未経験から編集者になって思ったこと
未経験から編集の世界にはいって、はや1年が経とうとしています。「書く」ということへの疑問が、ちょっとずつ晴れてきているこの頃です。
そんな疑問のなんこかを書いてみたいと思います。
まずはじめに編集の世界に入って思ったのは、
「ああ! ぽいことをすればいいのね!」
という発見。ある冊子のタイトル付けをしている時に、自分がつくったタイトルがあまりにも面白くなさすぎて、上司に修正された時に、「ああこれって、よく雑誌でみる言い回しだな」と気づき、オリジナリティなんてみんな持っていないのだとわかったのです。
何かを作っている人は、ゼロからそれを苦心して絞り出しているように見えますが、実はそうではなく、制作物の背景にはたくさんの参考作品が隠れている。なので、だれかの真似をしている作風のようで辛いとか、オリジナリティがなくて情けないとかは思わなくていいんじゃないかな、とスッキリしました。
もう一個は、書けない=自分の意見がクリアになっていない、ということ。
ずっと自分はなぜ書けないのか、に苦しんでいたのですが、それは自分の意見を言語化できていないからだと、原稿をスラスラ書いている先輩をみて気づきました。
自分の意見を持っていないのではなく、あくまで言語化できていない。
なんだそんなことか、と思う人もいるかもしれないけれど、自分の思っていることを人にしっかり伝わるぐらいに言語化することは、なかなか一筋縄ではいかないものです。
例えばよく「なんとなく」という言葉を使っていないでしょうか?
「なんか好き」「なんとなくいいなと思った」
なんとなくをパシッと明快な言葉で表現できている人の文は、読んでいるこちら側も「そうそう!それが言いたかったんだよ!」と爽快な気分になる文章です。
多くの時間をかけて思考を整理してくれた筆者がいるからこそ、爽快な文章を読むことができる。編集の世界に入ってみて、文章を書ける人がいかに「考えること」に時間を使っているのかを痛感しました。
だから、自分には文章なんて書けないと諦めるのではなく、まずは自分とゆっくりお話してみることに時間をかけてみるのが、よいと思ったのです。
だれかの制作物にあふれた現代で、ほんの数分でもいいから、スマホから目を上げて自分と対話をしてみる。もやもやに「どうして?」を問いかけ続けてみる。そんな時間を大切に持つことが「書ける」という状態に近づいていくのかな、と編集歴1年目の私は思うのでした。
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