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事業会社を始めて、そして閉めた話(その5)後で知る出向元の意向など。

続きです。

ちょっと脱線。

前回の「2代目社長は敗戦処理内閣だった」という話ですが、どこで聞いたかというと、すったもんだして出向元に戻って、登記上閉める前後だったか、元社員ということで、説明の場に呼ばれました。

そしたら個社の大番頭さんが、ニコニコしながら語りかけてくる。

「いやーあの会社はね、大変だったんだよ、金遣いがひどくて!Kを送っていくら抑えさせても何かしようとして。これで漸く。。。」

Kというのは2代目社長。もう私瞬間湯沸かしです。

「どう大変だったのか知らねえが、初代社長の乱脈な金遣いと垂れ流しのツケをこちらも必死で凌いで、実際に苦しんで、しゃがみ切ってしゃがみ切って、黒転して、かつ投資のかからないピボットを懸命に目論んで、流血を止めて黒転して、穏便に事業閉塞した当人に向かってニコニコ笑いながらお前は言ってるのかーっ!?」

と、言いたくなりました(笑

もちろん、その大番頭さんから見れば、私の事は、経営事情もわからず会社の一部をオペレートして戻った社員くらいに思っていて、実はこうなんだよ、と優しく話しかけてくれたに違いないんです。

大事な所ですが、

大会社の人間てのは、意志を持ってるように振る舞えるのは、内部合意された人材のみです。目の前の役なし社員が勝手に関連会社の流血阻止、サバイバルに飛び回ってそれなりにやっていたとはとても思わない。判りますかね。私が会社の主体的意思であったなんてのは、彼にとってアカウンタブルでない。

また、同席している出向元の管理系出身の大ボス、社長が、出向先の初代無駄遣い社長を天敵だと思っていたので、くっついて歩いている身としては耳障りのいい事も言ったりして、という面もあるだろうと、すぐ理解はしたんですが、まあ、痺れましたね。。。

ここでバーンと立ち上がって、上のセリフを私がそのまま叫んで、社長が、「Kたろうとか言ったな、黙れ!それが経営だ!一出向者の身で出過ぎた真似をするな!出向元の意向に反する等、利益相反だ!」とか言えば、企業ドラマですね(笑

もはや怒る気力もなく、脱力感と、そして少し笑いが出た。もう閉めた後でしたし。

K社長も、いい人ではあったんですよ。酔っぱらうと、大変なんだよお~Kたろう~と良く絡んできた。会社が安楽死方向なのを気取られず、かつ止めろとも言えず、お前の努力はいずれ無駄になるとも言えずと。

損な役回りであったのだろうと。今は思います。

彼は社長退任後早期退職に応募して、ウチの社長をやっていたという事で、あろうことかCP、権利者さんの海外事業関連部署に潜り込んだ。そこは出向元の管理畑のトップマネジメントがやはり出向していて、統制やコンプラのテコ入れをしていたので、頼ったんでしょう。人生わからないものです。

もとい、会社閉めるというのはもちろんこれでは済まない。
お客さんと、そして社員さんがいる。

でも長くなるのでまた次回。

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