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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2020年10月の記事一覧

『ホール・アース・カタログ』概論(2013年『Spectator』29号)

History of the Whole Earth Catalog一九六八年に創刊し、一九六〇年代を代表する出版物となった『Whole Earth Catalog(以下WEC)』をかんたんに説明すれば、本当に役立つ書物や道具やサービスが、入手手段と一緒に掲載されたカタログです。創刊したのはスチュアート・ブランドとその仲間たち。『WEC』の歴史はブランドの経歴を語ることと密接に関係しており、彼の行動が連鎖的に反応して『WEC』につながっていきます。話は前史から始めたほうがいい

伝説のお店、のアフターアワーズ(2009年・?)

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進化する時空旅行本(2016年3月『TRANSIT』31号)

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betweens!/あやしいわーるど(PDF版のみ追加原稿)

「あやしいわーるど」は1996年08月21日にWWW上に登場し、1998年09月03日に閉鎖されたしば氏管理による掲示板の名称である。現在「あやしいわーるど」を冠する無数の掲示板は、別人の管理による後継掲示板であり、その歴史についてはネット上で語り尽くされてるので、ここではどうでもいい部分にだけ触れたい。

ジャンル名の起源:シューゲイザーは誰が最初に言い始めたのか(未解決事件)

前にビジュアル系、ムード・ミュージックについて書きましたが、今回はシューゲイザー。でも先に言っておくと、この記事は未解決です。なのでnoteで定期購読の人が暇つぶしに読むような感じで……。 シューゲイザーとは1980年代後半に英国で生まれたネオ・サイケデリックと呼ばれるロックの潮流に現れたジャンルです。「靴(shoe/シュー)」を「見る(gaze/ゲイズ)」という言葉のとおり、観客ではなく靴を見てる、つまりうつむきながら演奏するバンドのことでしたが、彼らの音楽に共通する、ノ

日本のデザイン関連展覧会年表1907~2016

日本で開催されたデザイン関連の展覧会の年表。何に使ったのか覚えてないんですが、『アイデア』に載せたのかな? 検索できたほうが便利そうなのでウェブに載せます。会期がわからない部分は「?」になっています。ひたすら羅列なので見て面白いのかはわかりません。「★」は個人的に重要そうだなと思ったものにつけている記号で、太字にしました。 1907-10-25~11-30 第1回文部省美術展覧会(文展)@上野元東京勧業博覧会美術館 1909-?-?~?-? 広告図案展覧会@大阪 1910-

バンコクへと誘った言葉(2017年『魅惑のバンコク』)

バックパッカーという言葉が広まる前、リュックを背負って旅する若者たちが「カニ族」と呼ばれていたのをご存知でしょうか? 北海道から沖縄まで、日本の最果てをめざして夏に旅する個人の長期旅行者たちが、1955年頃から登場しはじめ、1960年代後半に現象化したのです。彼らの背負うリュックは横に長く、列車内など細い道を歩くときに横バイで進む姿からそう呼ばれました。 そのカニ族がバックパッカーと名前を変えたのは1976年。元祖アウトドアライターの故・芦沢一洋による書籍『バックパッキング

PDFで公開してるのにびっくりした音楽・デザイン・その他の雑誌〈世界編〉

インターネットにデータを公開しておこう……という発想は、キリスト教によってシェアの精神が普及しているとくにアメリカにおいては、一般的な感覚のようです。信じられないようなデータがポンと置かれているのを見ると、インターネットやっててよかった!と心の底から思います。ここではワタシがダウンロードしまくってきたオンライン公開されている海外文献のうち、一部のURLを共有してみましょう。あ、有料です。知識ってのはそう簡単に手に入るものじゃないのさ……。簡単に手に入る!って紹介する記事だけど

マンガ同人誌、アート系ZINE…… 採算度外視の"自主雑誌"の甘美な世界(『サイゾー』2014年2月号)

二一世紀の自主出版、過去・現在・未来出版不況という言葉も聞き飽き、毎年訪れる電子書籍元年にも慣れてきた編集者/デザイナー/ライターたちが、新たな活路として期待を寄せているのが「自主出版」の世界だ。まぎらわしいが高いお金を出して自分の本を出版社に出してもらう「自費出版」とは違い、日販やトーハンのような大手出版取次を通さず、編集制作、取引、頒布などの作業を自ら主体となって行うのが「自主」という言葉の意味である。 自主出版には同人誌、ミニコミ、ファンジン、インディーマガジン、リト

The Beach Boys / SMILE millennium edition(2011年『HOMEMADE MUSIC 宅録~D.I.Y.ミュージック・ディスクガイド』)

The Beach Boys / SMILE millennium edition Dumb Angel Records / CD / 2000 いつまでも続く録音作業で袋小路に陥り制作は中断、ジャケットの印刷までされながら発売は中止。膨大なフレーズの断片とBrian Wilsonの精神の病だけを残し、60年代を代表する幻のアルバムとして知られることになった『SMiLE』は、2004年にBrianのソロ作品として正式リ

かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろうのかっこいいことってなんだろう

早川義夫のソロアルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』(1969)は音楽よりもそのタイトルのキャッチフレーズ的な求心力によって生き長らえる作品です。内容は装飾のない弾き語りが多く、聞き手にまるで媚びるところのない、独自の抑揚(これが早川のオリジナリティ)による歌唱の数々は、好きな人は好きでしょうし、引っかからない人はまるで引っかからない、聞き手を選ぶものです。唯一、「サルビアの花」は、1971年頃に深夜ラジオ番組「コッキーポップ」で火がつき、1972年にレコード会