見出し画像

vs熊本プレビュー|Weekly FE名古屋2021-22 #32

今週のTopics

① 連勝でクォーターファイナル突破
② セミファイナル(vs熊本)の注目ポイント

連勝でクォーターファイナル突破

 いよいよ開幕したB2プレーオフ、1回戦(クォーターファイナル)のFE名古屋の相手は越谷アルファーズでした。越谷アルファーズの特徴については以下の記事をどうぞ。

 Game1は、結果からいうと113-63の50点差で大勝しました。
 万全ではないアイザック・バッツのポストに頼る越谷に対して高い集中力で守り、攻めては41.7%という高確率で3Pを決め続けての快勝。リバウンドやルーズボールへの意識の高さも目立ちました。
 越谷もディフェンスをマンツーマンやゾーンディフェンスを併用して抵抗しましたが、FE名古屋の準備がそれを上回った印象で、終始慌てることなくフリーのシュートを生み出すことができていた印象です。
 2位以下に差をつけてリーグ戦最高勝率を決めたFE名古屋でしたが、プレーオフとなればさらにギアを上げることができることを見せつけてくれました。

ルーズボールに対する執着心!
(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

 一方、続くGame2では越谷も意地を見せました。
 バッツを中心としたオフェンスからクレイグ・ブラッキンズを中心としたオフェンスにシフトすると、マッチアップするアンドリュー・ランダルやジェレミー・ジョーンズでは体格で劣る上、ゴール下に控えるバッツのフェンスリバウンドへの対応もしなければならないこともあって安易にダブルチームを仕掛けることも難しく、なかなか思うように止めきれません。
 また、越谷がディフェンスを修正してきた影響もあり、FE名古屋のシュートもGame1ほどでの高確率では決まらず、僅差のまま試合は進みます。

 結果的に勝敗の分かれ目となったのは、第4Q残り1:54のジョーンズのスティールからのダンクでしょうか。越谷としては逆転された直後のタイムアウト明けで確実に一本決めたかったところだと思いますが、スローインのボールを入れることすら許さず4点差に広げたことで、勝利を大きく引き寄せました。
 その後は、フラストレーションを溜めたバッツのアンスポーツマンライクファウルから7点差にまで差が広げると、粘る越谷を振り切って、最終スコア85-79で越谷を下しセミファイナルに駒を進めました。

JJのスティール&ダンク!
(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

 この2試合は、とにかくFE名古屋のB2優勝B1昇格に対する気迫を感じることができた印象です。特に石川海斗笹山貴哉の両PGは、リーグ戦での活躍を超える『プレーオフ・モード』を見せてくれたように思います。

3Pにアシストにスティールにと大活躍
(写真提供:ばんばんさん(@banno_sports))

 また、リーグ戦ではほとんどなかったテクニカルファウルやアンスポーツマンライクファウルをいくつか吹かれたFE名古屋でしたが、それもこのB2プレーオフに懸ける想いがあってこそ。出場停止が怖いのでほどほどにしておいてほしいとは思いますが(笑)、気持ち的にはそのくらいの情熱をもってセミファイナルも戦ってほしいですね!

セミファイナル(vs熊本)の注目ポイント

 さて、越谷に勝ったFE名古屋の次(セミファイナル)の相手は熊本ヴォルターズ。西宮ストークスとのダブルオーバータイムに及ぶ激戦を制してセミファイナルに進出してきました。
 熊本ヴォルターズの特徴については以下の記事をご覧いただくとして、今回はセミファイナルの注目ポイントについて書いてみましたので、よろしければ観戦の参考にしてみてください。

◉ファストブレイクポイント

 チーム紹介の記事でも書いたように、熊本はファストブレイク(速攻)による得点がリーグで最も多いチームである一方で、ファストブレイクによる失点も多いチームです。FE名古屋としては、いかに熊本のファストブレイクを止めるか、自らのファストブレイクを増やすかがポイントの1つになるでしょう。
 その上では、単純に攻守の切り替えを早くすることを意識するのももちろん重要ですが、その前のオフェンス、ディフェンスの終わらせ方も大切になってくると思います。

 熊本にファストブレイクを出させないためには、まずは自分たちのオフェンスを意図した形で終わらせること。
 結果的にシュートが入らなくても、それが意図した形のシュートであればその後のリバウンドやディフェンスへの切り替えもスムーズになるため、熊本も簡単にはファストブレイクを出せないと思います。
 必死さも時には必要ですが、無茶なアタックからファストブレイクをくらってしまうくらいであれば、ショットクロックバイオレーションになってもいいので、しっかりと切り替えてその後のディフェンスに臨む方がよい場合もありそうです。

海斗&笹山の両PGによるゲームコントロールに注目
(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

 逆に自分たちがファストブレイクを出すためには、熊本のオフェンスをいい形で終わらせないことがポイントです。
 熊本の場合、特にジョーダン・ハミルトンとLJ・ピークの2人は得点能力が高く多少バランスを崩した状態でもシュートを決められる選手ですが、それだけにやや不利な状況でも無理やり突っ込んでくる傾向があります。
 その場合、バランスを崩した状態での着地となるためどうしてもディフェンスへの切り替えが遅くなるので、FE名古屋としてはファストブレイクのチャンスとなります。また、そうしたプレーの直後には審判に文句を言うことも多い2人なので、その意味でも切り替えを早くして得点を稼ぎたいです。

 もちろん、2人とも調子に乗せると怖い選手なので充分警戒してディフェンスをする必要はありますが、極端に意識しすぎてファウルをしてしまったり他の選手をフリーにしてしまったりするよりは、タフショットを多少決められるのは仕方ないと割り切って、ノーファウルでできる範囲のディフェンスをしぶとく続けていきたいところです。

タフショットを決められても信じてやり続けること!
(写真提供:蝦夷さん(@azcvamm))

 また、ハミルトンは自分たちがシュートを決めた後のボールに触りたがる癖がありますが、これは、相手の素早いリスタートを邪魔する行為としてテクニカルファウルの対象となります。
 といっても、現実にプレーに影響がないときは流されることがほとんどですが、たとえば相手の選手がボールを拾おうとしたのにそれを邪魔するような形になればテクニカルファウルを宣告されることもあるので、FE名古屋としてはシュートを決められた後も素早いリスタートを心掛けることで、ハミルトンの癖に付け込んで優位な状況を作っていきたいですね。

◉ディフェンスリバウンド

 熊本は、各選手のオフェンスリバウンドへの意識が高く、セカンドチャンスからの得点も多いチームです。
 ハミルトンは自分のシュートが外れると思ったときは必ずといっていいほどオフェンスリバウンドに飛び込んできますし、佐々木隆成や磯野寛晃といった身体能力の高い日本人選手たちも積極的にオフェンスリバウンドに参加してきます。

 ただ、ベンジャミン・ローソンを除けばどの選手も身長そのものが高いわけではないので、しっかりとスクリーンアウトをすれば防げる話でもあると思います。
 先に述べたように素早い攻守の切り替えからファストブレイクに繋げたいのはやまやまですが、それに意識が向きすぎるあまりリバウンドをおろそかにするようでは意味がないので、自分のマークマンをリバウンドに飛び込ませないように一度身体でブロックしてから速攻に走ることを徹底してほしいと思います。

どの選手もオフェンスリバウンドへの参加意識が高いので要注意
(写真提供:蝦夷さん(@azcvamm))

◉ゾーンディフェンス

 前回の熊本との直接対決では、FE名古屋はゾーンディフェンスも併用して戦っており、熊本としてはマンツーマンよりもゾーンディフェンスの方に苦戦していた印象がありました。
 今回の対戦でもゾーンディフェンスを使う場面はあると思いますが、FE名古屋のゾーンディフェンスを熊本がどう崩してくるのかは重要なポイントです。
 守り方にもよりますが、一般的にゾーンディフェンスは個人技での突破には強いため、ハミルトンやピークのドライブには効果を発揮すると思います。

クウェリはゾーンDFの鍵を握る選手の一人
(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

 一方で、ゾーンディフェンスではどうしても意識がボールを持っている選手に向きがちになるため、ディフェンスの背後を取るような合わせのプレーには弱いというデメリットもあります。特にハミルトンはパスも上手く、そちらに気を取られている隙に磯野や本村亮輔あたりの選手がスルスルッとゴール下に侵入してフリーでパスを受けるというのも熊本の得意なプレーなので、FE名古屋としては選手間で声を掛け合って、ボールを持っていない選手もちゃんと捕まえておきたいところです。

 また、ゾーンディフェンスは3Pに弱いという側面もあります。アウトサイドのシュートは水物と言われるように、どれだけ優れたシューターでも好不調の波はありますが、ハミルトンや木田貴明などは入りだすと止まらないタイプなので、彼らのシュートタッチ次第ではゾーンディフェンスを諦めざるを得ない場面も出てくるかもしれません。
 マンツーマンで守るべきなのかゾーンディフェンスで守るべきなのか、彼らのシュートタッチをしっかりと見極めつつ選択してほしいですね。

 その他に、リバウンドもゾーンディフェンスの弱点だと思います。エリア(ゾーン)を守るという形を取る以上、リバウンドの際に誰がどの選手をスクリーンアウトするかが曖昧になりがちであるため、熊本のオフェンスリバウンドへの飛び込みにもしっかり対処できるか注目です。

ハミルトン、ピーク、木田といったシューターが揃う中、
サンバなど他の選手にどこまで意識を割くのかも重要
(写真提供:Marikoさん(@volters___mm))

◉準備の差

 最後に、プレーそのものではありませんが、セミファイナルに向けた準備の差についても注目ポイントに挙げておきたいと思います。

 FE名古屋は、5/6(金),5/7(土)に2連勝してセミファイナル進出を決めたので、5/13(金)のセミファイナルGame1までは中5日となります。
 一方の熊本は、FE名古屋と同様に2連勝でセミファイナル進出を決めたものの、5/7(土),5/8(日)に試合をしているため、Game1までは中4日と、FE名古屋よりも準備期間が1日短くなっています
 また、FE名古屋はリーグ戦を最高勝率で終えているため全試合をホームで開催できますが、熊本はクォーターファイナルが行われた熊本からセミファイナルが行われる名古屋への移動が発生するため、中4日のうちの半日は最低でも移動に費やすことになります。

 さらに言えば、熊本は西宮とのGame2でダブルオーバータイムにもつれ込む死闘を繰り広げており、主力の選手の中には40分以上プレーした選手もいるため、疲労の影響も無視できないと思います。佐々木隆成は、試合終了後のセレモニーにも参加することなくロッカールームに下がっていきましたからね。

スピードスター佐々木隆成のコンディションは両チームともに気になるところ
(写真提供:むーさん(@moo_volters))

 なんて、こんなことを書いていると逆にフラグにしか思えなくなってくるわけですが、期間の面でもコンディションの面でもFE名古屋の方が有利な状況であるのは間違いありません。
 決してそれに油断することなく、その準備の差を自分たちのストロングポイントにできるように、Game1の最初から全力でぶつかっていってほしいと思います。

最後に

 我ながらB1昇格という1つの目標を目の前にして熱くなったのかいつになく長いnoteになってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。笑

 B1昇格まであと2勝、B2優勝まであと4勝!
 チームもファンも一丸となって最大の目標を達成しましょう!

この雄叫びをセミファイナルでも!
(写真提供:なぎささん(@Nagisaaaaaa3))

この記事が参加している募集

よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートはFE名古屋を中心にBリーグに還元します。回り回って、あなたの推しクラブ還元されるかも…?