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カリスマ予備校講師 | 自分の中に毒を持て

この熱量を受け止めるのに、数日かかった。
ほとばしる情熱、強烈な意志、歯に衣を着せない言葉たち。
なんて生命力あふれる人なんだろう。
そのパッションにすっかり飲まれてしまった。

岡本太郎はカリスマ予備校講師なんじゃないかと錯覚する。
予備校講師は分かりやすい授業をするのは当たり前、いかに生徒のモチベーションを引き出すかが大切だ。厳しい言葉で勉強の必要性を説き、生徒たちは奮い立つ。ただし、厳しいだけではいけない。厳しい中に優しさがある。
生徒たちは、この先生に認められたい、この先生についていくんだと奮闘する。そして、宗教的な一体感がクラスに生まれる。

太郎先生は厳しい。自分に厳しく、人にも厳しい。
安全な道と危険な道、どちらに進むか。迷ったら、あえて危険で困難な道を行くように勧める。安全な選択もあるのに迷うということは、危険な方に自分を突き動かす何かがある。
RPGゲームのレベルでVERY HARDを選択する。あえて厳しい状況に自分を置く。すると、やる気がみなぎってくる。そんな感覚だろうか。

太郎先生は優しい。
失敗しても良い。自信なんていらない、弱気なままの自分でも良い。3日坊主でも良い。ありのままの自分のままで良い。
結果よりも、行動したかどうかが重要だ。軽いフットワークで動いてみたら良いんだよ。それなら自分にもできそうだ。

自分の気持ちを突き動かすものにむかって、行動すること。他人の目なんて気にせず、自分の選択を進む。あの時の過去でも、いつかの未来でもなく、「今」この瞬間瞬間を楽しむ。それが、歓喜だ。

非論理的で感情的なのに、クラスの宗教的な雰囲気にのまれてしまった。先生に感化されて、あえて困難な選択をしてみた。昔から迷っていたことにチャレンジすることを決めた。苦手なものに飛び込んでみることにした。自分の心の中に熱いものがほとばしっている気がする。


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