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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2023年9月の記事一覧

犬は吠えるが……

30年前、1993年9月29日に発売された小沢健二の1stソロアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』は未だに好きなアルバム、というかソロで一番好きな作品ですが、みんながあまりに次の『LIFE』を好きすぎるので、どうにも旗色が悪いアルバムと言えます。今回はそのアルバムの周縁の話で、アルバム自体の話ではありませんし、トルーマン・カポーティの話でもありません……。じゃあ一体何の話なんだよ、というところですが。 ※この記事はあとから読めないように(9月に定額課金してる人しか読めな

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坂本龍一とジョン・ライドンの対談が行われたという自販機本を見る

全然気づいてなかったんですけど、2023年4月にこんなツイートが音楽好きの間で出回ってたようなんですよ。 自販機本『FLYING BODY PRESS』に、坂本龍一とジョン・ライドンの対談が載ってると!? え、マジ? そりゃみんな話題にするよな。最近これについて「ばるぼらさん持ってないですか?」と問い合わせがありました。 えー……そりゃ持ってますけど!?と書庫から引っ張り出してきました。下記はその自販機本の説明とか色々しつつ、対談の解説をします。 『FLYING BOD

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雑談:「陰キャ」がいつ頃から使われてるのかを調べてたら結構古い

すいませんね、こんなのばっかで! オタク以前にオタクみたいなのを指した言葉「ネクラ」について調べていて、そしたらかつての「ネクラ/ネアカ」の現代版が「陰キャ/陽キャ」だとする記述が目に入って、ああ、そういえば陰キャっていつから言われてるんだ、と調べたのが運の尽き。いつ頃だろう、と先に予想してから読んで下さいね。

調査中:「二次創作」の初出を探す

「二次創作」という言葉がオタク文化の中に現れたのはいつか、はなかなか難しい調査です。かつては「アニパロ」「エロパロ」「やおい」などと呼ばれていて、それはアニメキャラを使った漫画同人誌を作る人達の多くは「パロディ」という意識を持っていたからで、しかしそのうちアニメに限らないしパロディとも言いがたい、という作品が増えはじめ、しっくり来る言葉がない……と皆が困っていたところに登場した救世主、それが「二次創作」。 法律上の言葉では「二次的著作物」と言い、創作者の許諾が必要ですが、そ

調査中:メロディック・ハードコア周辺のジャンル名

メロディック・ハードコア(melodic hardcore)。日本では「メロコア」と略され、その4文字はめちゃくちゃ嫌われたジャンル名ですが、はたして原義となる英語の方の言葉はいつ頃からあるのか……は気になっていて、データが色々充実してきたのでもう一回検索くん。初出確定は多分できないのであくまで登場した時期の雰囲気だけで。 「クラストって何? メロコアって何? ハードコアとどう違うの?」というタイトルがついたオムニバス『What Is Crust? What Is Melo

裸のラリーズは70年代後半の時間の流れや都会の風にどんなリズムで戦って来たのか

タイトルに興味をもった人がいたらすいませんが、その疑問に答えるような記事ではありません。なんだよそれ、というところですが、話を追っていきましょう。 『ニューミュージックマガジン』1978年12月号に掲載された、青山ベルコモンズでの裸のラリーズのコンサートレヴューが少し話題になっていました。 この記事の執筆者は音楽評論家の山名昇さん。開演が予定から1時間40分も遅れたことによる最初の悪印象から、水谷孝はギターのアタッチメントの使い方も知らないのかとか、しみったれたフォークソ

蒐集:AMALGAM

注・不完全です。 『AMALGAM アマルガム』は吉祥寺マイナーの店主・佐藤隆史が1978年から発行していたフリーペーパーです(ただし11号と14号は有料)。当初は吉祥寺マイナーに集まる人々に寄稿してもらったりしていたようですが、吉祥寺マイナーが閉店してからは、佐藤が運営する自主制作レーベル「ピナコテカレコード」の広報誌のような体裁になります。今回紹介するのはそちら、ピナコテカに発行が移ってからのもの。 『AMALGAM』#5(1981-03頃)

元ネタ:DEVOの1st

これ、誰なんだろう、と昔から謎だったが、ふと検索したら元ネタなどが解説されたページがいくつもあった。インターネットってすごいですね。何の話って、DEVOの1978年アルバム『Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!』のジャケットに決まってんだろ! ワタシ、最初これメンバーの誰かなのかな?と思ってたんですよ。どうもメンバー写真見ると全然似た人がいなくて「あれ~?」って感じだったんですけども。

雑談:15年ぶりにノスタルジーの話

上記記事を覚えてなかった人は読んでほしいですが、2008年に、この世には「良いノスタルジー」と「悪いノスタルジー」があるんじゃないか……という話を書きました。うまく説明できなかったのですけど、ノスタルジーというのはそんなに悪い感情なのだろうかと不思議だったのです。 あまりにもみんなが「今が一番!」と言うけど、とても今が一番とは思えない、と思っていました。ワタシは過去と未来に興味がある反面、今、目の前にある現実に、まったく興味が持てない性格で、どうしてもこの世を生きている実感

『DOLL』ベスト10

まだ本調子じゃないのだが、ぼちぼち書いていかないとあっという間に時間がすぎてしまう。しかしサラッと書けそうなもの……というと雑誌ネタだ。前に『STUDIO VOICE』で気に入ってる特集をあげる、みたいなのをやったことがありますが、今回は『DOLL』で。 『DOLL』は1980年から2009年まで出ていた音楽誌で、ジャンルとしてはパンク/ハードコア中心でした。前身雑誌『ZOO』は1975年創刊で、そちらはブリティッシュ・ロック、ジャーマン・ロック、グラム・ロックとか、色々と

雑談:コロナにかかりました

ここに書くのが遅かったですが、9/2にコロナがドンと発症したことでnoteの更新が滞っております。一つ前の記事はコロナが酷くなる前に半分以上書いてた記事を、熱が下がってきた&寝すぎて身体が痛い&何もしてなさすぎて漠然とした不安、という理由によりなんとか仕上げてみたもの。 ほんとに熱が39度とかいくんですね。最高記録は39.6でしたが、今は37.0。たまに36.6に下がるけどほっとくと上がる、というところ。

RIP SKV

G.I.S.M.の横山SAKEVIさんが亡くなった、という情報がTwitterを駆け巡っていて、予想していなかったので戸惑いました。最初はデマだと思いつつ、旧友といえそうな立場の人が何人も書いていて、本当なんだろう、と思い始めた時に公式発表があり、なんとも言えない気持ちになりました。 日本のハードコアパンクの代表的バンドとしてG.I.S.M.の評価は定着していますが、自分にとってはG.I.S.M.は音楽ジャケットの「デザイン」で衝撃を受けた体験のかなり初期の事例でした。デザ