夜涼み

 足首に絡む銀の砂の

 上澄みのぬくもりと
 底のほうの冷たさに

 そっと目を伏せれば

 丘の下のほうで
 うつむくひまわりが

 月影を浴びて燃えていて

 逃げゆく虫の声が
 肺へともぐり込んでくる

 風は冷たく生ぬるく

 仰向けば
 星々の青い息が

 ふくらんではしぼんで

 ふっと振り返れば
 背後を流れる細い川の

 白くて澄んだきらめきが

 のどを深く鳴らしながら
 手招きしてた

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