガシエ」。
ザラついて骨太のロックンロール。
単純ポップなだけのバンドじゃなくて、こういうゴリゴリのもあるよ、という自信に漲ってます。

「Worlds end」。
大好きなアルバム『I LOVE U』の冒頭を飾るこの曲。イントロからして一気に目の前が開けるような、開放感のあるサウンドに痺れ、興奮しました。
「♪ 捨てるのに胸が痛んで とっておいたケーキを結局腐らせて捨てる」というフレーズがとても共感できて好き。

「永遠」。
今回のツアーで「Sign」が演奏されないのは、この新曲の存在があるからかと思ってました。
「♪ 一瞬でさえも逃したくなくて」というフレーズは、「Sign」の「♪ 僕に向けられてるSign もう何一つ見逃さない」と通じるものがあるし、切ないピアノのイントロで始まる、大仰なオーケストラ・アレンジのバラード。
久々に制作に参加した小林武史さんも、「Sign」を念頭に置いてアレンジしたのではないかなと勘繰ってます。
だから、「Sign」をやると、この曲の存在がぼやけてしまうので、やらないのかなあと思ってました。
結局、今回のライヴで「Sign」やったので、僕の考察は全然的外れだったんですけどね。
でもまあ、そういう意味で、「Sign」を思い起こさせるこの曲は、僕もとても気に入っていて。
ただ、歌詞の世界観は、「Sign」とは違います。
愛する恋人が亡くなってしまったんですかね。もう会えなくなってしまった恋人のことを強く思う歌詞がとても切ないです。
とても感動して泣けてくる、素晴らしい新曲だと思います。

「others」。
大好きな曲が多く演奏されている今回のライヴですが、NEWアルバムの中のこの曲だけは好きじゃなくてね。
セクシーな、大人の色気を漂わせた曲なのかもしれませんが、TVのCMで流れてきていた時からどうも苦手で。
なので、これ以上のコメントは。

この頃になって、ようやく日が沈んだ感じの静寂の中、聴き慣れたピアノのイントロが聴こえてきました。「Tomorrow never knows」です。
リリース当時、聴いた瞬間、ミスチルは天下を取るなあと感じたこの曲。
今でも圧倒的な存在感を放っています。
30周年記念ライヴでこれをやらなくてどうするんだ、という感じです。
「♪ 果てしない闇の向こうに」の後の「Oh Oh」は、つい歌っちゃうよね。間奏のサックス・ソロのパートは、キーボードで代替。
演奏が終わった瞬間、うおおおと熱いものがこみ上げてきました。

「光の射す方へ」。
前曲まで3曲続いたバラードの空気が一変しました。
ノイジーでギラギラしたロック・サウンド。グラムっぽいのかもと気付きました。
サビは意外とグルーヴィー。
コレが入ってるアルバムがあまり好きではないので、そんなに馴染みもなかったのですが、生で聴くと、意外と良いトコあるじゃん、と少し気に入ったり。

「fanfare」。
少しばかりのあわただしさと熱い冒険心でいっぱいのこの曲。
桜井さんのヴォーカルにも力が入ってますし、聴いてるこちらも元気が出てきますね。

「エソラ」。
前日のライヴでは、アンコールの1曲目に配置されてたようですが、今日はこの位置に。ドーム公演のセットリストの流れに戻されました。
この曲も、ホントにホントに大好きで、当初、このツアーで「Sign」をやってなくても、この曲があるからなんとか気持ちが持ちこたえられたものです。
曲の始まりと共にビニールテープ砲が発射されて、もうイントロのキラキラとした華々しさ、高揚感に胸はキュンキュンして興奮せざるを得ません。
そして、最高のサビ。切なさと共に甘酸っぱく盛り上がる。
「♪ Oh Rock Me Baby」の決めフレーズはハマりすぎてて気持ち良すぎます。
文句なしのキラーチューンでした。

「GIFT」。
ライヴ本編最後の曲はコレ。30周年を記念するにあたっての、ミスチルからのプレゼント。
最後の「ララララ」は手を左右に振りながら歌いました。こんな小声じゃなくて、お客さん全員大声での大合唱だったら、もっと圧巻だったんでしょうけど。


ここからアンコール。
桜井さんが「30周年記念ライヴという事で、できるだけたくさんの曲を聴いてもらいたいと思って、できるだけたくさんの曲を演奏してきました。それでも、まだあの曲をやってないじゃないか、と思われる方もたくさんいらっしゃると思います。次にやる曲が、そんなあの曲だったらいいなと思います」と言って、始まったのが。
「HANABI」。
イントロで歓声が上がってましたね。
ちょっと切なげというか寂しげな前半から、ギターの段階的なフレーズとドラムのダンダンダンという響きに煽られて「♪ 決してつかまえー」と一気に爆発するサビ。
「♪ もう一回 もう一回」のところは、観客みんなで1本指を掲げて応えます。
そんな繰り返しのラストは感動的でしたね。

ここでメンバー紹介。
というか、各自メンバーが30周年の感謝の意をこめてメッセージです。
JENさんは、ドラムを叩きながら。
ナカケイさんは誠実に。
田原さんは真面目に。
それぞれ長尺のコメント。
ミスチルのライヴDVDは何本か観ましたが、メンバーがこうやって長々と話す場面は観たことなかったので新鮮でした。
やっぱり記念ライヴならではの珍しい光景なんですかね?

「生きろ」。
最新曲で、ライヴの締め。
「♪ 失くしたものの分まで 思い切り笑える その日が来るまで 生きろ」という、強烈なメッセージです。
とにかく、何が何でも生きろと。
ラストは、桜井さん魂の絶唱。
最後に力強いものをもらいました。


演奏終了と同時に僕は席を離れます。
開演時間が早かったので、3時間強のライヴでも終電には余裕がありますが、それでも横浜から北埼玉まで帰らねばならないため、早く電車に乗りたいところ。
この後の規制退場に従ってたら、焦る事になります。
混雑に巻き込まれる前に、さっさと帰らねば。
この時、20時20分でした。



結論から言うと、とても、とても満足したライヴでした。
素晴らしい体験が出来ました。

上記したように、このスタジアム公演で変更になったセットリスト。
ドーム公演では固定曲として聴けるはずだった「Any」が聴けなくなったのは残念でしたけど、今回のセットリストを俯瞰して見ると、ベスト盤に入ってる曲がズラリと並んでいて、ドーム公演のものよりもずっと、「30周年記念」らしいセットリストになった気がします。
そこに「Sign」が入ってくれたのが、何よりも嬉しい。

結果論ではあるのですが、お天気の事といい、セットリストといい、ホント、日産スタジアムのチケットを獲る事が出来て良かったなあと思うのです。
もし早い段階で東京ドーム公演のチケットを獲れてたら、日産スタジアム公演は行くつもりはなかったんだし、後になって、日産スタジアムでは「Sign」をやったという事を知ったら、悔しくてたまらなかったでしょうから。

東京ドームでのライヴは何度も観ていますが、スタジアム公演は初めて。
7万人の人の波というのは、それはもう凄かったです。
桜井さんがセンターステージにまで出て行って歌う中、アリーナ、スタンドの7万人のお客さんが一斉に手を左右に振ったりしている光景は、それは身震いするほどのものでした。
野外という事もあるのかなあ、東京ドームとはまったく違う印象でしたね。
初めてそんな景色を見て感動しました。

注釈付指定席もホント良かった。
たしかに角度的には肉眼ではステージ中央は観にくかったけど、桜井さんは動き回ってくれたので、30mくらいの距離でバッチリ観る事が出来ました。
7万人もいる中で、そのような至近距離で観る事が出来た人の方が断然少ないよね。
ステージが近いので、何度か打ち上げられた花火や爆音もすごい音でしたし、火柱も熱さが伝わってきてビックリ。
それなのに、普通の席よりも安いんだから。
やっぱり穴場だし、注釈付指定席は好きなんです。おススメですよ。

こうして良い思い出となったのも、とにもかくにもお天気。
雨が降ってたら、どんな事になってたかと思うと、今でも恐怖を感じるので、とにかく、晴れてくれたのが何よりでしたね。それがすべてと言ってもいいくらい。
そこに突如「Sign」が加わって、僕にとっては奇跡的とも思える、とても素晴らしい思い出となりました。
満足感で一杯です。




最後まで読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけましたか? もしもサポートしていただけましたら、今後もライヴをたくさん観て、がんばって感想書きたいと思います。