コロナと大学生と。

今年度が始まり、早三か月。
キャンパスで夢だった学問を存分に学び、友人たちと楽しくおしゃべりをし、様々な価値観と出会う。

思い描いていたことはまだ一つも叶っていない。

世界が混乱状況に陥り、娯楽だけでなく生活にまで「自粛」が求められることが当たり前となった。一度落ち着いたのもつかの間、まだ第一波は抑えきれていなかったのかはたまた第二波がやってきたのか、私の住む国いや地域と言うべきかどうか。そこはまた混乱に陥り始めたのだ。

私は都内に住む大学一年生だ。生まれも育ちも東京。
悲劇のヒロインぶることはめったにないが、今はとても肩身の狭いうちのひとりだと自負するぐらいにこの状況はひどいと思う。

これから話すことはひとりの意見として聞いてほしい。きっと「他にも、もっと大変な人がいる」「お前だけじゃない」と言う方が沢山いると思うがその意見をまず取り除いて聞いてほしい。ひとつの考えとして。

そしてこれを書いている当初はこのnote一つで終わらせるつもりだったが一つのトピックであまりにも多く書いてしまったため、いくつかに分けてシリーズのようなものをかけたらと思っている。今回はオンライン授業について思うことを書けたらと思う。

不幸中の幸い

私が所属している大学はつい先日、九月中旬までのオンライン授業が決定した。これでオンライン授業の日程変更は三回目となるだろう。

正直な話をすると今回のオンライン授業継続のお知らせは私にとって4割は嬉しいものとなった。なぜならば具合が悪くても、電車に乗ることができなくても講義を受けることができるからだ。
私は今年に入ってから体調が優れることがなく、家に引きこもる生活を送り、徐々に外に出ることに対して恐怖感を抱くようになった。そして三月にパニック障害と診断されたのだ。そのような状況にいながら大学に通うことはその当時とても困難なことであり、いつしかプレッシャーに代わり余計に具合が悪くなる日が続いた。親には話しはしなかったが最悪の場合休学も考えていた。

大学からオンライン授業の開始が通知されたのはそんな時だった。まさに不幸中の幸いだった。治療に専念でき、具合が悪くなってもすぐに落ち着けることのできる環境にいて、なにより講義を受けられる。こんなにもありがたいことがあるだろうか。
オンラインでの講義が始まってからは治療薬の副作用である朝の怠さと戦いながら一限に参加し、やりたかったことに目を輝かせた。時には、グループワークで会話される「大学早く始まってほしいね」という内容に「そうだね」なんて苦笑いしつつ嘘をつく自分を嫌いになったりもした。

でもこの事態の中で私がこの状況にいなかったら、ただ「学校に行きたい!」だけの凝り固まった考え方で大学生活を終えていた。私のような状況にいる人、心身的な理由で外に出られない人、いまの環境が息苦しい人、動きたい気持ちはあるけどあともう少しな人。大学生だけにとどまらず、小学生、中学生、高校生そしてもしかしたら社会に行くべき場所がある人にとってもオンラインという形式はとても有効なものになるのではないか。誰かを救うあるいは手助けする役割もあるのではないかとオンラインに一つの希望を持てた。

大学生の市民権はないのか

さて、嬉しい感情以外の残り6割についてだがそれに関しては世の大学生とほぼ同義であろう。
小中高は分散登校や先生方の取り組みもあって再開しているところがほとんどである。そして私と同じ学年の子たちなどが通う専門学校についても同様だ。専門学校に関してはどれも実技が主となるため学校の再開が大学より早いのはわかる。そして大学は一つの講義で200人弱が一堂に会することもあり、小中高のように分散させて何度も同じ授業をする時間もなく、このような大学だけ対面での授業が再開されないという事態になってしまったのも想像できる。

しかし、各大学の開始延期が続々と発表されているのに対して多くの人が遊びに出かけていることに疑問を抱く。
もちろん遊びに出かけたりするのを待ち望んでいたことは重々承知だ。今まで生きる活力だったものを突然制限され、ずっと我慢していて、やっとすることができる。会いに行ける。体いっぱいに体感できる。とても嬉しいことだろう。しかしその行動で何百万もの大学生の数少ない未来の選択肢をつぶしていることに気が付かないのだろうか。

大学にだって実技のある授業はある。オンラインだけでは受け取れない教授の教えがある。

なぜ大学生だけ制限されなければならないのだろうか?

上記に書いた大学だけが再開されない事態については私の想像だ。本当の事実は見せているようで実は隠れている。なぜに対する答えを明確に教えてほしい。
なぜ大人は飲み歩いていいのに大学生が勉学に励むということをしてはいけないのか。

最後に

最後になるがオンライン授業の内容・質について。私は所属している大学についてそこまでの不満は抱いていない。(別に回し者でも何でもないが)
私の所属する大学は他大学より課題が多いという方もいれば、少ないという方もいて第三者から見た私の大学のオンライン授業の質については正直なところ何も言えない。
ただ教授が皆、オンラインで講義をするというのを意識して毎回工夫してくれているのが伝わるし、自分自身の今の生活上課題は多いとは思はない。(アルバイトもして一人暮らしもしてという方は尊敬しかないが) それに私の専攻している学部の教授は皆柔軟な方で面白く、一つの癒しとなりつつもしっかり学ぶことがあるので毎回楽しみにしている。

回線の不調で音が聞き取れず、間違った受け取り方をしてしまうことはよくある。一度もあったことのない子とグループワークをして緊張する。そしていろんな価値観を知る。

オンライン授業でありがたいと思うこともあれば不満に思うこともある。
でもこの時点でかなりおもしろい、頑張りたいと思える講義を受けれている私は非常に恵まれているなと感じた。そしてなにより教授のお話を直接聞ける日が待ち遠しいし、顔も見せず声だけで意見を言い合いこんな人なのかなと想像した方たちと会うのが待ち遠しい。

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