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社内勉強会をベンチャー数社で100回成功させた「準備のいらない勉強会」とは?

更新日:2024/09/10

ベンチャーで、ビジネスメンバー主体の「社内勉強会」って、なかなか続かないですよね。先輩の知識や経験を共有できる良い機会なのに、続かない。

私は社内勉強会の運営支援というサービスをやっていて、これまでに複数企業の計100回以上の社内勉強会に関わってきました。

そのなかで見えてきた失敗の原因と、失敗しない新しい勉強会のスタイルを見つけましたので紹介します。




1. ベンチャー社内の情報共有に、育ててもらった


そもそも私がなんで、社内勉強会の運営を支援しているかというと、私がベンチャー社内の情報共有に育ててもらったからです。

私はこれまで数社のベンチャー企業で働き、抜擢アサインももちろんですが、上司や経営者から直接ナレッジや考え方を教えてもらえたことで成長できました。それは経験もない、まともに勉強もしてきてない私にとって、本当に有り難いことでした。

しかし、ベンチャーで情報を手に入れるには、無理やりにでも上司をつかまえて直接聞き出す必要がありました。勉強会という形式にするとなぜか続きません。リモートワークが増えたこともあり、聞き出す機会を作ることはさらに難しくなっています。


2. 社内勉強会は、ベンチャーにこそ馴染みやすい


社内勉強会は、かかる費用も少なく、変化の速い環境にあわせて企画から開催までスピーディーに進められ、カスタマイズも自由なので、ベンチャー企業にとって馴染みやすい施策です。

ベンチャーの経営者やマネージャーは、新しいことに挑戦し続けていて、毎日のように学び、すぐに使える情報をたくさん持っていますので、登壇者(講師)としても最適です。


3. しかし、社内勉強会はいつも失敗する


残念なことに、ほとんどの社内勉強会が失敗して、続きませんよね。

こんな失敗を経験したことはありませんか?

  • 運営側は意欲的でも、講師が引き受けてくれない

  • やる気だった講師が忙しくなり、開催当日にリスケされる

  • 何度告知しても、参加者が集まらない


4. 失敗の原因は、「登壇者の準備負荷」だけ!?


ビジネスメンバー主体の社内勉強会が失敗する最大の理由は、「登壇者の準備負荷」になります。

  1. 登壇するべき知見やスキルを持つ人は、社内で今忙しい人

  2. 社内勉強会よりも事業成長の方が優先

  3. 登壇者の準備が大変

こうなってくると、失敗して当然とも言えます。但し、この中で1,2は変更するべきではないですが、3なら変更できます。


成功のポイント

登壇者の準備を軽量化すると、社内のキーパーソンが登壇を引き受けてくれるので、目的をブラさずに、無理なく続けることができます。

軽量化さえすれば、コスパの良さから「勉強会って意味あるんだっけ?」とはならず、しばらくナレッジを貯めることができます。ナレッジが貯まってくると効果を実感できるので、さらに続けやすくなります。

他にも、運営を安定させることや、目的とテーマをしっかり設計することも大切ではあるんですが、それはまた別で記事にしたいと思います。とにかく一番のポイントは登壇者の準備の軽量化です。


5. 事例紹介 |新しいスタイルの発見と検証


はじめのうちは、登壇者の準備を私たちが手伝うことで軽量化してました。事前に登壇者から話を聞いて、代わりに資料を準備していました。

そんななか、ある急成長中のベンチャーの経営者に、「時間が全く取れないので、事前の打ち合わせなし、資料なし、の準備ゼロでやっても良いですか?」と言ってもらえたのがきっかけで、完全に軽量化した新しいスタイルが生まれました。

  1. 登壇者とは事前にテーマだけをすり合わせ

  2. 当日はインタビュー形式で私から質問、参加者からも質問

  3. リアルタイムでメモにまとめて、参加者へ表示

  4. 開催後、文字起こし記事を社内展開

簡単に言うと、社内でPIVOTのようにテーマに沿ってインタビューする会を開催して、開催後にログミーのように記事を書いて社内に展開しています。

新しいスタイル(準備のいらない勉強会)を試した結果

ここからは実際に関わった社内勉強会で得た経験や、関わった人たちの反応をご紹介します。

  • 運営の変化

    • 登壇を依頼しても断られることがなくなった、リスケもされない

    • 企画から開催までの期間が短くなった(最短当日)

  • 内容の変化

    • インタビュー形式のため、具体的なエピソードが引き出されやすくなった

    • 資料よりも記事の方が読みやすく、探しやすいナレッジベースとして好評

このように、登壇者の準備負荷はゼロまで軽量化しても、他で補うことで勉強会は問題なく成り立ちました。


参加者の声

開催後のアンケートに「改まって聞けないこと」というフレーズがよく書かれています


登壇者(講師)の声

登壇者から感謝されることが多く、驚きました。
登壇者にとってもメリットになることを目標にしています。


文字起こし記事の読者が多かった

私が今も関わっている社内勉強会では、参加者の10倍近い人が文字起こし記事を読んでくれることもよくあります。


扱えるテーマが拡大した

扱えるテーマが広がり、意外なテーマも人気とわかりました。
ベンチャーの場合、成長意欲の高い方が多いので、当初は以下のようなテーマを想定していました。

  • サービスを伸ばす方法が知りたい

  • 他のプロジェクトや案件の事例が知りたい

  • 自社の標準的な仕事の進め方、プロマネの手法が知りたい


意外に要望が多く、好評だったのが、↓のタウンホールミーティングやインナーコミュニケーション的なテーマです。

  • 経営者から見た、自社のマーケット、競合、ポジショニング

  • あの施策の狙い、意思決定の背景・ストーリー

  • 他の部署が何をしているのか、自社のケイパビリティ

  • 経営者は、どんな人と一緒に働きたいのか

これらのテーマは、事前に資料を用意せず、インタビュー形式だったからこそ開催しやすかったと思われます。


6. 結論|社内勉強会に、登壇者の準備(資料作成)は必要ない


社内勉強会の成功において、資料の有無は決定的な要素ではありません。むしろ、登壇者の負担を軽減すること、ナレッジを引き出すこと、参加者が直接関与できることの方が重要です。

資料がなくても、リアルタイムでメモを取る、後で文字起こし記事を展開することで、勉強会の内容を記録し、参加者に提供することができます。


テーマによっては、資料がないと理解しにくいこともあるでしょう。
その場合は、以下のように考えてます。

A:基本的には、準備なし資料なしで開催してみる。開催後の文字起こし記事で、資料のように伝わりやすい構成に整える。
B:登壇者に、話す順番のメモくらいは用意してもらう。(できれば、その準備を運営側が手伝い、登壇者の負荷を軽量化する)
C:既にある使える資料を探す。(整ってなくても、断片的なものでも集めて使う。一般的なことなら書籍などを活用する)
D:資料がないと理解しにくいことで、優先度の高いことであれば、社内勉強会とは関係なく資料を作るべき。(オンボーディング、標準化)


7. 運営は、社外に任せることもできる


失敗の原因のところで詳しくは書きませんでしたが、運営を安定させることも勉強会成功の重要なポイントになります。

勉強会の運営は新卒や人事や有志の人がよくやりますが、みなさん忙しいですし、勉強会の運営に慣れているわけではありません。

「登壇者」は基本的に社内の方でなくてはなりませんが、「登壇者以外」の運営部分は外部に任せることが可能です。


cacumo 社内勉強会 運営支援サービスの流れ

登壇者がインタビューに答えるだけ、その他の設計から運用や記事制作まで全てcacumoが代行します。

cacumo|社内勉強会 運営支援サービスの流れ
cacumo|社内勉強会 運営支援サービスの流れ

私たちは社内勉強会における「登壇者以外」の仕事をすべて代行しており、社内の忙しさに左右されることなく、勉強会を安定して継続できます。
さらに今まで経験上、社外の人間による運営の方が、良い緊張感があり、会がダラつくこともリスケされることもありません。

登壇者の代行は行いませんが、登壇者の負担を軽減するために、「準備のいらない社内勉強会」というスタイルの導入や、登壇者の準備をお手伝いするサービスもやっています。


最後に|社内勉強会の運営をご検討ください


ベンチャーでの社内勉強会が続かない最大の原因は、登壇者の準備負荷にあります。しかし、私たちが提供する「準備のいらない勉強会」や「運営支援サービス」は、その課題を解決してきました。

私たちのサービスにご興味をお持ちの方は、お気軽に問い合わせください。組織の事情にあわせた最適な方法を、一緒に考えてご提案します。


参考|社内勉強会に関する情報を積極的に発信しています

cacumo|社内勉強会調査資料

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

現時点(2024年9月)で、まだ10社弱の計150回程度の実績なので、これからさらに進化させていきます。 意見やコメントなどいただけると嬉しいです。

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