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事業会社を始めて、そして閉めた話(その3)止血など

続きです。

会社の内情は、前回の様な体たらくでして、とにかくアセットライト。流血を止める流れは必定。

家賃の保証金が要らない株主の有給施設のオフィス使用を株主にお願いをして周りそこに移る。累損解消などが見えないのに増資もない。移設費用はかかるんですが、下に書いたシステム側のアセットライトと同時に進めると、半年後にはリクープ。

いよいよになると、保証金は砂漠の行軍中に意外にたっぷりある真水発見みたいな(笑)すごく大事なんですよ。

最後の最後は倉庫的な窓なしオフィスでしたね。

一方、初期に社長周辺のツテの会社に作られてしまった銀行システム的な構成のアナクロ垂れ流しシステム。これが困る。

契約社員の努力で仮想サーバーなどでガンガン作り変え小さくまとめて、固定費下げて行った。関連サービスとの接続料も固定費ですから、なるべく見直しのお願いをして、要らないサービスを削っていく。

今で言えば、全銀システムから一気にフィンテックにという感じでしょうか。名の知れた会社にゾロゾロスーツで十人くらい来て構築されるシステムから、ハッカーと高専の兄ちゃん2人で、外部I/Fとクオリティ、セキュリティだけ守って、クラウド前提で一気に作り変える様な感じで、結構面白かった。

家計と似てます。ローン借り換え、スマホとか、固定費の見直し、保険のオプション削る、止めるなど。

脱線しますが、10年は前だったかと思いますが、まだ日本はサービス、そのPFを自前でという機運があった。ある日テレビで、発電所近くの砂漠にガンガンコンテナ型ラジエータ付きサーバーが積まれて増設されていくのを見て、ふっと想像ついちゃったんですよね。後のGAFAの規模というものが。これはしばらく人の直近でしか物事起こせないなと。

脱線終わり。

戻りますと、増資案件はオープンにはとても出来ないので、現株主、パートナー、今事業的に参加している、もしくはしようとしている企業に出資増資や、別のライセンスなどの纏まった費用化の形などで頼むのが第一になります。合弁バランスが崩れかねないので、結構難しい調整になる。

この辺の経営努力ですね。

事業側は、欠員は補充せず、業務の効率化を進めてマルチタスク化。とはいえショップの運営などはルーティン業務が殆どなので、業務のテンプレをこさえてあげればなんとかなる。

最後まで残ってくれている人は横目で仕事見ていて、気心も知れてますから、きっちり良い給料を支払っておけば十分対応化。取りこぼしのないサービスの運用を心がける。ショップのやってる感を出しつつ、確固たる大会社サービスのクオリティでに運営する。

で、自社ブランドのコピー運用で、別ブランドの受託を目論む。これも一旦取りやめ寸前の痺れる展開があった。

大資本が優れたハードスペックで、設計注ぎ込んでUX仕様が実現できない。危うく彼らが購入済みのウン十万台の部材をそのまま廃棄して中止になりそうになり、先方の統括から珍しくヘルプのメールが入りました。

こちらも取れないと会社の寿命が何年も縮む。考え詰めて、自分がサービス仕様を切った際の事を思い出して、ある一つのコンテンツ表示ルールを提示して見た。本論でないので触れませんが、それでGOとなった。

結果、アセットライトで軽くなったシステムで収益が倍になるわけです。

事業努力ですね。

この、経営、事業努力でなんとか経常は黒転。手応えありましたよ。その一部を担わせて貰って、今につながる貴重な経験となっています。ここで終えればめでたしめでたし。

しかしながら、企業の運営というのはそう甘くはない訳ですね。

初期の乱脈経営で資金が減り、最早肝心の”中期的投資”ができない。

経営でいくらしゃがんでも次の端末のPFの開発ができる余剰資金はひねり出せない。株主側も開発力もなく、いいソリューションあったら使わせてよという頼りないモード。むしろみなさん経営悪化で余裕がない。

つまり、自らがユーザーベースを大きく増やすことは出来ない=将来が無い状態に陥った。さあどうするか。

長くなるのでこの辺で。続きます。

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