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曲がったきゅうりを売る方法

主に青果などで、曲がったり傷がついた品物のことを「B品」と呼んだりする。(このきゅうりはうちの親が育てたものです)

おそらくまっすぐだったり、痛みのないものに対して劣っているからという意味でそう呼んでいるのでしょう。


仕入れの際の会話でも「B品で良ければ安いのがあるよ」とか、「B品だから安くしておくよ」と言ったりもします。

ですので、「B品」という呼び方はもはや定着しすぎて全く違和感を感じなくなっていました。



先日、ある会話からこんな話になりました。

「B品でも農家さんからすれば手塩にかけて育てた野菜なんだし、同じところで作ったものだから味も変わらないのにね…」


つまり見た目が悪いだけで品質そのものに違いはないんだということです。


たしかに曲がっていると切りづらかったり、まっすぐに揃えて使いたい場合はロスが出てしまいます。

なのできゅうりは曲がっているだけで鮮度に関係なくB品として扱われ、当然値段も安くなってしまう。

(ちなみにプロの農家さんでもだいたい3割は、商品にならないキュウリが実ると言われています。)


およそ3割がB品として扱われるというのは農家さんの労力からすればかなりの割り合いですよね。

それだけになるべく曲がらないように育てようと苦心されるわけです。

ならばその曲がったB品を売るにはどうしたらいいか?

どうにかして定価と同じように売れないものか?

曲がってるきゅうりに別の目的や意味を持たせたらどうだろう?

そう考えてみました。


B品改め、「本来品」とか「天然型」とか呼び方を変えるだけでもだいぶ違う気がしませんか?


お寿司屋さんの並、上、特上と同じ呼び方にしてみたりもいいかもしれません(笑)

あるいは松、竹、梅とか。

話は少し変わりますが、ビジネス書や、講演会も、成功体験だけを延々と聞かされたらそれはただの自慢話でしかありません。

その影に隠れた努力や挫折といった紆余曲折を知りたいから人はお金を払って話を聞くわけです。

人間の場合は、むしろそういった曲がりくねって遠回りしてきた道にこそ価値があると評価されます。


B品と呼ばれる商品にも、なにか物語や用途を見つけてあげることできっとその価値が変わると思うのです。

ただ、悲しいことに僕にはそのアイデアがまだありません…なんせ仕事柄きゅうりはまっすぐであってほしいもので(笑)

もし、あなたがこのB品たちになにか新たな付加価値をつけることができたとしたら。

もしかしたら新たなビジネスチャンスになるかもしれませんよ?

なにかグッドアイデアのある方、ぜひ最寄りの農協でアドバイスしてあげてください(笑)



※あとから調べてみたところ、きゅうりに関していえば、曲がる原因は主に乾燥だそうです。

そのほか高温や肥料不足、日照不足なども曲がる原因になるのだとか。

ということは実は本来きゅうりというのは全ての生育条件が完璧であれば、基本的にはまっすぐに育つらしいのです(笑)

ですので曲がったきゅうりが「本来」や「天然」の形とは言い切れないようでした。

大変失礼しました〜!

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