その部屋には天使がいて
凍えた黒い瞳を見開いて
あなたは細い椅子に座っていた
痩せた青白い頬に
悲しく光がさす
壁に塗られた深い緑色の闇
冷たく閉ざされた窓
あなたの膝には白い天使がもたれていた
薔薇色の頬をあなたの膝にのせて
顔を曇らせながら
天使はなにも言わずに寄り添っていた
あんなに無邪気な天使が
はしゃぐことも遊ぶことも忘れ
笑顔も捨ててあなたと共にいる
あなたと同じ痛みを感じるために
その部屋には天使がいて
あなたと目覚め あなたと眠り
あなたと食事をし あなたと本を読み
あなたが泣くときはあなたよりも涙を流し
あなたが笑うときはそれをよろこぶ
その部屋がどこにあるのか
あなたはきっと知っているはず
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