まだ見ぬケンジ【0/2】あらすじ
こちらは創作大賞応募用のあらすじです。ネタバレを含みますので、読者の方は読まないでください。面白くなくなります。これを読まずに
まだ見ぬケンジ【1/2】前編 からお読みください。
(あらすじ)
IT企業の営業である中川喜代美は三十二歳の独身女性。最近、夢で自分の息子とよく会う。なぜか名前がケンジということがわかっている。ある日、ついにケンジは喜代美の会社に三歳児の姿で現れた。喜代美以外には誰にも見えないらしい。さらに、休日の美術館では喜代美と同い年のケンジと会う。彼はいろいろな年齢の姿で喜代美に会いに来ると告げた。未来から来ているのは確かのようだ。喜代美の会社には、彼女に想いを寄せる同僚の陣内と、その上司の村山がいた。喜代美は陣内の誘いにのって食事に行ったりするが、どうもしっくりこない。反面、文化的な趣味を持つ村山には惹かれるところがあった。
ケンジは小学生、高校生、新入社員、ベテラン管理職、初老といろいろな姿で喜代美の前に現れた。喜代美より若い時には彼女から教えを受け、年長の時は逆にアドバイスをするのである。村山との仲が深まったある日、ついにケンジは死期を迎えた姿を喜代美に見せた。喜代美は、ケンジが自分の前に現れた理由を想像する。自分はケンジを産んでまもなくこの世を去るのかもしれない。今と変わらぬ年格好の自分がケンジの記憶に焼き付いている。
彼は母だったらどうするか?どう言うか?と自分の人生の各局面で喜代美のことを思い続けてきたのだと、喜代美は思った。自分が生きているこの世界は、ケンジの夢、想像の中に存在しているのかもしれないと。だが、ケンジの死を見た後でも、喜代美が消えるわけではなかった。
村山の自宅を訪ねた喜代美は、そこで思いもよらぬ人物と会うことになるのだった。
(この続きは)
まだ見ぬケンジ【1/2】前編
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