日本が誇れるお風呂文化を徹底解剖
日本に帰ったらまず何がしたいか。
食事もそうだけど、まずは湯船に浸かって、お風呂で尾崎豊を聴きながらKindleで恩田陸が読みたい。
どうも、世界と人間のすべてに興味のある人@シリコンバレーです。
こちらは日本人の気づいていない、日本の大好きなところをご紹介するコーナー。
記念すべき初回で僕が紹介したいのは、「お風呂」。僕たちが毎日入っている、入るまではちょっと面倒くさいけど、入った後はスッキリして良かったと思える、日常に欠かせない憩い(いこい)場所についてだ。
下の写真は、日本のごくごく一般的な家庭のお風呂。
何の変哲もない、狭くも広くもない、四人家族でありがちな風呂場だろう。
しかし、皆さんはご存知だろうか?
これが世界から見れば、驚くべき最先端・ハイテクなお風呂であることを。
例えるならば、アメリカの風呂を軽自動車とすると、日本のお風呂はテスラだ。
まるで性能が違うし、環境にも優しい設計になっている。
画像で比較すると分かるかもしれない。
アメリカの一般的なお風呂といえば、これだ。
どうだろう?
これは何も家賃2万円のボロアパートのものではない。家賃が30万円もするアパートのお風呂だ。
対照的なのは、アメリカのキッチン。
おそらくは、キッチンに全部吸い取られてしまったのだろう。
まるで抜け殻のようになってしまっている印象が拭えない。
申し訳ないが、全然入りたいと思わないのが、アメリカのお風呂なのだ。
お風呂というのは、ただ単に汚れを落とす営みではなく、自分だけの、大切な心と体のケアの時間。
毎日やる行為だから、その質が世界で(おそらく)一番高いことは、もっともっと誇っていい日本の魅力であることを知ってもらい、今日からお風呂に入るときに、ささやかな感謝と贅沢な気分を味わってもらえたら幸いである。
では、具体的にはどのような点が違うのか。順に見ていこう。
「洗うこと」と「湯に浸かる」ことの分離
まず、目につくのがこれだろう。
そう、洗い場だ。
それの何がすごいんだ、と思われるかもしれないが、米国の一般家庭ではまず見かけない、何なら1億円の豪邸でもあまり見かけることのない、異質の空間だ。
この洗い場の存在は、言うなれば「洗うことと、浸かることの分離」という新しいライフスタイルの提唱だ。
アメリカでは、バスタブ(湯船)というのは、お湯に浸かるためにあるというよりは、シャワーの水の受け皿や、体を洗う場所として使われている印象がある。だから、基本的にはめちゃめちゃ湯船が浅い。
お湯に浸かるとしても、体を洗ってから入るのではなく、洗う前にお湯に浸かって、その後でお湯を捨てて(!!)、体を洗うのだ。
日本のお風呂は、洗い場で体を洗うことと、湯船に浸かるということを分けてできるようになっている。
だから、まず体を洗って、お湯にゆっくり入って、熱くなってきたら髪の毛と顔を洗い、その後でまたもう一度お湯に入るという、「湯船のサンドイッチ」という離れ業も可能だ。
アメリカ人の感覚からすると、毎日がSPAにいるような気分になれるだろう。
お湯の共有という概念
お次は、これを見てほしい。
これは…
アレだ。
名前のわからない、アレだ。
名前がわからないけど、日常に溶け込んでいて、誰もが知っているランキングNo.1の、例のアレだ。
これのおかげで、日本では1度ためたお湯を長時間、保温することができる。
これが可能にすることは、「お湯を家族でシェアする」ということだ。
近年、経済的にも環境的にも優しいという理由でシェアリング・エコノミーが流行っている。
家や車なども、みんなで共有して使うという考え方が普及してきた。
日本では残念ながら、UberやAirbnbは米国ほど普及していないが、もっと早くに日本全国に普及していたのが、お湯のシェアリングエコノミーなのだ。アメリカのように、1人入るたびに捨てていては、お金もお水も、もったいない。
その日本の誇るべき"お湯シェア"の文化を支える立役者が、この、その…アレなのである。
次回予告
さて、書いているうちに筆が走りすぎてあっという間に1500字近くになってしまったので、この続きは次回としたい。
次回は、以下の点について述べたいと思う。
・日本のお風呂が快適なのは、"変数"が1つ多いから?!
・日本だけ 動く〇〇の衝撃
・日本の風呂文化のキッカケは、実は●●?!
ではまた!
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