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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに…
2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相…
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記事一覧

slowdive『Pygmalion』を視る

slowdive『Pygmalion』は1995-02-06にCreation Recordsからリリースされた彼らの3rdアルバムです。発売された当時は完璧に無視、または「このアルバムを聴いたラジオ局は一曲もオンエアする曲がなく困惑するだろう」と『NME』に酷評が載る程度の扱いでした。翌月、1995-03-27にCreationから出たThe Boo Radleys『Wake me Boo!』がその年のイギリスで最もオンエアされた楽曲になったのと比べて、slowdiveは本

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渋谷系視点で1990年代CD-ROMマガジンをディグりたいがあんまりない

1990年代カルチャーとして忘れられないのがCD-ROMマガジンです。まだインターネットが従量制課金で、大きいサイズのソフトウェアをダウンロードするのに時間がかかって大変だった頃、CD-ROMという大容量メディアの力は大きく、CD-ROMからインストールすれば実質無料じゃん!と、みんなありがたく買い、使っていました。 それ以前はフロッピーが付録のパソコン雑誌がありましたが、所詮収録できる容量は1.4MB程度。CD-ROMの約650MBに敵うわけはないのです。桁が違う! 雑誌

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雑談:未だに知りたい西武渋谷「Be-in」

これ、読んだ? 面白いですね。日本でレコード好きだったら、かなりの人が名前を知ってたはずのレコード屋「CISCO」が、実は創業者がほとんどわからない謎の店だった、というトコから既に面白い。 で、CISCOの話は上記を読んでもらうとして、そのCISCOが最初にオープンした場所、が今回の主題です。「Be-in」。1970年9月、西武百貨店・渋谷店の西武B館地下1階にあった若者向けファッション・フロアの名前です。 ここが、調べても調べてもよくわからん!ので、その「わからん」記録

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雑談:日本最初の音楽批評を読む……読まない

このnoteには「書こうと思ってやめた記事」がめちゃくちゃありまして、今月、書き出したはいいけど話が広がらなくてやめた記事がめちゃくちゃ多いため、更新が減っていてヤバい。ので、一例としてそのボツ記事を短いまま出します。こんなのばっかりある。笑い。更新待ってる人ごめん! どんな物事にも最初の人というのはいまして、ただそれが明らかな場合と明らかじゃない場合がありますね。日本の音楽批評の場合、最初はこれだろ、というのが言われてたのがあります。福地桜痴じゃなくてね。

エレクトロニカ再入門

電子音響レーベル「Mille Plateaux」の創始者・Achim Szepanskiが亡くなったとのこと。 この話をしたら、「ああ、昔エレクトロニカってありましたね」的なニュアンスで言われ、この辺ってしばらく聴かれてなかった気がするなーでも最近中古は高くなってるんだよなーという気分もあり、再評価はそのうち来るだろと思ってるので少し解説。たしかに今から辿ろうとするとよくわからんジャンルかもしれない。 ここで言っている「エレクトロニカ」は狭義のほう、クリック、グリッチ、カ

蒐集:warp MAGAZINE JAPAN/ワープ・マガジン・ジャパン(1996-1997)

このたび『warp MAGAZINE JAPAN』がやっと1990年代のバックナンバー全部揃った!!ので記念に表紙を並べていく更新をします。とりあえず最初の方を。 この雑誌に対する興味は「創刊から2006年3月号までの約10年間ぶん国会図書館に入ってない」という事実から始まり、「グラフィティを取り上げる記事が定期的に載っていたこと」「ストリートカルチャー雑誌として最強だった時代の『Fine』の編集長・大野俊也さんが創刊編集長であること」という点から、多分今読んでも面白いんじ

雑談:小沢健二の歌詞の読み方、「強い気持ち・強い愛」の場合

外付けハードディスクがうんともすんとも動かなくなってしまって、昔のPDFデータが読み込めない状態になっており(バックアップはあるがそれを検索できるようにするのに時間がかかる……)、昔の記事を読みつつ~みたいな更新ができなくて困っている。なのでちょっと違う感じに。歌詞読み編。 「強い気持ち・強い愛」の歌詞は何度聴いてもよくできてるなーといつも思ってるので、今回はそれを少し解説。昔別の場所に書いたことがあるけど、大部分の人は読んでないはずだから……。 そもそも「歌詞がよくでき

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メモ:小沢健二の未収録音源(昔の)

小沢健二の楽曲リストを一度知り合いに頼まれて作ったことがあり、それで更新しようとしたらデータがどっかいってしまった。悔しい。別の内容にしよう。 音楽好きだと「レア音源!」というのに心を奪われることが何度もあると思いますが、ワタシは昔から「音盤になってるか否か」が興味の対象で、ライヴでだけ披露された新曲、とかだと、ちょっと興味が薄いんですよね。レコードでもCDでもなんでもいいけどトラックという形になっているものが好き。妙に好き。 小沢健二はプロモ盤だけの音源というのがいくつ

雑談:個性と独特は別物

「個性的な作品を作りたいんだけど、どうすればいいのか悩んでる」と言う人と会ったので、こんな話をした。 「個性」っていうのは手癖であって、「このパターン見覚えがある!」という感覚が個体認識につながるわけだから、とにかく数を世に出さないと個性も何もないのではないか。「自分らしさ」というのは逆説的に独特さではなくて、単に「自分が好きで毎回やっちゃう表現方法」なんじゃないか。 ただ「独特」というのは一作だけでもわかって、それはこれまで受け手が見てきたものとの比較だから。でもその独

雑談:マルセル・デュシャンの代表作はマルセル・デュシャンの作品ではない、と近年言われている

マルセル・デュシャンといえばコンセプチュアル・アートの創始者であり、現代美術の出発点として、その名が歴史に刻まれています。デュシャンの代表作は日本では「泉」という名前で知られている(本当は「噴水」のほうが意味が近いらしい)、1917年に発表した「Fontaine」です。 どこからどう見ても男性用小便器ですが、既製品(レディメイド)を美術館にアート作品として展示しようとしたことで、「芸術とは何か?」「芸術を芸術として成り立たせているものは何か?」を問い直した意義は大きく、20

Future Listening!以前が気になる

テイ・トウワのアルバムはほぼ毎回買っている程度には好きなんですが、やはり最初のソロアルバム『Future Listening!』は特別な音がするな……といつ聴いても思います。とか言ってたらこのアルバム、今年で30周年じゃないですか! 今回は『Future Listening!』に至る活動を追っていきましょう。

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©ファミリーツリー:真ん中左辺り

久しぶりにコーネリアスパンフレットのロックファミリーツリーの話。もっと解説しようと思ってたのにすっかり忘れてた。笑い。今回はハバナ・エキゾチカ(Havana Exotica)の辺り。バッファロー・ドーターの前身グループとして知られますが、昨今は聴く機会がないかもしれません。 この辺ね!

1973年8月11日はヒップホップの誕生日じゃない

前にtwitterにだらだらと書いてたのを清書。 2023年8月11日に「ヒップホップ50周年!」と盛り上がったのは記憶に新しいです。覚えてますか? 米国副大統領官邸で行われたパーティでは副大統領カマラ・ハリスが「ヒップホップは究極のアメリカのアートフォーム」と発言したほど、アメリカの国力の一つとなりました。 その50年前、つまり誕生日は1973年8月11日ということになります。なんでその日なの?というと、こういう画像がネットに出回ってるからですね。 何かのパーティのフ

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コミティア149で買った本

2024年8月18日(日)に東京ビッグサイトで開催された「コミティア149」に行ってきました。『コミティア魂』を出したことだし、2024年は40周年イヤーでめでたいわけだし、今年は全部行くつもり。148の時と同じ書き出しです。今回も買った本を紹介していこう! 不貞寝『Space』サークル名は「日辻会」になってました。TwitterでサンプルがRTされてきてて気にはなったものの、とくにメモらず。で、会場をぶらぶらしてたらこの表紙のコピー誌が机の上に数冊テキトウに並んでるのが目