ちる

都内大学1年生/エッセイ(恋愛、生きづらさ)

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都内大学1年生/エッセイ(恋愛、生きづらさ)

最近の記事

「レコードにはA面とB面がある」

私はこれまで家族からも友達からも、情緒が安定しているとか冷静とかそういことを言われてきた。 実際はといえば、混乱しやすくて、不安を感じやすくて、安定しない。だからイレギュラーの出来事があると直ぐに、脳内の司令塔がエマージェンシーモード!と警報を鳴らす。指示は早いくせに対応はイマイチ。早いだけで的確ではないみたい。 私はこれまで家族からも友達からも、あなたは自信があって人前に出るのが好きだよねと言われてきた。 実際はといえば、自信なんてない。常に人の顔を疑うし、相手が怒ってい

    • 別れ際、地下鉄の改札で

      別れ際、私は貴方と、すぐに別れられない。 改札の前でつい、帰りくないと言ってしまう。 貴方も別れるのが名残惜しいと思っていてくれたらいいのに。 人混みや、地下鉄の小さな改札の前で、ぶつかるよと腕を引いてくれるあなた。 私の知らない世界を知っている貴方。 自分は何か与えられているだろうかと少し不安になるから、この改札を通ったら二人のつながりがぷつりと離れていくような気がしてしまう。 またねというのはこれで最後になってしまうかもしれないなんて考えるから、言えない。 別れ際、後ろ

      • 心を開くということ

        自分に呪いをかけてしまうことって誰にでもあると思う。 私の呪いは「トラブルの原因になるから感情的になってはいけない」だったり「男の人には気を使う」だったりした。それは、ある日突然そうなったのではなくて、徐々に、長い年月をかけて私の心を凍らせた。 私にとっての長い長い冬であり、それが終わるのは19歳の11月だ。 原因は私の幼少期の家庭環境にあると考えられる。 父の存在 私の父は飲食店を経営していた。私の前には経営者として責任を背負って生きる父の姿があり、幼いながら、その状

        • 「苦労しない容姿に生まれた事を親に感謝しなさい」

          「貴方は苦労しない顔に生まれて良かったね。その事を親に感謝しなよ」 バイト先、オーナーとの雑談の中で言われた言葉である。彼は非常に強いルッキズムの中で生きている。おりに触れて私の容器を褒め、美しい見た目である事の重要性を語る様な人だ。 これだけ聞いたら嫌悪感や否定的な意見を持つ人が多い、いや、大半がそうなのでは無いだろうかと思う。しかし私は彼に対して人間としての興味深さを感じる。 何故なら彼は、これ迄女性ばかりの職場で生きてきたそうで、そのせいもあってか感性や趣味嗜好が限り

        「レコードにはA面とB面がある」

          大学生って思ったより孤独だし上手くいかない。

          昨日から気分が最悪だった。 大好きなYouTuberさんがお空に行ってしまって、大学でやっと出来た友達とも喧嘩し絶交、26連勤のバイト。 こんなにも自分の傍から人が離れていくのを実感したことは無い。大学に入学してから引っ越してきた9畳の狭い部屋、さらにはその隅に置かれた小さなベッドの上だけが私の安全領域だった。そこでさえも私は1人きりだった。孤独だった。26日間も、尊敬していた発信者が亡くなっても、友達と大喧嘩してしまっても、誰にもつらいと言えなかった。今の私は、家族もそば

          大学生って思ったより孤独だし上手くいかない。