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【資料全公開】「女性として働くということ」を皆で考える。LGBTQ+ support WOMEN イベントレポート

こんにちは。freee DEI leadのmioです。2024年6月20日に「LGBTQ+ Support WOMEN 『女性として働くということ』というテーマでfreeeとUZABASEさん、mercariさんとイベントを実施しました。
LGBTQ+コミュニティから、普段allyを表明してくれる女性たちをサポートしたいという趣旨の本イベントには84名の参加者にご参加いただきました。イベントの様子を「あえて共有」します。

WOMEN support LGBTQ+ではなくて、LGBTQ+ support WOMEN。

プライド月間だった6月に開催するイベントなので、LGBTQ+女性サポートするという文脈に違和感を覚えた方もいるかも知れません。
今回のイベントは、「Lesbians and Gays Support the Miners」と言う社会運動から着想を得ています。

Lesbians and Gays Support the Miners(LGSM)とは?
当時サッチャー政権下で起きた1984年から1985年の炭鉱ストライキの際に炭鉱労働者の家族に金銭支援を行ったムーブメントのこと。炭鉱労働者が虐げられる現状は同性愛者と同じだと訴え、支援組織「炭鉱夫支援同性愛者の会」(LGSM) の旗揚げを提案し、独自のやり方で集金し、金銭支援を行った活動です。
- 参考映画:『パレードへようこそ』https://www.cetera.co.jp/pride/ 

奇しくもちょうど6月は、ジェンダーギャップ指数(Global Gender Gap Index)のレポートが、毎年発表されています。今年も2024年のレポートが6月12日に世界経済フォーラム​ (World Economic Forum)から発表されました​。

6月12日発表のジェンダーギャップ指数では、日本は118位。政治分野がやや改善(138位▶113位)したものの、経済分野はほぼ変わらず(123位▶120位)主要国と比べると管理職に占める女性の少なさや、男性との賃金格差が大きい点などが目立ち、状況は依然として改善していません。

現代日本において、多くの女性たちがLGBTQ+ ally(アライ:マイノリティの方々への理解や支援の意思を表明する人)として活動をし、勇気づけてくれています。今回はLGBTQ+側が、これまで女性たちから受けたサポートへの感謝、そしてLGBTQ+と同じく、労働環境においてマイノリティに置かれながらも困難に立ち向かってきた「働く女性」たちへの敬意を込めて、「働く女性」について考えるイベントを開催したい、と企画しました。

男性と女性という対立構造にせず、なぜジェンダーギャップが生まれるのか、という視点で実際にトランスジェンダーとして男女どちらの立場としても社会経験があるメンバーをパネルに交えて話すことで、「女性として働く」というテーマに向き合いました。

イベントの概要

女性たちが直面する課題について、生きていく上でも、働く上でも、企業や個人がどのようにこれらの課題に向き合い、よりインクルーシブな環境を作り出すことができるかを皆で考えるイベントでした。
基調講演に弁護士の立石結夏さん、パネルディスカッションにfreee/UZABASE/mercariの各社で働く女性たちが登壇し、多様な視点からの意見が交わされました。

基調講演:「働くわたしの最適解 - すべてのジェンダーの人に送る、ワークライフハック-」弁護士 立石結夏さん
プロフィール:
2011年弁護士登録。新八重洲法律事務所所属、企業・金融法務に従事。
第一東京弁護士会・司法研究委員会LGBT部会部会長、
性の多様性理解促進PT座長、NPO法人東京レインボープライド監事。
ライフワークとして、あらゆるジェンダーに向けた
「ルッキズムと法」の執筆、講演活動を行う。
2019年より、働く親子のコミュニティを主宰し、
こどもたちの非認知能力を伸ばす数種類のスクールを運営している。
共著に「詳解LGBT企業法務」(青林書院)、
「岩波ブックレット トランスジェンダーと性別変更」(岩波書店)、ほか多数。

立石さんからは、「働くわたしの最適解 - すべてのジェンダーの人に送る、ワークライフハック-」というテーマで、女性が置かれている現状から、わたしたちの仕事と人生の話をしていただきました。
自分らしく生きていくうえでのワークライフハックに、励まされた方も多くいらっしゃったようです。

freeeのasobibaで弁護士の立石結夏さんが登壇する様子。観客の背中と演題に立つ立石さん、スクリーンには登壇資料が投影されている
立石さんが登壇する様子

参加企業3社の「働きやすい環境づくり」の取り組み紹介の後は、パネルディスカッションに。

パネルディスカッション登壇者紹介資料。各登壇者の名前と所属企業、呼び名が書かれており、slide全体にピンクと水色の紙吹雪が舞っていて、右上にレインボーのハートの風船、左下にfreeeのレインボーロゴが写っている。登壇者は左からmio/hirochan/Laura/Vicky/立石さん
パネルディスカッション登壇者

パネルディスカッションでは、トランスジェンダーの当事者メンバーや複数の国や文化的背景を持つメンバーを含めて、日本での女性と男性のコミュニケーションの違いや、イギリスやフランスとの違い、女性と男性の生き方はどのように違うのか?など、様々な角度から、皆の体験談を元に、「女性として働く」というテーマでの意見をお伺いしました。

登壇風景を上手から撮影している様子。登壇者5名が並んでおり、Vickyが話している。
イベント中のワンシーン

女性同士/男性同士のコミュニケーションの違いでは、特徴的な男性同士のコミュニケーションを事例として紹介し、女性特有のコミュニケーションに慣れるために学習していったエピソードを紹介してくれました。

また、女性としての生き方の話では、トランス女性として、「メイクや服装など、(男性と見られないようにするために)誰よりも女性らしくいなければ女性として認識されないのではないかと思う」というエピソードをお伺いし、私たち女性が「女性として」の身だしなみを整えなくてはと感じる感覚を更に厳しくしたような覚悟を感じました。「女性として存在するって大変だよね」と共感を覚えつつ、トランスジェンダーの生きづらさの一端を知りました。

さらに、フランスやイギリスと日本で、女性の働くことに対する感覚に差があることや、同じ日本であっても世代間で感覚が異なるエピソードも共有いただき、文化や前提の差にうなずくことも…

私もモデレーターとして参加しましたが、登壇者の背景が皆違うので、出てくるエピソードも目からウロコのようなエピソードばかりでした。
会場からも質問を募り、その場で答えていただくなど、普段はなかなか聞けない、ジェンダーについての様々な意見が交わされました。

パネルディスカッション中の風景。観客の背と演台、ステージが写っている。パネルディスカッション登壇者が5名話している様子。スクリーンには「イギリスとフランスと日本「働く女性/男性」を取り巻く環境はどうのように違いますか?」と書かれている。
イベント中のワンシーン

参加者からのアンケートでも、

「最後のトークセッションがとても興味深く面白かったです。」
「講演、パネルを通して一歩踏み込んだ内容の取り扱い(ジェンダーに関する規範の押しつけは女性/男性のどちらをも苦しめることになること)があったことが印象的だった」

という反応を頂き、皆さんが考えるきっかけをご提供出来たのかなと胸をなでおろしました。
最後には、懇親会を開催。登壇者も全員その場に残り、皆が思い思いにイベントを通じての感想や、質問をお互いにし合うなど、歓談も盛り上がりました。

同時開催だった「airCloset ECO SALE」。みんなに特別な体験を。

asobibaのスペースの奥でairClosetさんのファミリーセールが開かれている様子が写っている。
airCloset ECO SALEと各種flagたち

このイベントの会場の奥では、実は当日、月額制ファッションレンタルサービス『airCloset』さんが企画する、レンタル提供を終了したお洋服を販売する「ECO SALE(エコセール)」が行われていました。アパレル製品の廃棄を少しでも減らそうというこのイベントは、freeeでは2回目。スタイリストさんが接客をしてくださり、コーディネートを提案してくださる企画とあって、とても大好評でした。

今回はプライド月間と本イベントの趣旨に合わせて、当日は、LGBTQ+の接客研修を受けたスタイリストさんたちによる接客サービスも提供頂き、参加者はプロフェッショナルなアドバイスを受けながら買い物を楽しむことができました。

ファミリーセールオープン前のスペースにて、airClosetさんのスタイリストさんたちが研修を受けてくださっている様子を移している。衣類のハンガーラックが立ち並んでいる奥にスクリーンが移されていて、「お願い事項:アウティングについて」という説明が書かれているslideが写っている
スタイリストさんたちがLGBTQ+接客研修を受けてくださっている様子

特にトランスジェンダーの方の場合、店員さんに話しかけることや、お店でお洋服を選ぶのはとても勇気がいるという話の共有を受け、ぜひお洋服を安心できる空間で選んでもらいたいと本企画と同時開催を行いました。

とても好評で、airClosetさんからも「また開催したい」と仰っていただけたので、またどこかのタイミングで、開催を予定したいと思います。

まとめ

LGBTQ+ support WOMENという画像と三社のロゴが入った画像が映し出されているスクリーンの前で登壇者5人が並んで立っている様子。左からmio/hirochan/Laura/Vicky/立石さん。
登壇者の皆さんで終了後に写真撮影の様子。みんな無事終わった〜!という顔をしています。

「LGBTQ+ Support WOMEN 『女性として働くということ』」のイベントは、普段サポートされる側であることが多いLGBTQ+コミュニティが、女性へのally(支援者)の姿勢を示すイベントでした。普段支援される側から支援する側に回ることで、イベント参加者の皆さんと一緒に考える機会を持てたのはなかなかない経験でもありました。

当日の運営をお手伝いしてくれたのは、オフカツ「LGBTQ+ allies」や「技術の日」運営、「カルフラ」の精鋭たち。イベント運営は手慣れたもので、みんなの協力のお陰で円滑に会を開催できました。
今後もこのように皆で楽しんで考えられるイベントをまた企画していきたいと思っています。

当日のslideはこちらで公開しております。もしよろしければご覧ください。

freeeは「あえ共freee」というマガジンから、freeeの事業や組織に関する情報を「あえて、共有」しています!ぜひ他の記事も読んでfreeeを知ってくださいね。


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