幼児と法事に参加した話

先日、実家の祖父の三十三回忌法要があったので、子供達と一緒に参列する事になった。

上の子が2歳前にも法事があり、一緒に参列した事があったが、その頃は黒づくめの親戚が一堂に会し、圧倒されてこわ〜いと泣いてしまい、読経の部屋から出てほとんど廊下で過ごしていた。さすがにもう年長さんなら大丈夫だよな?年少もギリいけるか?なんて思いつつ、子供達にも法事とお墓参りに行く旨を伝えた。

昔、今19.20歳の年子の甥っ子が小学生くらいの頃にも法事があったのだが、始まるまで暇を持て余した甥っ子が数珠をいじってバラけさせてしまい、みんなで拾い集めた事があった。そしてもう1人の甥っ子が読経中にくしゃみをしてうわぁーと情けないトーンの声を出したので後ろを振り返ると、両方の鼻の穴から鼻水が出ていた。もうみんなで目配せしてティッシュを手配してなんとか事なきを得た。その後、お坊さんが線香の煙で激しくむせてしまい、そしてその後、当時朝ドラだったあまちゃんの着うたが鳴り始めた。でも誰も止めない。むしろこちら側は全員誰だよ!?って顔をして周りを目だけで見ている状態だった。こんな漫画みたいな展開があるだろうか。

その後、読経が終わった後、お坊さんが説法をし始めた。

「先ほどは線香でむせてしまい、お見苦しい姿を見せてしまいすみませんでした。そして私の着うたが鳴ってしまい申し訳ございませんでした。」

これほどまでに全員が同じ気持ちになったことはないだろう。

「お前だったのかーい!!!」

ってきっとその場にいた全員心の中で叫んだ事だろう。

そんな事があったので、うちの子供達も何かやらかさないか心配していた。とりあえずお坊さんがお経をあげている間は大人しく座っているようにと伝えた。

いざ読経が始まると、木魚のリズムに合わせて息子と同じ歳の姪が頷き始た。それを見ていたうちの娘→息子と、だんだん隣に頷きさんが伝染して行った。そして最後に後ろに座っていた3歳の甥も同じように頷き始めた。私の隣でちびっ子たちが木魚のリズムに乗って頷いてるのがどうしても目に入ってしまい、まるで昔流行ったフラワーロックのようで笑いを堪えるのが大変だった。チラチラ他のメンバーを見てもなんだかニヤニヤを堪えている。

その後、うちの地域の焼香は、お盆に香炉と抹香が乗ったものが席の前に廻ってくるのだが、サラサラと炭の上に抹香を落とす前に10円玉を供える作法がある。私は小さい頃祖母に教えられて、何の疑問も持たずにそういうものだと思ってご焼香してきた。息子にもその作法を教えたら、わかったと言って難なくやっていたのだが…お盆が隣あたりに廻っていったあたりに、

「ねぇママ?何で10円玉置くの?もしかしてお坊さん僕たちのお金でお買い物するの?」

と聞かれた。そもそもなんで10円を置くのか私にも本当の理由がわからない。そしてその発想!まだ法事中なのに面白すぎてまた笑いを堪えるのに必死だった。5歳にしてみれば、この日の1日の流れは不思議でいっぱいだった事だろう。

無事法事が終わり、場所を移してお食事会が始まった。全ての時間が中途半端だったので、お昼ご飯を食べ損ねていた息子はとてもお腹がぺこぺこだった。立派な席を用意され、メイン料理が運ばれてくる前に茶碗蒸しが置かれてあった。

「もう僕お腹減りすぎてるから食べるね!(一口食べて)うわぁ〜!甘くて優しい味がする〜ほっと落ち着く〜」

などとクレヨンしんちゃんのような喋り方をして周りの大人からひと笑い取っていた。

その後、オムライスやハンバーグ、エビフライにポテトに唐揚げ等子供達が好みそうな揚げ物たくさんと、デザートのゼリーが運ばれてきた。子供のメニューがとにかく豪華だった。そんなたくさんのメニューを目の前にして

「うわぁ〜!僕の大好きなものばっかり!こんなに綺麗な料理お家で食べた事ないよー!」

とデカい声で言い放った。もちろん笑われた。恥ずかしいじゃないか。なんかごめんな。

その後も運ばれてくる料理を見て

「ゴージャス!!」

とリアクション。また親族や中居さんから笑いを取っていた。

お腹いっぱい満足になり、いとことたくさん遊んで、法事どうだった?と効くと、

「法事もお墓参りも楽しかった!」

との事でした。とりあえず無事に終わって母も一安心でした。おしまい。

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