お前らのLinkfireの使い方は間違っている
Linkfire使っていますか?Linkfireはいいツールですよね。海外のサービスで、最近では個人のインディーアーティストから、メジャーアーティストまで使われてきています。
しかしみんなが使っているからと、何も考えずに真似して使っている場合多く、それを見ているともったいないなーと思ってしまいます。
自らプロモーションまでしているインディーアーティストやDIYアーティストならともかく、レコード会社に所属していてマーケティング部署が理解していないのはアーティストがかわいそう。
Linkfireとは
Linkfireを簡単に説明すると、デンマークで展開されているサービスで主な機能はリンクまとめと分析です。
音楽サービスへのURLをWEBページにまとめる
音楽サービスへのリンクを1つのWEBページにまとめてくれるサービスです。しかし音楽リンクをまとめることはシステムとしては簡単に作れるので、リンクまとめサービスはとても多く存在してどれもあまり大差はありません。
TurneCoreを使っている人は、LinkCoreは無料なのでお勧めです。
詳細なデータ分析機能
Linkfireが強みとしているのはデータ分析です。上位プランのAdvanced(月額12,000円)を支払えば、詳細な分析できます。
・各SNSやサービスのアクセスやクリック数
・音楽リンクへ訪れた人の国
・使用しているデバイスやOS,ブラウザがわかる
・チャンネルやどこの国から訪れたか
・ストリーミング数
プリアド・プリセーブ機能
プリアド・プリセーブとは、新曲をリリース前にリスナーに音楽アプリに保存してもらい、リリース日からすぐに聞いてもらうことができる機能です。Apple MusicとSpotifyとDezzerが提供していますが、LINE MusicやAWAなどの国産アプリにこの機能はありません。
プリアド・プリセーブを多く獲得するためのに、クーポンコードと非公開URLを賞品として提供するなどの機能があります。
メールアドレス取得とPixel連携
リンクの中にメールアドレスを入力してメールアドレスを取得することができます。リスナーに対して定期的にメルマガを送ったり、ライブやイベントの告知を行ってエンゲージメントを高めることができます。
Pixel連携とはFacebookやTwitterなどのSNSで広告を出稿した際に、どれだけアクセスされたかや、再生されたかを計測することができます。ほとんどのアーティストが広告出稿をしないのでこの機能はあまり使用しません。
使い方が間違ってるのはプリアド・プリセーブ
Linkfireにプリアド・プリセーブの機能があるので、そのままプリアド・プリセーブリンクを追加して、Twitterで「プリアド・プリセーブしてください。」とだけで終わらせているミュージシャンがなんて多いこと。
プリアド・プリセーブの本質を理解しろ
プリアド・プリセーブは事前保存するだけの機能ではないことを、ほとんどのアーティストがわかっていない。
2016年にLaura Marlingが始めたのをきっかけに、海外のインディーアティスと自主制作アーティストが取り入れ、ストリーミングで成功するきかっけを作りました。
ではなぜプリアド・プリセーブで成功できたのか。。。
それには2つあり、1つ目はストリーミングアプリのアルゴリズム(システムの仕組み)にあります。ストリーミングアプリには世界中から1時間に1000曲くらい新曲がアップロードされます。その全てを視聴してプレイリストを作成しているのではありません。
リリースされた新曲のいいね数やお気に入り数、再生数、フォローなどのアクションをAIが判定し、自動でプレイリストに追加される仕組みになっています。その仕組みを利用して、リリースまでにできるだけ多くの人に聞きてもらうために、事前保存するプリセーブを導入したこと。
もう1つが、プリアド・プリセーブしてもらうために、賞品を用意しイベント化し拡散し、リリース日に一気に多くの保存と再生をさせたこと。
これがアルゴリズムにいい、影響を与えDailyやWeeklyランキング・人気のプレイリストに入り注目されアーティストとして成功するきかっけとなりました。
リリースはアーティストが集客できる数少ないチャンス
アーティストが楽曲制作にかける時間は、1カ月から数カ月もかかるのでアルバムだと、年に1から多くて4回程度しかリリースする機会がない。
その機会を「プリアド・プリセーブ登録お願いしますー」ではもったいなすぎる。。。
実際にLinkfireでプリアド・プリセーブを行ったアーティストはわかっているはず、プリアド・プリセーブリンクを追加するだけだと、全然してもらえません。
それは当たり前です。下記を見てください。
出典元:https://c.kodansha.net/news/detail/38338/
ファンマーケティングに関する、グループ一覧です。プリアド・プリセーブする行為は手間がかかります。手間をかけてでもリリース日に新曲を聞きたい人は、「ロイヤルカスタマー」「ヘビーユーザー」です。
そして「ロイヤルカスタマー」「ヘビーユーザー」はプリアド・プリセーブをしなくてもリリース日から新曲を保存して聞いてくれる人です。
つまり、今の日本人アーティストのプリアド・プリセーブは、「コアファンにひと手間させているだけ。」ということになります。
リリースをイベント化してファンに協力してもらえ
プリアド・プリセーブを多く集めるためには、
1.あなたをたまに聞く「継続ユーザー」
2.あなたを知っていてほとんど聞かない「トライアルユーザー」
3.「継続ユーザー」「トライアルユーザー」の周りにいる、「見込み顧客」
4.あなたを知らない潜在顧客
1から4のグループから、多くのプリアド・プリセーブを集める必要があります。
「ロイヤルカスタマー」「ヘビーユーザー」は大好きなアーティストの新曲をみんなに聞いてほしい、知ってほしいという気持ちがあり、多くの人が仲間として、リリースを盛り上げようとしてくれます。
つまりファンと一緒になって、知ってもらう活動をしようということです。
リリースをイベントにすると、Twitterのリツイートやいいねをしてもらいやすくなり、ファンのフォロワーは趣味・属性が近いため、潜在顧客であることが多くロイヤルカスタマーになる可能性が高いです。
またライトなファンの「継続ユーザー」「トライアルユーザー」の人には、賞品を提供してメリットを提供して、プリアド・プリセーブをしてもらいます。
そして「ロイヤルカスタマー」「ヘビーユーザー」になってもらうようにイベントで取得したメールアドレスや、LINEから日常的にコミュニケーションをとって、エンゲージメントを高める努力をしてください。
プリアド・プリセーブに最適なツールの選び方
リリースイベントでのツール選びに必要なポイントは、「プリアド・プリセーブができる」「賞品提供ができる」「拡散させることができる」の3つを重視してください。
これに当てはめるとLinkfireは
「プリアド・プリセーブができる」…〇
「賞品提供ができる」…△
「拡散させることができる」…×
になります。拡散してもらうTwitterを連携させていないと、あなたのファンが1000人だとしても、プリアド・プリセーブが1000を超えることがありません。しかしファンが、リツイートやいいねしてもらうと、フォロワーに拡散され、それを見た人がさらに拡散してくれるという流れを作れるため、1000を超えることも全然可能です。
拡散できるRetachを使うべき
RetachはTwitterのリツイートやいいねやに対応しています。それ以外のSNSにも誘導が可能です。また提供できる商品も、「物品」「クーポンコード」「電子ファイル」「非公開URL」と豊富な商品を提供できます。
プリアド・プリセーブしていなくてもTwitterやYotubeなどほかのSNSならフォローしてくれる場合もあります。フォロワーになってもらえば、次回作でプリアド・プリセーブしてくれる可能性が高くなります。
賞品は仲間へのお礼だと思え
賞品を提供することに抵抗を感じるアーティストがたまにいますが、
「お前はア〇か!」
って思ってしまいますね。すでに多く知られているアーティストでも、大手レコード会社が何億と広告費をかけてプロモーションしている中、インディーアーティストが1円も広告費を使わないで、売れると思っているほうがおかしいです。
さらに今はだれでもクリエイターになれる総クリエイター時代です。ライバルはアーティストだけではありません。Youtuberやライバー、VTuberとアニメ、Netfixなど戦国時代です。そんな時代に知ってもらう努力を惜しまないようにしてください。
リツイートしてくれたりシェア、いいねしてくれた仲間へのお礼だと思えば何もおかしいことではないです。
Retachは音楽ツールではない
ただ一つ間違えてはいけないのは、Retachは音楽ツールではなくキャンペーン専用ツールで、応募者をたくさん集めることに特化したツールだということです。
従って通常時はLinkfireなどのリンクツールを、プロフィールページなどに用意し、リリース時はRetachを使って盛大に盛り上げて拡散し多くのプリアド・プリセーブを獲得しましょう。
1回で一喜一憂するな
1回でプレイリスト入りをあきらめるのではなく、何度もイベントを開催してください。
私の知人のアーティストをプリアド・プリセーブイベントで、私がRetachを使ってサポートしたところ、前回は80で今回が615のプリアド・プリセーブがされたので、760%増になりました。
しかし残念ながらプレイリストもランキングも、取り上げてもらえることはありませんでしが、Twitterのフォロワーも+1558、Youtubeのチャンネル登録者も+1391になりました。
イベントでフォロワーが増えたことで、プリアド・プリセーブのスタートがより多くの人に告知されるようになり、次回は前回より多くのプリアド・プリセーブが獲得できるようになります。
他のアーティストがやっていない今がチャンス
ビジネスの世界では真似しろとよく言われますが、マーケティングの正解では初めに実行した人が多くのメリットを獲得することができます。
私が調べた範囲では日本でプリアド・プリセーブをイベントして行っているアーティストはほとんどいない状態でした。
これはとても幸運なことです。
それは他のアーティストはリリース日に多くのストリーム(保存や再生、フォローなど)を獲得できていないので、ライバルと差がつきやすくなり、音楽アプリのアルゴリズムはより、あなたをいいイメージで差別化します。
もしこのマーケティングが通例になり、全アーティストがリリースイベントをやった場合はこのマーケティング施策でチャンスをつかむことが困難になります。
リリースイベントするためのシステムが数百万もするのでは、費用対効果は怪しくなりますが、数万円の投資で大きく成功するチャンスが獲得できたならその見返りは、計り知れません。やらないのは大損です。
まとめ
平常時はLinkfireなどの音楽ツールでアーティストページへ誘導し、リスナーの属性を分析して、リリース時はキャンペーンツールのRetachで拡散させて多くのプリアド・プリセーブを獲得して、プレイリストやランキング入りとSNSのフォロワーを増やす。
リリースイベントを定期的に開催して、フォロワーを増やして次回イベントで協力してもらうということが大切です。
せっかくのリリースをリンクだけで終わらせないようにしてください。もったいないです。
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