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「きのう、何読んだ?」2024/6/16〜2024/6/21

月曜日から人生2度目のギックリ腰をやらかし、何をするにも半泣きで動く羽目に。それでも週末も含めて一週間を眺めれば、シネマ歌舞伎に始まり歌舞伎座で〆る(まだ明日の日曜日が残ってるけど)なかなかブンカ的な日々を送ったようです。写真は仙台の親友が贈ってくれた本みたいな形の紅茶♪

『奇跡』2024/6/16(日)読んだ本


いつもナポリタンを頼むけれど、気分転換。

「きのう、何読んだ?」

東劇にて、シネマ歌舞伎を観て来ました。演目は「桜姫東文章 上の巻」。主演は片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんで、あまりに耽美で色っぽい物語。「え……いいの?」と何度手を口元にやったでしょうか😂

70代の玉三郎さんが演じる桜姫(17歳)の目を疑うほどの可憐さも素晴らしかったですし、仁左衛門さん演じるヤクザな権助がかっこよすぎて……。あれは目に毒です。

改めて人となりを調べていて、途中で「あ、『奇跡』に出てくる「お舅さん」か……」と気づきました。(遅い!

ということで、読むしかないでしょう。林真理子さんの『奇跡』(講談社)です。

梨園の若き妻・博子と、パリ在住の世界的写真家・田原の「奇跡の恋」。実在の人物の名前がそのまま使われたセンセーショナルな物語が話題をさらったのは2022年のこと。

博子さんのママ友だった林真理子さんが、発売まで内容を秘密にする為、37年ぶりに書き下ろしで執筆された力作です。

しがらみの多い歌舞伎の世界で、道ならぬ恋を貫いた二人。ファンタジーなような、妙にリアルなような。個人的には、「奇跡」というより「勇気」を見せてもらったような気がしました。強く思い続け、自ら行動すれば、道は拓ける……。

「桜姫〜」には、博子さんの愛息・千之助さんも出演。この美しい若君が背負うご家族の愛の深さに思いを馳せ、世襲が多い世界である歌舞伎を鑑賞する楽しみってこういうところにもあるのかしらなんて思ったり。

平日より、断然休日に浸って読みたい一冊です。

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『帆立の詫び状 おっとっと編』2024/6/19(水)読んだ本


書影から私の状況がよく分かりますな。

「きのう、何読んだ?」

ひどい一週間の終わりが見えてきて、この読書記録を忘れ去っていたことに気づきました。こちらはおととい読んだ本。

帆立の詫び状 おっとっと編』(新川帆立/幻冬舎文庫)

いつも楽しみに読んでいる、幻冬舎plusでの連載をまとめたもの。新川さんの原稿を待ち侘びている編集者各位に「ごめんね!」と謝りながら、原稿外ライフを描く日常エッセイ、文庫化は「てんやわんや編」に続く第二弾です。(幻冬舎plusでは、私も連載書かせていただいています)

冒頭から、「作家のエッセイなんて読んで楽しい?」と書いている新川さんですが、楽しいです!

ことに新川さんのエッセイは、海外暮らし(アメリカ移住からの、ヨーロッパへ移動)のあれこれ、新人作家として思うこと、創作活動について、ご自身の独特な性質について、趣味のバッグと時計について…。どのテーマも、それぞれその時々に切実で、かつものすごい角度と深度で掘り下げているんですよね。頭が良い人、頭の回転が異様に早い人って、短いエッセイでエグる量が多いんだわな。

帯には「死ぬまで遊んで暮らしたい」とあり、「それー🫵(死相)」みたいな気持ちで手に取ったわけですが、読みながら考えていたのは「どうやって遊んでるみたいに生きるか」…いや違うな。「遊ぶと働くの境界線をどうやって曖昧にしていくか」みたいなこと。

文章の背後に、ごごごごご…と脳みそがものすごいスピードで回転する音が聞こえてくるようなエッセイ。何しても絶望みたいな一日でしたが、少し元気になりました。

元気ない人、「遥かなる著者近影」だけでも読んで。お願い。

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『覚悟の論理 戦略的に考えれば進む道はおのずと決まる』2024/6/20(木)読んだ本


体勢変わらず。

「きのう、何読んだ?」

ギックリ腰により機能不全に陥っていましたが、徐々に動けるようになりよれよれと宅配ボックスへ。都知事選の投票所入場券が届いていました。

おっとっと、早くあれ読まなくちゃ。

覚悟の論理 戦略的に考えれば進む道はおのずと決まる』(石丸伸二/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

2020年に広島県安芸高田市の市長に就任した石丸さん。居眠り議員を糾弾する動画で注目を集め、以来議会との対立を隠さず(むしろ積極的に)発信するその姿は、「炎上商法」「劇場型政治」と揶揄されることも。

「テレビに映るあの人たちよりも、会社で隣の席に座ってるシゴデキ先輩が政治家やったらいいのに〜」的なツブヤキが現実化した、みたいな石丸劇場。いやー、ビジネスマンの論理を搭載したフツーのかしこい人がそのまま政治の世界に飛び込むとやっぱりこうなるんだねというのをつぶさに見せてもらっています。そしてめげない・倒れないイシマルマン、すごい。

タイトルになっている「覚悟」という若干感情寄りのワードよりも、「対立の意味」について書かれたパートが特に響くものがありました。

対立を避けることがふさわしくない場や関係もある。対立があるこそ対話が(必然的に)生まれる。

「自分の正しさ」を信じていることがこの人の強さだと思っていたけれど、信じているのは「自分ならなんとかできる」ことなのかな。これは似て非なるものなので、我が身を振り返って反省したりして…。

気づけば二冊続けて、喝を入れられた読書でした。私は弱いなぁ〜。

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