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アパレル産業とSDGs


地球環境に負の影響を与えている産業を、その影響の大きさ順に並べると、アパレル産業は石油産業の下、上位から2番目になるという。

この数字は、とてもショッキングなものであった。

しかしそれだけではない。

世界の二酸化炭素排出量の10%はアパレル産業からきており、なおかつ年間930億㎥の水を消費しているという。それはそれぞれ、国際線航空便と海運が排出する二酸化炭素量よりも多く、500万人の人々の生活に必要な水の量と同等の水準である。


2020年3月、国連がファッション業界にこう警告をした。

「ジーンズ1本の綿花栽培で 飲み水10年分を失う。」


しかしながら、アパレル産業が与える社会への影響は環境だけではない。

強制労働に関与している産業というランキングにおいても、アパレルは2位に位置するという。(1位はノートパソコンや携帯電話といったIT通信機器産業)

このような強制労働を強いられた労働者たちは低賃金かつ劣悪な労働環境で働いている。


近年、確かにファッション製品の供給量は格段に増え、価格は大きく下がった。その皺寄せがどこへ行ったか。それは、生産者たちだった。

実際にTシャツ1枚の売り上げから得られる利益を分解してみると、その59%は小売店が得ており、12%はブランド、そしてその生産者たちはたったの0.6%分しか享受していないという。


何がこのようなおかしな構造を作り上げたのか。何がそうさせているのか。

この問題は考え続けていかなければならないテーマだと思った。

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