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「リユースプラットフォーム」って、何? 今村CTOの1年振り返りとバイセルの未来

こんにちは。PRの三浦です。
元ZOZOテクノロジーズの今村CTOが入社されて丸1年。
この間にバイセルのテクノロジー活用は大きな転換点を迎えようとしています!

入社して1年経った今のお気持ちと、2022年2月の中期経営計画でも発表した「リユースプラットフォーム」について、お話を伺ってきました。

今村雅幸(いまむら・まさゆき)
取締役CTO 兼 テクノロジー戦略本部 本部長

ヤフー入社、VASILYの創業&取締役CTO、ZOZOテクノロジーズ執行役員CTOを経て、2021年4月より現職。日本CTO協会理事。

◆入社して確信した2つの可能性

ーーご入社から丸1年が経ちましたが、今の率直なお気持ちをお聞かせください。

あっという間すぎて驚いています(笑)。当初やりたいと思っていたことの8割くらいは達成できたかなという感じですね。

1年経って、改めて感じていることが大きく2つあります。
まずはリユース業界のマーケットの大きさ、伸びしろです。入社前からここには可能性を感じていましたが、世の中からのニーズがさらに高まっていることを感じています。

もう1つが、バイセル自体の可能性です。「リユースプラットフォーム」というプロダクトを通じて、リユース業界のど真ん中を支えていくことができる可能性を感じています。そしてエンジニア組織としても、元からの優秀なメンバーに加えて、最近徐々に仲間が集まってきて1年前よりも確実に強い組織になっています。
エンジニアたち自身も、ポジティブに自分たちの仕事や会社の成長を捉えているように感じています。

ーーやはりそこは「リユースプラットフォーム」という全体像が見えてきたことが大きいのでしょうか?

そうですね。1年前は、出張買取事業を圧倒的に伸ばすことにはコミットできていましたが、その先の5年後、10年後に「いったいどういった世界が待っているのか?」というところは、まだぼんやりとしていました。
そこからの1年間で「今後バイセルは出張買取以外のリユース分野も含めて、自社の改革だけに留まらずリユース業界を牽引していくんだ」という思いと、それに必要な武器である「リユースプラットフォーム」という構想を明確にしたことで、皆が同じ方向を向けるようになってきました。

これでもまだまだイメージとしては大きい概念ですが、今後現場のバイセル社員の皆さんの手元でも、査定、買取、在庫管理、出品管理など、すこしずつ刷新されて実感できる形になっていくと思います。

◆「リユースプラットフォーム」とは?

ーーそして、ここまで読んでくださった皆さんおそらく「リユースプラットフォームって、何?」と思われてるかと。改めて解説いただけますでしょうか?

そもそもなぜリユースプラットフォームを作ろうと考えたかの背景からお話ししますね。
僕がバイセルに入社してみて思ったのは、自社内製の査定・買取システム「GYRO(ジャイロ)」、在庫管理・出品管理システム「AXIS(アクシス)」など、バイセルの社内の様々なシステムが出張買取にのみ最適化されているな、という点でした。
そのため例えば、2020年10月のタイムレスさんのM&Aによって、買取チャネルとして店舗や百貨店が増えたり、販売チャネルとしてB2Bオークションが増えたとき、無理やりバイセルの出張買取システムを使っているような箇所も出てきていたんです。

しかし、今後バイセルが目指したいのは、出張買取だけを伸ばすことではなくて、リユース業界全体を牽引するポジション。今よりもっと買取や販売のチャネルを増やしたり、M&Aを活発化させていくことになります。

であれば、リユース商品の様々な買取チャネル・販売チャネルに対応し、買取から販売まで一気通貫して業務を扱えて、データを一元管理して活用できる基盤が必要だなと。つまり「リユースプラットフォーム」の構想に行き着きました。
大きなデータ基盤の上に、リユース品の流通に必要な機能ごとに切り分けたプロダクトが載っているイメージです。将来的にはこれをSaaS化して、リユース業界の多くの企業に使っていただくことを考えています。

リユースプラットフォーム概念図

なぜこう大きな形を目指すのかというと、インターネットの歴史上で残ってきたWEBサービスは、皆プラットフォームだからです。皆さんが日々使うTwitter、Facebook、YouTubeなども全てプラットフォームです。
いままだ世の中に無いものを、真っ先にバイセルがつくって、スケールさせていくことが、今後会社として勝ち残っていく条件だと思いました。

◆点のプロダクトが、線、面へ。

ーーなるほど。壮大な構想ですが、今すこしずつプロダクトができつつあるようですね。

はい。まずは、買取の入り口である査定を管理するDeal(ディール)というプロダクトです。
GYROは出張買取だけに特化した形で制作していたので、買取の汎用性を高めるように出張査定や店舗査定など「査定自体を行うもの」と、「査定を管理するもの」とを、切り分けて作っています。
これまでGYROいうシステムに包括されていたものを分解して、他に必要なものを足して、また機能ごとに集約していくようなイメージですね。

もうひとつ先行して進んでいるものが、査定効率化のための商品マスタのPromas(プロマス)です。
これまで担当商材が違う部ごとに、小さな商品マスタを所持していましたが、会社を横断した大きなものは無かったんです。今後会社が大きくなって、査定量も増えていく中で、人に頼りすぎるとスケールしていかない。
例えば、この商品マスタを参照すれば、商品のスペック、過去どういう値段で販売されたのかの履歴、査定のポイントがわかるような機能を持てば、査定という行為を極力簡単で誰でもできるものにできます。
今は既存のGYROにこのPromasをつないで、磨き込んでいっている段階です。

Promas開発中画面です👀

ーー地球上の全商材をマスタ化できるんでしょうか…?

仰るとおり、アナログにしか存在しないデータや、WEB上にあっても十分に使えないデータは無数にあります。骨董品とか着物とか、典型的ですよね。
ただし、いま日本全体でDXの動きが起こっている。DXの正体が何かというと、オフラインだったものがオンラインでデータ化されて、取り扱いやすくなっていく動きです。
今日現在では取り扱いが難しいものも、向こう1〜2年ではまた状況が変わってることは十分に考えられる。また、勿論マスタ化に人的作業が必要なことも、他の企業さんと連携することもありえます。
今の我々バイセルは先に器をつくっていく、というのをイメージしていますね。

ーーなるほど。時代に沿った開発になりそうですね。

そうですね。あとは、販売側でもプロダクトの制作を進めています。
中古品のマーケットがいまどんどん広がっていますが、中古品は既製品と違ってすべてが一点物になります。
なのでEC販売する際は、商品の数だけページが必要になりますし、複数のECに掲載して、どこかが売れたらすぐ取り下げないといけない。
膨大な商品量に耐えられて、スムーズに複数のECと連携できる、そういった出品管理システムを全力で開発しようとしています。

自社EC「リユースセレクトショップバイセル」

ーー今個々で開発している各プロダクトが、連携しはじめた時がまた面白そうですね。

商品データベースのPromasが、査定システムと紐付いて瞬時に査定額が分かったり、出品管理システムと紐付いてささげ作業が一瞬で完了したり、といった流れが今後起きてきます。
そうして全部が繋がって全体像が見えた時「こういうことか!」って分かってもらえるかと思いますし、その瞬間はめちゃくちゃ面白いと思います。

◆リユースプラットフォームで、暮らしはどう変わる?

ーーリユースプラットフォーム Cosmosが完成すれば、バイセルの社内のDXが進み、リユース業界のDXが進む。その先で、一般のお客様の生活はどう変化するんでしょうか?

究極的に目指しているところは、ものを簡単に売れる世界の実現に尽きます。
それをいま実現できてない、大きな理由があります。
それは「めんどくさいから」です(笑)。

フリマアプリもオークションも、事前に色々調べて、写真撮って原稿書いて、発送して、という作業がありますし、そもそもいくらの価値があるのかもわからない。それがもし、すぐ価値が分かる状態で、手軽に売れるのであれば、もっとものは流通します。
つまり、ものが人から人に渡るときの障壁を全部取り除くことが必要ですし、そしてそれは「出張買取」という強い武器を持つバイセルだからこそ実現できると思っています。リユースプラットフォームは、そういう世界の柱になり得ます。

ーーそういった世界の実現には、人の力が必要不可欠なのでしょうか?

絶対必要です。
リユースの流通がソフトウェアだけで解決できる課題だったら、多分もうGAFAMが解決しているんじゃないでしょうか。それが難しいのは「人」が介在する必要があるからです。
この国に住んでいて、ここに課題があって、人でしか解決できないことが多々ある。バイセルが培ってきた、人だけができる丁寧なコミュニケーションやリレーションの上に、テクノロジーを掛け算していくことが一番効くと思いますし、そういうことをやっていきたいですね。

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バイセルのミッション「人を超え、時を超え、たいせつなものをつなぐ架け橋となる。」
リユースプラットフォーム構想によって、このミッションをより深く広く、実行できる企業になれるのではと感じました!

リユースプラットフォームができるところに携わりたいという方、大募集しております!!


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