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”ああこれだ、とわたしは思った。わたしは自分が悪くないときに母に自分を信じてほしいだけではなかった。たとえ悪いことをしたときでも、自分に味方してほしかったのだ” 

(ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引書』より「沈黙」、岸本佐知子訳、講談社、2019年)

 ある人はこう打ち明けてくれました。
「ごめんなさい」と言えないのは
「ごめんね」と言ってもらえてこなかったから
「ありがとう」と言えないのは
「ありがとう」とひとこと褒めてほしかったから

素直になれない自分にふと
それはあの頃、素直が怖かったからと気づく
「大丈夫。大丈夫だよ」と
教えてほしかった
守ってほしかった、と。

C²-Wave 六本木けやき坂ウェブサイト
こころの道草だより(’15~'21ブログ連載)

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