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営業や、相手との信頼関係について。

 これまで書いてきた中で、色々と思い出す事がありまして、特に営業的なコミュニケーションとそれに関わる信頼について思うところがありました。

(下書きに近いまま上げてしまい、修正しました。やはり見直さないと駄目ですね。。。)

例えば業界同士の握りがあったり、世の中や官製アジェンダになっている様な案件は取り合いになるものですが、皆拾わない、無理筋の命令、自分で解決、飛び込みに近いという様な3K案件がありますよね(笑

大抵、物事スケールで見られてそうなっているので、あんまり後者が大逆転的な事も少ないのですが、その可能性もあるし、実は後者には大変な面白みがあり、社内椅子取りゲームと関係なく自分の自力になっていく要素があります。

その後者のお話です。

◆ ◆ ◆

 本来殆どの営業的コミュニケーションてのは、「我々こういう目論見があるんですが、そちらとこういうお取引検討できませんか?」ってものだと思います。こうしたいんですが、そちらのお力、知恵でお助け願えないか、だと思うんです。

個人に物を売る場合だって、「うちの会社はこうした商売ですが、この様な利便性、この様な新しい可能性を加える、もしくは、リスク排除ができるものを用意しています。ご入用はありませんか?おいくらが基本で、色々ご要望にお答えできますよ」という事で、取引な訳です。

ただ「成績を上げてこい!」な営業をすると、定型のコミュニケーションになるし歩留まりも悪い。一方的な話をしてしまう事になりますね。トークの中に「こうなっております」的な物が多いと、本当になってますか?うちは違いますよ?と返したくなる。

私も、往々にして目標が先にあって、上に言われて話しにいって、突っ返されて、アホじゃないの?と思われる事は若い頃よくありまして、実際よく見る光景かと。

 その昔、わざわざサンノゼの周辺にあるベンチャー街の企業にいきなり文字通りに売り込まされに行って、「向こうからすると、プロモーション協力にしか見えず、ライセンスの使用権をカードに出来ないよなあ。無理筋だ。。。」と思いつつ、かつクソ英語、かつ対応力もなく、それだったら金寄越せと言われて、這々の体で逃げ帰った挙句怒られるなど散々の経験をした事があり、最高度にダメな営業として心が今も痛いです(笑

 若い頃そんな風によく散華して来ましたので、社内でいつもの様に絵餅が書かれて、ある業界に「これをやらせろ」見たいな考えの浅い業務命令が降りたりした際は、対応をいくつか考える訳です。

A. 完全に無理筋な場合、散華前提で、上司を連れて行って現実を見せる(笑

 →会社としてさっさと散華させる(笑)特に上司が内勤だと、現場のinputが鮮烈で、そうである程社内で、後に無理筋説のスポークスマンとなってくれる場合もある。そうすると、社内で一段上のサポートが得られるきっかけにもなる。一方、相手先とはその場の交渉の意味合いをはっきりさせておいて、綺麗に締めると後に繋がります。

B.相手先に変化を求めている人を見つける。若干外様だったりとか、その企業の中で、少しアピールが必要で、自分等のカードでそれができそうだとか。

→業界の中での位置の見極めが非常に重要で、そのバランスにより難しいのですが、入口を変えて、ゴール”に近い大所へのリーチにつながるポイント”を積み上げて行く。限定的にエクスペリメントを一度やって業界に周知させ、それを起点に営業、お声がけをしてゆくなど。

難しいのは、リーチしやすいからといって完全外様だと、「あそこに最初に行ったんだー」と逆に何をやっても業界に相手にされないという事が起こる。これは実は割とリスク。

C.ターゲットと関連する業界に、利害一致する人を探して、外部からの業界との付き合い方を学ぶ。

→アプローチが時期尚早な場合に有効です。保険の営業が、同じエリアの運用商品の営業に商圏事情を聞くのは良いですよね。そこで目標業界の人のマインドセットや利害をしっかり把握しておく。CからBに行くのがいいですね。

ま、こう言った戦術の繰り返し組み合わせで、手持ちのカードや、お願いしたい事を少しづつ変更して言ったり、社内でプロセスの変化を承認してもらったりして行く事で、道が大抵は見えてきたものです。

 最初から営業、商談が起こると思われている物は、アプローチ段階であまりこうした苦労はない。でもこういう仕事をやっていて何よりいいのは、社外にたくさんタッチポイントが出来る。これが後々本当に役に立つんです。

意外な縁というのもあって、それによって、別の案件で、絶対無理だと思っていた人に、固定観念抜きで話を聞いてもらえる機会になったりします。

この辺、営業畑の方には釈迦に説法で当たり前だと思うんですけど、もし今若い方で、営業的コミュニケーションで苦しんでいて、上に書いた様な事を考えた事がなければ、少し考えて見ると良いかもしれません。

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 前提として、自分の持っているカードを知悉していないと交渉になりませんし、クロージング以降の付き合いも想定しておく事、権限も事前にある程度確認をしておく等は常識ですね。Tips的には、一緒に動く人と、ポジショントークと、俯瞰して喋る役などフォーメーションを分担したりするのもいいですね。交渉に応じて、バランスを変えていくなど。

 でも一つ、これら以上にとっても大事だと感じていることがあるんです。

昔西海岸の映画スタジオに行った際、清掃の人から、トップまで、とにかくみんなとってもフランクでポライトなんで驚いたんですが、こういう話を聞きました。

「この業界ってのは、いつ誰が何で当たるかわからない。それこそあの掃除やってるにいちゃんが、実は脚本を志していて、それが大作に使われて、明日大成功するかもしれないと。そんな事しょっちゅうあるんだと。もし冷たくあしらっていたら。。。」

これ、同じなんですどの世界でも。わかりますよね。邪険に扱った人が、違う会社で要職につくことだってある。

一方、良いコミュニケーションを取っていた人が、そうなると素晴らしい訳です。

そしてそこでも、話が早くなる事にウフフと感謝しつつも、過剰なリクエストをする事なく、これまでの信頼関係をベースにやって行くのが大事です。そうすると鉄壁の信頼になっていく。お付き合いして15年、信頼と実績の。。。という関係になる。

むしろ社内が身内感でグチャグチャでも(笑)外では皆、裏表なく信頼、信用のベースでやって行く。これとても大事な事です。

細かなマナーなどありますよね。そういった事はそれはそれであるんですが、どっちかというと妙に下手に出る、ボロがでない様に整えている人を見ると私はあまり信頼しません。お互い様の関係ができる、つまり信頼関係を構築できる人は、その様に近づいて来ないからです。

あなたとこの様にお付き合いしたい、ということがハッキリ見えるということは、営業が判りやすいという事でもあり、大抵は気を使うというより、営業=取引の意向を持ち、ビジネスマナーを守りつつ、むしろ対等でオープンなアプローチにどんどん近づいていくはずです。

これは、個人力としても言える話であるんですが、企業に勤めているなら、会社の信用を使って(消尽して)営業するか、営業で信用をむしろ上げていくかの違い、という事でもあるのです。後者は、企業としても評価をしてゆくわけです。

本日はこの辺で。

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