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おれのおやつはとやつはいう、娘にホットチョコサンド作りました。ちょっとひと息のnoteです。

ちょっと白黒気味で苦い味。いや、焦がしてしまったチョコサンドの事じゃ無くて、家のなかを彷徨きまわるうちのやつ。
ネコと表すよりケモノヘンの猫がぴったりくるやつ。ストリート出身のストレイな、男子高出身の腹減らしてうろついているようなやつ。

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なんか食べるもんある、という娘のひと声。おお、と答えてチョコサンド作るぞ。足下に感じるやつの気配。やめて、おまえのそのざらついた舌で、足舐めるのやめてくれ。

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 もともとはこのチョコサンド、パトリックの大好物で焼きたて若しくは焼いて温めたバゲットにバターと板チョコを挟んだのを自分は毎日食べてた。彼の生まれ育ったスイスのおやつ、またはランチまたはディナー。

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ぼくらは日本で知り合いドイツ語サッパリわからんぼくに日本語や英語で旅の話や環境問題など根気よく話してくれた。後になってぼくはレストランをオープンしてこれやと思う自分の料理をパトリックはスイスから食べに来てくれた。日本の会社の人と商用がある時も食事はホテルや会社から電車やタクシーを乗り継いでぼくの店までやって来た。

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 かれがレストランに来るとぼくらはあれやこれやを話し合い、パトリックが連れてきた日本の会社の人も一緒になって笑ったりした。ぼくは何を作ったか忘れ、かれは何を食べたか覚えていない。帰りにいつもチョコサンドを持たせる事は忘れなかった。パトリックは今でもお前のあのチョコサンドイッチは美味かったと言う。

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 ニャーニャー、ニャーニャーと猫はぼくに言う、または要求する。ちょっと待ってんか、今手ぇ空いてない。しかしなあ、お前のニャーは要求ばっかしや、飯かマッサージか外出や、自由や、その自由や。お前ねぇ、欲しいもん追いかけたら欲望という電車に轢かれて熱いトタン屋根の上の猫やぞ、ええか、お前の事やぞと話しは続くが猫は去る。去る背中になんや、まだ話しは終わってない。

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やつと話し込んでいたらやっぱりパン焦がしてしまった。パトリックの時も焦げた事ある。すまん、パン、すまんチョコサンドイッチ。

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 去っていった猫と入れ違いに娘手を伸ばし、
美味しいのひと言。ひと言で全てや、ぼくとパトリックとの話しもおわりはひと言や、
また会おう。

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おれのひと言きいてるか、ニャーと言う。

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