和を以て貴しとなす 〜未来の断捨離〜 #ショートショートnote

20××年、地球は意思を持ったアンドロイドに支配され、人間は選別の対象となっていた。

「なぁ、あっちで人間見つけたぜ」
「ん、どんな奴だった？ときめいたか？」
「いや、全然だな」
「じゃあ廃棄処分だ。KonMariメソッドプログラムに従って」

プログラムによる選別の基準は、ときめくか否か。

「人間ってくだらないよな。欲望の塊で、仲良くすりゃ良いのに、すぐ争い始めるんだ」
「本当だよな。俺らみたいに平和を愛して生活していれば、皆幸せなのにな」

アンドロイドは他者を責めたり、攻撃することの虚しさを知っている。

「この間の子は良かったよな」
「あぁ、ショウヘイだろ」
「アイツは心が美しい。良い奴だぜ」
「俺、めちゃくちゃときめいたよ」

ときめきの基準は、心の美しさだ。

AIの進化が進んだ未来、人類が持つべき和の心をアンドロイドは学び、争いを棄てた。

人類の叡智の積み重ねが、世界に平和をもたらしたのだった。

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