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地方を元気にする商品作り

僕の故郷は、兵庫県の中部に位置する宍粟(しそう)市の最北部にあたります。もともと過疎な地域でして、僕が小学校の時の同級生は18名のみだったのでどのくらい田舎かイメージいただけると思います。もちろんそのような土地柄なので高齢化や人口減少などのどこの地方にでもあるような問題を抱えています。また主要な産業と呼べるものが林業くらいしかなく、仕事をするために車で1時間先に行く、または引っ越すという選択肢の中で引っ越してしまう、また僕の様に大学ででてしまい都市部で仕事を初め帰ってこない方も多数いらっしゃいます。そうした中で僕が通っていた母校も、数年前に廃校になってしまいました。ウチの長男が生まれた後だったのですが、そのとき「リアルに自分の故郷がなくなるかもしれない」「この子が成人した時にこの村は無くなってるかもしれない」という強い危機感を感じました。

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↑廃校になってしまった母校=繁盛小学校(はんせしょうがっこう)の写真

元々創業した際に「農業を法人でやる」ところからスタートしているので地方に関われる仕事だと思っていましたし、当時から「地方創生」につながる事業がやりたいという思いもあったので「何かできれば」と漠然と考えていて、実は4年ほど前にも父親の知り合いの農家さんからもらった米粉でオリジナルの米粉ビスケットを自社で作って3年以上販売していました。(現在販売休止中ですが、2022/4ごと再販予定)

ただ、思う様な結果(農家さんに良い売上を作る)には至っておらず、もっっと複合的にしないといけない、原料を買うのではなくそこで加工した方が良いのではと考えるようになっていました。そこでたまたまではありましたが、地元の義理の兄がやっているNPO法人がその廃校した小学校を借りる事になり、調理設備や軽い宿泊設備を整えるという話をきいていました。

また、一方でGLOSAで毎年人気ながらも製造数が少なく、芦屋店のみでしか販売できていない商品がありました。僕が初めてお付き合いさせていただいた自然農法をされている農家さん・西さんが作る手作り麹味噌です。大変美味しく、人気で販売数が足りないので増産をお願いはするものの、「そこまでは出来ない。」とのご回答がほぼでした。一度久しぶりに伺ってその話をすると、「教えたげるから福原くんが自分で作ったら?」となり、

じゃあ、繁盛小学校で作ってもらったら学校の稼働率も上がるし、繁盛のお米も活用できるし、作るお米増えたら耕作放棄地減るし、有機農業で作ってもらったら生物多様性も担保できるし、地域の人にバイト代出せるし、GLOSAのお客様も喜んでくれそうだし、一石六鳥だなと。ここの金額が適正でできれば、大事にしているバリューの「三方良し」になる。やろう!

と、味噌作りプロジェクトを勝手に企画し、義理の兄を巻き込み、地元の方に参画いただき、売り場の協力も経て実現しました

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↑仕込み伝授中

義理の兄と一緒に西さんのところに何度か足を運び作り方を教えていただき、機材を購入し、いろいろ準備を進め、小学校での生産が2021年冬にスタート。材料代金全てと製造手数料を支払い、出来上がったものは全てGLOSAにて販売する形をとりました。

半年間以上熟成し、味も美味しく完成したものが若干数ですが、まだ在庫があり現在店頭で並んでくれています

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このお味噌もまだまだ販売数・製造数がそんなに多くありませんが、こうした地方の方々と取り組める商品が増え、その販売数が増えれば、地元のお米などの農作物の買取り金額が上がり、手伝ってくだだる方への人件費を多く支払え、多くのお客様に喜んでいただけるものになっていく。目指している三方良しとはそうした世界観であるし、そうする事でその地域に仕事を生み・産業を生んでいきたいと考えています

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