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読書レビュー 齋藤孝著 【まねる力】

お疲れ様です。今日も本の紹介です。

実は最近、定期的に来る大人の思春期真っ只中でして(笑)

あれこれ悩んだり落ち込んだりしているんですよねー。

そんな時に僕を助けてくれるのは、やっぱり本なんです。

先人たちの知恵や叡智を学ぶことで少しでもこの状況を脱したい。あるいはこの不安やモヤモヤを払拭したい。

いつもそうやって本からアドバイスをもらってきました。

そして今この瞬間、僕と同じように悩んでいる方がいましたらどうぞご安心ください。

あなたも今は「まねる時」なのです。


この「まねる力」を読んで少しでも心が軽くなってもらえたら幸いです。

「まねる」という言葉は「まねぶ」から生まれており、「学ぶ」と同じ語源とされます。つまり「まねる力」とは「学ぶ力」に他なりません。「学ぶ力」もまた、「生きる力」そのものだと言ってよいでしょう。

〜本書はじめにより〜

この本を読んでもらいたい人

・何かを始めたいが何から始めていいのかわからない人

・今現在勉強しているものの、今ひとつ成果が実感できない人

・この春から新社会人として就職する人

「まねる力」は生きる力

本来「まねる」「模倣する」ということは伝統、文化の基本でした。例えば学校の校歌などがそのひとつです。

入学し、最初は先輩たちの歌う校歌をまねして覚えます。

そして覚えたら今度は自分がそれをまた次の年に歌い、後輩へとつないでいく。

何十年もそうやってみんながまねて、覚えて、伝えてきたからこそ今の後輩たちも同じ校歌を歌えているわけです。

その他には季節的に花見も先人のまねごとだといえます。花火や海水浴、祭りなど季節の行事ごとやお祝いごとひとつとっても全ては先人のまねごとです。

つまり、世の中のほとんどのことは過去のまねから始まったものばかりなのです。

さて、本書で齋藤孝先生は、「段取り力」「コメント力」と並び「まねる力」を生きていくうえでいちばん必要な力と位置付けています。

過去のまねが現代の基礎であるなら未来も過去のまねの積み重ねであると言えます。

したがって「まねる力」というのは誰にとっても身につけるべき重要なスキルであるわけです。

かつてないほど発想力や問題解決能力が問われている。この難関を突破するための最高のスキルが「まね」。できる人のやり方を自分流にアレンジして、新しいクリエイティブを生み出そう。

「まねる」ということの価値を見直すべき

しかしながら最近は「パクる」という言葉がすっかり市民権を得てしまっていて、「まねる」が「パクる」に取って代わり、「まねる」ことがどこかチープだったり、ズルしているような意味合いで捉えられることが多くなってきました。

実際に日常会話の中でも「まねる」よりもはるかに「パクる」という言葉を使っていることの方が多くなってきているのではないでしょうか?


本書は「まねる」ことについて概念→実践編となっていて、

・「まねる力」の役割や重要性

・「まねる技術」

・「お手本とするべき偉人、現代人」

・「読書術」

・「まねるべき書籍」

といった角度から「まねる」ことの本質を伝えてくれます。この本を読むことできっとあなたもお手本とすべき誰かを探し、さっそくまねしてみたくなることでしょう。

それこそが本書のメインテーマです。

「まねる力」を身につけ、ぜひのちにご自身の技につなげていってください。

心に残ったところ

ここからは完全に僕の主観でお伝えしていきます(笑)

本書の中から特に気に入った箇所をご紹介します。

〈P59 型をまねることから始めるより〉

歌舞伎界で型破りな舞台を作った故・十八代目中村勘三郎さんのまだ19歳の時のエピソードです。

アングラ演劇に衝撃を受けた勘三郎さんが、それを歌舞伎に取り入れたいと父である十七代目勘三郎に相談します。しかし父からは「百年早い。そんなことを考えている間に百回稽古しろ」と一蹴されてしまったそうです。

そんな時、ラジオの「こども電話相談室」での回答で「型がある人間が型を破ると型破り、型がない人間が型を破ったら型無しです」というのを聞いて以降、型の修練に励んだということです。

武道や芸事の世界では上達の段階に「守破離」という考え方があります。

まずは「型」をしっかり学び、身につけた上でそれを守ること。

その上で次の段階として自らその型を破り、最後はこうした型自体から離れてオリジナルを生み出すというものです。

まさに本書が言わんとすることがこのことであると思いました。

オリジナルはまねることから始まり、その人の型となるものをまずはきちんと身につける。

全てはそこから始まるんだと深く感動しました。

僕のような板前の世界も現代ではあらゆるジャンルがミックスされ、新しい日本料理が確立されています。

そういったものをテレビや雑誌、ネットではカッコよくキラキラさせて発信しています。

比べると自分の仕事がどこか古臭く感じ、ついそちらの方が垢抜けた良い仕事かのように見えてしまうことがあります。

そんなことから最近は、料理の勉強をすればするほど落ち込んでいたのですが、この本を手に取って改めて型をまねることの大切を学びました。

今自分の成長を実感できてないあなたも決して心配することはありません。

結果につながらない時期は型を覚える時期なんだと思ってください。

本書はそんなことも教えてくれる一冊です。ぜひ興味のある方はご自身でも読んでみてください。











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