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エトルタ 引き潮の時だけ見られる景色

満潮時と干潮時の海面が6メートルも違うと、引き潮になったとき水底から色々なものが現れます。昔の牡蛎の養殖場もそのひとつ。

絶壁のアーチに程近い岩場に、こんな明らかな人工物が!
こちらは岩壁の下の隙間を利用した養殖室。中には上の写真と同じようなプールがあります。
鉄の扉がついていた形跡あり。ここも満潮時には完全に水没します。

フランス革命前には、ここで養殖された牡蛎が宮廷に届けられていたそうです。かのマリー・アントワネットがオーナーだった時代もあるんだとか。今ではこれらのプールに牡蛎の姿はなく、ただ藻や海藻が揺らめく中を引き潮に取り残された小魚が泳いでいるのが見られます。

さらに、引き潮の時だけ通り抜けられる洞窟もあります。

絶壁の横っ腹に大きな洞窟が口を開けています。この洞窟は満潮時にも見えていますが、浜辺からここまで歩いて近づけるのは引き潮の時だけです。
この洞窟の岩棚の上(上の写真で人が歩いている所)に、さらに狭い小さな洞穴があり、それを通り抜けて向こう側の浜辺に出ることができます。岩棚はかなりの高さがありますが、写真左奥の暗がりに鉄製の梯子が取り付けられているので登れるようになっています。

洞穴を通り抜けたところにあるビーチ。これは天気の良かった初日に撮影したもの。
向こう側に別のアーチが見えますが、この日はこれ以上先には進みませんでした。
改めて洞穴を通り抜けてビーチに降りたときは、あいにくの曇り空でした。
あの有名な奇岩が目の前に聳え立っています。比較対象がなくて分かりにくいけど、巨岩です。
ビーチを通り抜けて、さらに先にあるアーチの下をくぐります。
岩のアーチ越しに、もと来た方向を振り返ったところ。
もうひとつの岩のアーチも通り向けて、次のビーチに出たところ。
下から見上げる絶壁は、上から眺めるのとはまた違った迫力です。
さらにさらに先にも、別の絶壁が海に突き出しています。以前はあそこまで行けたようですが
今は手前の岩棚に登るための梯子が取り外されていて、これ以上は進めませんでした。
満潮のたびに海水につかるので、梯子が腐食してしまったのでしょう。

この巨岩のアーチを次々とくぐってビーチを散歩するためには、潮の干満の時刻をきちんと調べる必要があります。私たちは干潮時刻(潮位がもっとも低くなる時刻)の30分前ぐらいに洞穴を抜けて、1時間ほど散策していましたが、潮位が戻りつつある頃に洞穴を抜けてしまうと、戻れなくなる恐れもあります。
満潮時にこちら側のビーチに留まっていると、救助の対象になって罰金を科されるそうなので、もし行かれることがあれば気をつけてくださいね。