ごゆっくりどうぞ
営業中にあるエッセイを読んでいたら、
と書いてあり、ドキッとしました。
わたくし、毎回お客様に言っています……。
好きな作家だったのでちょっとショックを受けて、おそるおそる先を読み進めると、どうやら以下の理由のようです。
ほう……。
なるほど、わかります。
ものすごくへそ曲がりでメンドクサイけれど、この作家のそういう偏屈なところ、好き。大好き。
だからわたしはこの愛すべき偏屈に対して、自らの理屈っぽい性分を前面に出して精一杯答えようと思います。
「当店は回転率を気にするような店ではないので、わたしが発する『ごゆっくり』は時間的なごゆっくりもある程度含みつつも、どちらかというと気持ち的なごゆっくりであり、『ゆったり』という意味合いが強いです。そしてあなたのような作家のかたが原稿を書く場所としてご利用くださるのは、素晴らしい作品のささやかな一助となれるこの上ない幸せであり、ご来店を心から熱望しております。
どうぞごゆっくり」
というわけで、当店主の「ごゆっくり」はけっして「その後の展開を深く考えずに発せられる適当な一言」ではありませんよ。むしろその後の展開を海よりは浅いかもしれませんが井戸よりは深く考えております。
ぜひ、雪景色を眺めながら薪ストーブの暖かさの中で、ゆったりとした時間をお過ごしください。
ごゆっくりどうぞ。
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