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【役者紹介】神崎仁太

今回web部は皆さんに更なる公演の魅力をお届けするべく、役者にインタビューを実施しました!
3人目は他人の人生を引っ掻き回すパパラッチを演じるこの人!
それでは、どうぞ!

まず役名と芸名を教えてください。

森河もりかわリョウヘイ役の神崎仁太かんざきじんたです。

よろしくお願いします!


自分と自分の役を比べたとき、似ているところと違うところは何だと思いますか?

似ているところかぁ…。
あんま似てるなぁって思ったことは無いですね。
あーでも不条理さみたいなものは。
森河は劇のなかで、他の役よりもいちばん不条理な部分が多くて。
不条理っていうのも、ね、きっと、世の中で不条理だなって思うことは自分が悪いところもあると思うんですけど、僕の考えとして。
けど、いちばんなんか、森河が悪くないのに都合の悪い展開になってるっていうのが他の役よりも多いと感じてて。
結構他のね、桂木ハルトとかも不条理というか、可哀想な方向には行くんですけど。
森河の可哀想はどうしようもないというか、すごく作品のなかで不条理だなと思って。
でもその不条理さみたいなものは自分も感じることがあるので、それは同じかなーというか、つらいよなぁって共感ができるところはありました。
違うところは、そうですね。
僕は結構、できる方に流れるというか、できないことを夢にしたことがあんまり無いというか。
自分ができることは、自分のしたいことというか
なんて言うんですかね、このジャンルが好きだけど、自分はこのジャンルできないからとか、たとえばサッカーが好きだけど、上手くないから嫌になるとか、つらい経験をするっていうのはあんまり無かったので。
自分がやりたいことは自分の得意なことだったりしたことが多かったんで、あんまり森河の、上手くいかない、才能が無い、みたいなことを感じることはなんかあったかなぁ?というか、そういうつらい経験はあんまりして来なかったような。
まあ僕もまだね、学生なので。
これを仕事にしたいと思ってしてきたことっていうのが無いので。
まあでも昔から夢が無いですね、そう考えると。
あんまこれをしたいって夢を持ったことが無い、ので。
だから仕事のやりがいとかもいまいちピンと来てないです、今3年生なんで就活なんすけど。
仕事のやりがいなんて無いだろ、っていう、金もらえれば良いだろっていう
金もらえてワークライフバランス整ってれば良いだろっていう。
仕事に楽しさを見出すというよりかは、空いた時間を楽しむっていう方が、楽しくない?みたいな。
どう頑張っても勉強や仕事よりも遊びのが楽しいだろと思っちゃうので、そこは森河とは違うかなぁと思うところですね。
あんまりできなくて困ったって経験が無いので…まあ出来過ぎるってことも無いんですけど、基本ある程度いろんなことが平均よりはできたと思ってるので。
森河みたいな、なんもできないクソ野郎だって思う経験は無かったですね。


今まで自分が撮った、或いは撮られたなかでいちばん印象に残っている写真は何ですか?

ほぉー、いちばん印象に残ってる写真…?
…無いですね。
特に昔僕写真嫌いだったんで。
インスタとかにバッてあげてるヤツすっげえ嫌いだったんで。
飯食う前に写真撮るのすげえ嫌いだったんで。
あと撮られるのも撮るのもあんま好きじゃなかったですね。
友達に限らず彼女とも写真撮るの好きじゃなかった…ですね。
だから写真で印象に残ってるのってあんま無いですね…。
あーでも、それで行くと高校時代の写真ですかね。
高校卒業してから見返して「あ、もっと撮っておけば良かったな」って思います。
これが印象的だった、っていうのはあんまり無いんですけど、当時の楽しかった気持ちや記憶が思い出されるんで写真って撮った方が良いんだなぁって思いましたね、そのときに。
これがいちばん印象に残ってる、とか、これが良かったっていうのは無いです。

写真嫌いなの意外かもしれないです。
普段撮ったり撮られたりに抵抗が無いように見えるので…。

好きじゃなかったですね。慣れたのかも。
今は好きですけど、演劇やって慣れたのかもしれないですね、見られることに。
高校のときもまあ見られてはいたけど別に…うーん、なんでしょうね。
なんか好きじゃなかったなぁ、なんなんだろう。わかんないな。


幼い頃の夢は?

ちっちゃい頃の夢は俳優でした。
小1から小6までずっと俳優になりたいって思ってて。
まあ今思えば俳優じゃなくてバラエティとか、テレビに出たかった、タレントだったんですけど、テレビっ子だったんで、僕。
そうですね、それこそ中学校入ったときにさっき話してたのにも繋がりますけど、夢を追いかけるために今ある楽しみを犠牲にしたいわけではない、みたいな考え方が強くて。
そこまで夢に全部を賭けられないんですよね。
出会えてないのかもしれないですし、自分が隠してるのかもしんないですけど。
もちろん今でも俳優で食ってくとか、仕事にするっていうのに憧れみたいなものはありますけど。
別に、それをするために何か今ある楽しみを犠牲にしなきゃいけないんだったらやだな、っていう。
まあやっぱお金が好きなので…お金が好きっていうのは違うけど、好きなことをするためにお金が必要なのはわかってるので。
お金が無いのはやだなぁってどうしても思っちゃいますね。
金の切れ目が縁の切れ目とも言いますし。
お金があることによって余裕も生まれますしね、心に。
あんまり卑屈になりたくないな、というのは(ある)。
僕はあんまり自分が性格良いと思ってないんで、余裕が無いと性格悪くなるだろうなぁと思って。
そういうのも含めてお金がほしいので。
夢は…そのときは持ってましたけど、年齢が上がって、社会人が近づくにつれて、そういう夢はなくなっていった気がしますね。


死んだら天国に行くのと、死んだら星になるの、どっち派?

はー…天国、ですかね。
星になるってなんだ?って思っちゃう。
少しスピリチュアルというか、変な話なんですけど、ちっちゃい頃、インフルとか罹ったり、高熱を出したときに寝ると、必ず戦国時代の夢を見るんですよ。
僕は馬に乗って戦ってて、周りも戦ってて、で斬られて終わるんですよ。
毎回それを見てて。なんか、前世の夢なのかなぁってずっと思ってて。
あと今はあんまり無いんですけど、僕が5、6歳のときにおじいちゃんが亡くなっちゃって。
で、そこから毎年お盆の時期になると、父さんが家の玄関のところに、御猪口に日本酒を入れて、その上に煙草を一本置く、っていうのをやってたんですよ。
それを供養というか、煙草と酒好きだったから毎年置いてたんですけど。
僕その時期になると必ず金縛りあってたんですよ。
寝て、目が覚めて意識もあるのに体が動かないみたいな、「あ、金縛りだこれ」みたいな。
別に霊感があるとかではないんですけど、そういう経験をしてたから、霊というか、そういうのはあるんだなって昔から思ってました。
だから心霊スポットとか絶対に行かないです。誘われても俺は絶対行きたくないです。いると思ってるから。
霊によって死んだとかの話は漫画とかでしか聞いたことないからあんまり信じてないですけど。
霊自体はいると思ってるんで、心霊スポットとか苦手ですね。
だから、星になるというよりかは、天国に行くんじゃないですかね。
戻って来てる気がします。


今までの人生でいちばん楽しかった瞬間はいつですか?

うわムズ、「今まででいちばん楽しかった瞬間」?
やっぱりバカみたいなことというか、くだらないことやってるときがいちばん好きですね。
これと言って一個、このときがいちばん楽しかったっていうのは…いやー全部同じくらいなんだよな、これが特段ってのはあんま無くて。
僕はバカしてる、くだらないことしてる時間が好きです。
サー室でダラダラ喋ってて、もうめちゃくちゃ遅くなっちゃって、でもそっから「ちょっとラーメン食いに行くか」みたいな流れになったり、「風呂行っちゃうか」みたいな流れになったり、「もうオールしちゃうか」みたいな流れになるのが好きですね。
特段、ここに遊びに行くのが好きとか、これをするのが好きってよりかは、くだらないこと、バカしてることの方が好きかもしれないですね。
そういう瞬間はいっぱいありましたね、今までで。
大学生になってからもありましたし、高校のときもありました。
でも今思い出してたけど、全部好きでしたね、その瞬間は。いちばん楽しかったと思います。

高校の友達と二人でFIFAやってたりとか。
なんかもうめちゃくちゃなんですよ。
二人で協力プレイしてて。その、コートがあってボールをサイドから反対のサイドに持ってくのを「逆サイドに運ぶ」って言うんですけど。
「思いっきり逆サイドにちょうだい」っていうのを、興奮し過ぎて「オモサァイ!!」って言ってて。いやオモサイってなんだよみたいな話して笑ってたりとか。

身振り手振りでFIFAを教えてくれる神崎
オモサイってなんだよ

あとちょうどそれやってるときに…。フフッ
これ多分(素材として)使えないと思うんですけど


(割愛)


……みたいなのが、好きでしたねぇ。
そういう瞬間がホントに。
男4人でドライブ行ったりしたときも…まあそれも多分使えないんで話さないですけど。
くだらないことをしてるときが好きでしたね。
だからあんまりいちばんっていうのは無いですね、さっきまでの会話でもそうですけど。
いちばんっていうよりかは、楽しかった瞬間がいっぱいある気がしますね。


最後に、「有頂天」はあなたにとってどんなお話ですか?

主宰の一角龍太郎は、小難しかったり、偏見があったり、考え方だったり気持ちとして幼稚なところはあると思うんですけど、それは、彼がっていうより多分僕らは、っていう。
大学生なんてそんなモンだと思うんすけど。
考え方がまだ若いってよく言われるようなことが、彼にももちろんあると思うんですけど…でもやっぱり作品から伝わってくるのはまっすぐな思いな気がしますね。
彼自身は、意地を張ったり、かっこつけたり、余裕ぶったりするところがあるんですけど、でも、作品から伝わってくるのはまっすぐな気持ちな気がしますね、熱い男と言ったらアレですけど。
僕としては…。
彼の大切にしなきゃいけないものを、書いてくれてるような気はしますね。
龍太郎が必要だと思ってるもの。
そこは彼の意見なのか、人間みんなに必要だろと思ってるかはわからないですけど。
彼が大切にしたいものを、登場人物はみんな持ってて。最初はその大切にしなきゃいけないものをちょっと踏み外してるんですよね。
それが物語が終わるにつれて修正されていくような気がして。
だから、出てる登場人物たちはみんな、大事な役割を持ってるような気がしますね。
全部、彼が大事にしてるものというか。キャラクター全員に一つ、彼が生きる上で必要だと思ってるものが入ってる気がしてて。
だから、みんな面白い、どのキャラも好きになれる気がしますね。
僕自身も、ハッとさせられるって言ったらそこまでじゃないかもしれないですけど、良いこと言うなぁって思いましたね。
本人が意識的か無意識的かはわかりませんけど、全部、彼の言葉な気がしますね。
彼が書いてるからあたりまえなんですけど、僕的には、龍太郎が「折尾だったらどう言うか?」「森河だったらどう言うか?」って書いてるってよりかは、彼の言葉で書いているような気はしてます。
全部のキャラが彼のなかにいて、全部彼の言葉で書いてるような…もちろん役に合わせてはいると思いますけど、でも突拍子の無いことは無いというか
全員を一つに凝縮したら、龍太郎になる気がしますね。
だから、彼のことが好きになれるような気がしました、作品を見たとき。
こういうこと考えてんだ、良いヤツだなって思いましたね。
観客にも、僕らと同じ大学生にでも、まあ年上の人に刺さるかはわからないですけど、みんなに、伝えてあげてほしいなとは思いますね。作品というか彼の気持ちというかメッセージを。
もちろん面白い劇にするのも、エンタメとして面白いのも大事なんですけど、やっぱりメッセージ性みたいなものは確実にあるので。
僕はその、身近な、もしかしたらその日観に来てくれる人にも当てはまるような人物像である可能性が高いので、できる限り観客に身近だと思ってもらえるように稽古もしているんですけど。
そう思わせて、折尾くんとかユキとかにメッセージを伝えてもらえればと思いますね。
黒子になりつつ、ふざけつつ、良い作品にできればなと思います。

質問は以上になります。
ご協力ありがとうございました!



インタビューを終えて

仁太とは同期だし共演経験もあるので、勝手に割と打ち解けているつもりでいるのですが、こういうクソ真面目な企画とかあんまり好きじゃないだろうな~~ごめん!!と思いながらインタビューさせてもらいました。
案の定というか、こういうこと言ったら怒られるかもしれないけど、「普段に比べて声のトーン暗過ぎるだろ」と思いました。
とはいえ、いろいろ思っていることやエピソードなど聞かせてもらえたので、収穫多くて満足です。ありがとう。

思い出し笑いが止まらない神崎

載せなかったエピソードトークですが、心底くだらなくて私も思わず笑っちゃいました。と同時に、仁太の話している様子を見ながら、本当にくだらないこととかバカやってるときがいちばん楽しいんだろうなぁと思いました。
これからも二劇でいろんなバカやれたら良いよね。

森河は、物語のなかでも少し周囲から外れた位置にいますが、彼の演技で捻くれた魅力のある人物になっていると感じます。
(あと今回珍しく本体メガネがキャストオフです!)
ぜひ劇場まで観に来ていただけると嬉しいです。



ご予約はこちらから承っております!
公演概要は以下をご参照ください。



【公演情報】

2024年度春公演『有頂天』
〈脚本・演出〉一角龍太郎



〈日程〉
6/13(木)18:00
6/14(金)18:00
6/15(土)14:00/18:00
6/16(日)12:00/16:00

※開場・受付開始は開演の30分前でございます。
※上映時間は約90分を予定しております。
※途中休憩はございません。

〈劇場〉
新宿THEATER BRATS[シアターブラッツ]
http://www.theater-brats.com
JR新宿駅・西武新宿駅より徒歩15分
都営新宿線 新宿三丁目駅より徒歩7分
東京メトロ丸ノ内線 新宿御苑前駅より徒歩5分

〈料金〉
前売・当日共に1500円


最後まで読んでいただきありがとうございました!
皆さまのご来場を座組一同心よりお待ちしております!!



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