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カブトムシと

お友だちに誘ってもらい、早朝カブトムシ採りに行った。子どもたちはうきうきである。
詳しいお母さんのおかげでそれぞれ捕まえることができ、我が家にはオスとメスが1匹ずつやってきた。
子どもの頃は平気だったのに、大人になったらなんとなく苦手になってしまった虫。
それでも、飼い方を調べて環境を整えてやり、娘がつけた名前で呼ぶと可愛く見えてきた。毎日母娘で世話をしている。

そんな折、ついに我が家に出たのだ、通称Gが。
1匹いたら50匹いると思え、というあの虫が。
(苦手な方はお読みにならないでくださいね。)


そら恐ろしくなって、潜んでいる個体がさまよいでてきて一掃できると話題の薬を使用した。

結局1匹しか出てこず、「1匹がたまたま迷い込んだだけで家の中にはもういない」ということを夫婦閣議決定した。


さまよいでてきた1匹を処理しながら、一方ではカブトムシを甲斐甲斐しく世話しているわけで、私は自分を、なんて勝手な生き物なんだろうと思った。

害虫、特に不快害虫と呼ばれるものと、飼育され可愛がられる虫との間に、一体どんな線が引かれるのだろう。


その答えを求めに、母ちゃんは『歎異抄をひらく』を開いた。


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