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二度の強姦未遂を経験した自分が、スナック業界に飛び込みたい理由

突然だが、私は過去に二回、強姦未遂にあったことがある。
一人は見知らぬ人、もう一人は自分のよく知っている人だった。

1回目は高校生の時

夏祭りの帰り道だった。帰路の途中で入る細い路地で、すれ違いざまに突然路上に押し倒された。その人は左手で私の首を絞め、右手で私の胸を触っていた。
そして低い声で私の耳元で言う。黙れ、うるさい、黙れ...

人が近づく音がしてその人は走り去った。
私は家になんとか到着。1時間迷った後、起きたことを親に説明した。
被害届を出そうと警察署へ同行してもらった。

警察官は、一通り私に事情聴取を行った。犯人逮捕の参考になるのでと
言って、ノースリブに短パンの薄着姿の私を四方から撮影した。
そして「細い夜道は気をつけて」と、署から私を送り出した。

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2回目は大学生の時

二人で遊びに行った後、酔った彼に閉所へ連れ込まれ、力づくでしようとしてきた彼に全身を使って必死で抵抗した。

泣き虫な私は一切涙が出なかった

ただただ、脳内は悔しさでいっぱいだった。最悪な気持ちだった。

しかし、どちらの場合も翌日はケロっとしていた。
何事もなかったかのように学校に行った。
よくご飯も食べた。
しかし振り返ると、これらの経験が自分を二つの点で変えたと思う。

経験を経て、どう変わったか

一つ目は、人に頼ることが苦手になった。
きっと自分にも負い目があるとどこかで思ってしまう。しんどいと言うことにハードルを感じるようになった。

二つ目は、「女性だからできない・苦手」という一般的な線引きを
すごく意識するようになった。

力づくでかかってきた相手に、抵抗するも無力な自分。
意思に反しても、超えられない性差や個人差があるというやるせなさを感じた。
その事実がただ悔しくて、女性だからを理由に負けたくないと言う意地が生まれた。

その結果、しんどいと言うのが苦手な、強がりな性格になった。
生理周期にも関連して訪れる"墜落"を、どう回避するかが大きなテーマになった。
弱っている時、墜落しているときに、いったい誰に頼ればいいんだ?
友人か?親か?彼氏か?
近しい人にこそ頼りづらい場合、どうしたらいい?

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どのように、悔しさと共存できるように向かったか

そんな私を明るく癒してくれたのは、
地域の活動を通して出会った先輩女性たちだった。
少し遠い関係の、でもばったり出会える位の近くのお姉さん達になら、
悩み事をポツリと吐くことができた。

日々感じる小さな違和感を共感してくれたり、
「そんなものクソだ!」と笑い飛ばしたり。
墜落する自分とも、うまく付き合ってみようかなと思えるようになった。

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では改めて。なぜ、一見「女性」をウリにするようなスナック業界に飛び込むのか

まもなく閉店時間のスナックに
女性が一人、ふらっと来店することがある。

閉店後、片付け作業をする自分に
「〇〇ちゃんと秘密の話をするから、今日はもう帰って大丈夫よ」
とママは優しく言う。

弱音を吐くことが苦手な自分は、そんなハンサムな女性性・母性に救われてきた。
そして、性に関して「納得できなさ」を抱えている人や
同じく墜落に拘泥する同世代女子にたくさん会ってきた。

「ママ」が、"ハンサムな母性"を持っている女性像としてイメージしやすいこと。
そんなスナックが全国にコンビニの数より多くあり、しかし同時に衰退産業である業界の状況。
既存のスナックの形をベースにしながら、新しい文化を紡ぐこと
「墜落しても頼れる場所がすぐ近くにある」という
自分の願いを叶えられるのではないかと考えた。

誰に頼ればいいかわからない夜の
近場のお姉さんでありたい。すぐ近くの場所でありたい。
今度は私が。

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