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【役者紹介】熊田有作

今回web部は皆さんに更なる公演の魅力をお届けするべく、役者にインタビューを実施しました!
9人目はどこか胡散臭い仲介人を演じるこの人!
それでは、どうぞ!



まず役名と芸名を教えてください。

役名が但野ただのエイジ、で、芸名が熊田有作くまだゆうさくですね。

よろしくお願いします!


自分と自分の役を比べたときに、似ているところと違うところは何だと思いますか?

あー、難しいですね…。
似ているところは、その、言葉で説明するのが難しいんだけど、自分の、言った言葉の反応とかを結構楽しんでるところがあるかもしれない。
本当はこう言った方が良いんだろうなっていうのをわかった上でちょっと外してるみたいなところは、思考様式として自分と似てるところがあるかもしれない。
あんまりこの言葉を使いたくなくてずっと湾曲表現してたんだけど、俯瞰してるみたいな。
物語を俯瞰してて…俺自身が俯瞰できてるかはわかんないけど、結構そういう視点から見て楽しんでるのかなみたいなイメージがある、んですよね。


但野は物事を俯瞰して楽しんでいる



違うところは、但野は仕事ができるってところが…。俺は別に仕事はできないから。但野は多分、課題ができたときにすぐ取り組む人間なんだけど、俺はこう最後まで送らせて、ギリギリで間に合わせるっていうタイプだから。でも但野のなかには、それじゃダメだっていう何かが、あるんですよね。
そこのテキトーさみたいなものは、但野には無い。
但野が持ってるマイルールはすごい社会に適応してるんだけど、俺が持ってるマイルールはただ勝手に持っちゃってるヤツ、みたいな。成長する過程で持ってしまった結果で、社会には何の役にも立たないみたいな。


今まで自分が撮った、或いは撮られたなかで、いちばん印象に残っている写真は何ですか?

あー、えっとね、これはあって。
高校の頃に、部活の合宿に行ったときに、俺がその、バスで寝てたら、写真撮られてて。
その表情が仏様だったっていう写真があって。

これ印象的かな。




~~こちらの写真ですが~~
協議の末、読み手のご想像にお任せしましょうという結論になりました。
「虚」ですから。今が全てですから。
反応から各々で感じ取ってもらえたらと思います。
では、よろしくお願いします。




えっこれ?

うん。

えっ?こっ、これ?

そう。これ俺。
あ、角度違った?ちょっと。

あ、いやそうじゃなくて
え?熊ちゃん?これ??

うん。

え?…違う人みたい。

裸の大将みたいでしょ。これ。
高1の頃だし、髪もね、なんかこれ髪型じゃないし多分ね。

螺髪らほつってこと?

螺髪らほつの状態で。そうそう。
仏の…ダ・イルオーマ(※「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」に登場するボスモンスター)みたいな感じで。

びっくりした、えっ本当に熊ちゃん?
全然知らないヤツかと思ってしまったくらいには雰囲気違うな…。
えぇ…??

なんかそう、高校の頃こんな感じでした。
でも別に垢抜けたとかではない…。
その、垢抜けたねって言われるのはちょっと違うなって思ってて。
そう思った?ぴぃちゃん的には。

全然もう、違う人…?かと…。

自分の考え方みたいなのが、見た目に現れてなかった頃みたいな…感じかもしれない。
意外とこういうヤツなのか、みたいになっちゃってた、多分。高校のとき。
この顔(仏)のまま今の性格だったらこういう話し方にはなってないし。
実際仏みたいな立ち回りしてたし。
後輩にもなんかもう、話しかけなくても良い感じになっちゃって。本当に熊さんみたいな。
そうなると俺はもうそこのパブリックイメージに沿っていくしかないってなるから。

じゃあ結構今と違った…?

あー、や、高2の頃がその「沿う」最盛期で。
高3からもうなんか良いな、ってなっちゃって。
部活にも行かなくなったから。少人数で。
高3の頃はほぼ同じ状態だったと思う。

この写真を撮ったヤツは、俺のことを仏時代から今まで知ってるんだけど、ずっと仲良い。
高校の頃はそんな仲良くなかったんだけど、大学入ってからなんかちょっと、「風呂行かない?」みたいな。
俺としては「なんでこいつが来るんだ…」みたいな。
俺はずっと仏になってるつもりだったんだけど、たまにそのちょっと、漏れてたらしい、毒が。
それを感じたからちょっと、気になってた、みたいな。告白されてたね。
それでたまに近所のセブンの前に行って煙草吸って、解散、みたいな。不思議な関係ですね。


幼い頃の夢は?

大工。

即答だ。

大工です。レゴが好きだったんで。
子どもの頃ずっとレゴ、レゴしかしてない。
ゲームとかも小2で初めてやったぐらい。ずっとレゴだけをやってて。
で、おんなじかなと思って。大工…大工良いな、みたいな。レゴと同じ感じで作れるんなら良いなと思ったけど。
それで大工だったんだけど、だんだん、大工しんどいってことがわかってきて。
レゴとは全然違うぞということがわかってきて。

だから、マイクラをしました。
大工っていう夢を昇華するためにマイクラをずっとしてるっていう。

あーレゴ通ってた人は絶対マイクラに辿り着くだろうな…。
真理かもなそれ…。

うん。
子どもだから何でも良いから、子どもの夢なんてものは。

今だって何だって良いと思いますけど。

あと無いかな他にも…。
物語を作りたいみたいなのって、あったっけ?夢として。
あーでも漫画描いてたな、なんか。ちっちゃい頃。友達と…。
漫画家はちょっと良いなと思ったけど。
友達とそれぞれが描いた漫画を持ち寄って、週刊雑誌みたいに作る、のはやった記憶ある。
あれ楽しいよね。全然続かなかったけど。

大工にしろ漫画家にしろ、何かを作ることっていう共通点はあるんですね。

結構親が作る人で。
子どもの頃、親がずっとバイクを作ってて。
バイク屋でスクラップのバイクを持ってきて、それを全部パーツ替えて、ちゃんと運転できるバイクにするみたいなのをやってて。
5年ぐらいかかったんだけど、ちゃんと走るようになって。
なんか家にある家具とかも結構作ってんのよ。机とかも。
最近も、ライトのスイッチの位置がちょっとやだな…なんかアレだな…ってなって付け替えたりとか。

あと寒がりなんですよ。
トイレが寒いみたいな、1階の。
だからリビングから穴を通して、空気を…。
結構、こんぐらい(確か30㎝くらい。もっとかも)の直径の穴を通して。
あったかい空気を送るみたいなことを言い出して。
で、家帰ったらリビングに結構大きい穴が空いてたの。
奥見たらトイレが見えるのよ。ふざけんなよと思って。何やってんの?みたいな。
絶対よくないじゃんみたいな。確かに客なんか来ないけどさこの家には。
しかも穴を通すことによってあったかくなるっていう根拠、エビデンスが一個も無かったの、話聞いてると。
だし、その、どうなの?みたいな。見えちゃうじゃんみたいな。「いやもちろんフタはつけるよ」っていやそういう問題じゃないと。
閉じさせて、もう。
でも、作った穴に結局ちっちゃいエアコンみたいなの入れて、まあトイレはあったかくなったと。
人が入ると人感センサーが反応して。

あったかくなったんだ。行動力すごいな。

行動力すごい。暇なのかな?っていう。
でも確かに作るってことは結構身近だったかもしれない。

良い環境…あのリビングとトイレがブチ抜きになるのが良い環境という意味ではなくて。
良い影響を受けてるのかもしれませんね。


死んだら天国に行くのと、死んだら星になるの、どっち派?

どっちでも無い派…。
でもどっち派って聞かれたら、まあ天国かな。
天国の方が良い気がするな。
天国だと思ってる方が、幸せだと思うから。
星はちょっとなんかね、嘘過ぎて。

嘘?

嘘過ぎ、ちょっと。古代過ぎる考え方が。
天国の方がまだハッピーかな。

どっちでも無い、だと何になる?

何も無いっていう。
無だね。死んだら無です。
めっちゃ怖いとは思う。でも…結構、自我なんて無いな、みたいなことをちゃんと、最近実感を持って最近感じるようになって。
だから、あぁ何も無くなるんだな、っていうのを結構受け入れてる俺がいて。
あーでもなんかあれね、プログラム、ゲームだったみたいなのがいちばん面白いかも。
実はゲームだったみたいな。
死んだら、「お疲れさまです」ってリザルト画面みたいなのが出てきて。
あ、たった一人の人間が作った世界のなかに、俺はただ入り込んでただけなんだみたいな。
そういうのがあってもまあ、面白いかな。
なんか、死んだときに全部宇宙の謎みたいなものがわかったら楽しいだろうな、みたいな。
そんな感じかな。


今までの人生でいちばん楽しかった瞬間はいつですか?

え…。え?…いつだ?
あー…全然考えたことないかもしんない。
生まれてきて、「いちばん楽しかった瞬間」?
あんまり覚えてないんだよね、昔のこと。
高校ではないだろうなぁ。中学かなぁ…。中学の、いやでも、うん。


「……いつだ?」


大学にしようか。
そのときの自分によるから結構。
あーでも、あれかな。大学だったらね、去年の、クリスマス会(※冬に部内で行われる短編発表会)。
主宰と、余興やったんだけど。信じられないくらいウケた、それが。
「存在しない記憶」(※二劇生から募集したセリフを全て盛り込んで作られたいわばカオスにも関わらず、狂気的な笑いを生み出した作品)。
アレはもう気持ち良かったね。
あれがめちゃくちゃ楽しかった。あれたまんないね。
何やってもウケるから、本当に。

あれ、なんか空間がよくわからない感じになってたよね

熱…熱がチカホにこもっててちょっと。あのとき。
ずっと内輪ノリではあるんだけど、もう、何やってもウケる状態みたいな、あぁなんかこういうことのために結構あれだな、って思って。面白いこと考えて良かったな、みたいな。
もうずっと手が震えてて、何やってもウケるし、聞こえなくてもウケるから。
異常だった、本当に。あれは、楽しかったですね。

まあ、それまで二人で考えてて、ちょっとこれヤバいかもしれない、みたいな。本当にただ俺らの会話を文字起こししただけみたいな部分が結構あって。
それこそその日って、結構完成度の高い発表がずっと続いてたから。
その、あ、ドン滑りかもなみたいなこと思ってたら、多分それがちょっとフリになってて、逆に。
めちゃくちゃなものがこう、全部かっさらったみたいな感覚があって。
それが結構、俺がやりたいことかもな、みたいな。
めちゃくちゃなものが全部かっさらう。
速度がやっぱり、ほしいから、どうしても。
それがあったんじゃないかなぁという風に思いますね。
Google Chromeのメガネね。あれね。
Google Chromeのメガネは、思いついたときもう絶対これだと思って。

あれ最高だったもんなぁ…。

あんな小道具作るの初めてだったしね。

うん。まあこれから先にも無いけどね。
今までもそしてこれからもGoogle Chromeのメガネはもう出てこないけどね。

うん多分出てこないと思うけど。
あれは、良かった。


最後に、「有頂天」はあなたにとってどんなお話ですか?

「有頂天」はね、あーでもすごい、たくさん喫煙者が出ますね。
あぁでもあれかなやっぱ。主宰の好きな、漫画とタバコ。
好きなものを全部、入れてくれたな、っていう。
クサい台詞が、映える舞台なのかな、っていう。
そこから結構脚本家がどういうヤツなのかが見えてくるのが、それをその、若いと感じるか、真摯に面白いと感じるかは、観た人次第なのかなっていう気はするんだけど。
やっぱり、面白いと思ってほしいけどね。

主宰と俺は結構仲が良いから、どんなものが来るのかなと思ってたら、あの、まんま来た、って感じ。こんな感じかなと思ってたものがまんま来たみたいなイメージ。
最初に見たとき以上に、やっていくうちに、あっ結構自分たちでより面白くできるかもしれないって思える感じがあって。
面白くするためにできることが多いっていうのは、楽しいですね。

観てても土俵がしっかりしてるというか。
その分好きに上を飾って良いという感じがあるかも。

そう、土俵がしっかりしてるから、落ちたときにわかりやすいんだよね、すごく。
で、その落っこちたときがわかりやすいんだけど、でもそのミスはすぐ修正できる。
そうじゃない舞台もあるからね、やっぱり。
なんでもアリになってしまうというか。
結局、土俵の上ではなんでもアリなんだけど、落ちたか落ちてないかっていうのは明確だから。お客さんにもそれが伝わるだろうし。
なんでもアリにできるのはやっぱり、龍太郎の作画、というか、土俵の上に我々がいるからなんだろうなっていう風には思いますね。
熱い台本書くなぁって、思います。

質問は以上になります。
ご協力ありがとうございました!


ありがとうございました!


インタビューを終えて

熊ちゃんとはゲームや音楽の趣味がちら…ほら…と被っていると勝手に思っているので、死生観などについても共感できる箇所が多く、普通に個人としてもっと話を聞きたくなってしまいました。良ければまた話してくだせえ…。
それと昨年のクリスマス会の話が聞けたのも嬉しかったですね…!
本当に、その日現地にいた人間としては「なんか空気がおかしかった」というより他に無いほど、異様な笑いが生まれていて、それがすごく心地好かったんです。

せめて…せめてその瞬間の写真だけ載せさせてください。



クリスマス会のおもいで
「お前両目Google Chromeになっとるやないかい!!」



アーーーーーーー!!悔しい!!!!!!!!!
もっとあの感動を鮮明に、高画質でお届けしたかった。
私の容量パッツパツのスマホに頑張って解像度上げるアプリなどをインストールして試してみましたが、ダメでした。アプリは3分でアンインストールされました。
もし、「この程度の画質で中途半端な笑いにされるくらいなら、載せないでほしかった」という声が上がったら削除しようと思います。ギリギリまで格闘してたせいで事前に確認取れてなくてごめん、二人とも。

これ以上クリ会の話をすると長くなってしまいそうなので、二人には賞賛として、狂ってる、の一言を贈りたいと思います。

クリ会のエピソードにしても、作品への語り方にしても、熊ちゃんから主宰の龍太郎への信頼がよく表れていると感じました。
熊ちゃんの演技に、役づくりとはまた違う次元の余裕のようなものを私が感じるのも、主宰への信頼があるからなのかもしれません。
この土俵の上でなら何をやっても大丈夫。
ぜひ思いっ切り楽しんで、自分の思うままに終演まで駆け抜けてほしいなと思います!

さて、今回そんな熊田が演じる但野は空間を支配するような、底知れない佇まいが魅力的な人物です。
あえて後ろの方の席に座って、但野のように俯瞰して観るのも面白い…かもしれませんね。
それでは、劇場にてお待ちしております!



ご予約はこちらから承っております!
公演概要は以下をご参照ください。


【公演情報】

2024年度春公演『有頂天』
〈脚本・演出〉一角龍太郎



〈日程〉
6/13(木)18:00
6/14(金)18:00
6/15(土)14:00/18:00
6/16(日)12:00/16:00

※開場・受付開始は開演の30分前でございます。
※上映時間は約90分を予定しております。
※途中休憩はございません。

〈劇場〉
新宿THEATER BRATS[シアターブラッツ]
http://www.theater-brats.com
JR新宿駅・西武新宿駅より徒歩15分
都営新宿線 新宿三丁目駅より徒歩7分
東京メトロ丸ノ内線 新宿御苑前駅より徒歩5分

〈料金〉
前売・当日共に1500円


最後まで読んでいただきありがとうございました!
皆さまのご来場を座組一同心よりお待ちしております!!


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