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変化をおそれず、挑戦を楽しむ。グループ会社から見たM&A【タイムレス編】

大きなインパクトを持つ成長戦略として広がっているM&A。バイセルもグループ拡大を目指して、積極的なM&Aに取り組んでいます。
一方で、子会社となったグループ企業の目線から見ると、M&Aは事業や組織において非常に大きな衝撃と変革をもたらすタイミングでもあります。

株式会社タイムレス(旧ダイヤコーポレーション)は、2020年10月にバイセルが初めてM&Aし、バイセルグループの1社目となった企業です。
現在、常務執行役員 営業本部 本部長として広く全社を統括しながら、オークションの振り師や豊富な商材知識を活かしてSNSでの発信など幅広く活躍されている馬場さんに、タイムレス目線から見たM&Aについてお話いただきました。

馬場浩太(ばば・こうた)
株式会社タイムレス 常務執行役員 営業本部 本部長
新卒で営業職を経験後、2012年よりダイヤコーポレーションに入社。BtoBオークション「タイムレスオークション」の運営・営業を担当し、2022年1月より現職。


泥臭い営業経験を重ねて古物業界の知識を習得

――馬場さんのこれまでのご経歴についてお聞かせください。

新卒では、独立も視野に入れてハードな環境で働きたいと思っていたので、職場環境が厳しいいわゆるブラック企業へ片っ端から応募し、IT系に入社して営業として勤務していました。

ダイヤコーポレーションとの関わりとしては、太田社長の弟と僕が高校の同級生でサッカー部だったこと、さらに他の友人2人が入社していたことから、近い関係にはありました。彼らとは社会人になってもよく会う仲間だったので、ダイヤコーポレーションが人手を増やしていきたいという時期に誘ってもらい、入社を決めたのが24歳の頃でした。そこから12年、現在までタイムレス一筋です。

――ご入社後は、どういった業務からスタートされたのでしょうか。

入社後は、BtoBオークションでは当時振り師も担当していた太田社長のサポート役からスタートしつつ、オークション以外の日には営業を担当していました。
営業の日には、都内の路線をひとつ決めて、全駅の質店や街の買取店を巡っては、その店舗の仕入れ商品の買取提案、買取額が安いようなら逆にこちらの品を買って頂く販売提案、さらにはBtoBオークションへの参加提案と、お客さんの反応を見てはあの手この手で提案していました。
こういった泥臭い営業を経て、モノの真贋や値段など、古物業界に関する知識を徐々に身に付けてきました。

M&Aに「正解はない」が、やったことが無いからやってみる

――M&Aの話を聞いた当時のお話についてお聞かせください。

当時のダイヤコーポレーションは切手も取扱いしていたのですが、バイセルはその切手における大口のお客さんとして交流がありました。また、2019年末にバイセルが上場したことはリユース業界とってもビッグニュースで、業界では皆が知る会社でした。

一方当時のダイヤコーポレーションは、コロナ禍の影響を受けて、事業としては停止していないものの、進むべき方向がハッキリと見通せない少し不安定な状況にありました。数名の社員からリモートで働きたいという理由での退職願が出てきたり、今後世の中が変わっていくんだろうなと感じていた頃に、バイセルのM&Aの話がポンと出てきました。

M&Aの担当ではない自分に直接の決定権は無かったのですが、気になってバイセルのことをネットで調べたり、他にM&Aされた企業に話を聞いてみたりと情報は集めていました。聞いた話の中には「屋号もなくなり、親会社のためのM&Aだ」というマイナスなものもあれば、「そんなに悪いものではないよ」というものも、「M&Aを機に独立して頑張っている」というものもあって、結局「正解はない」というのが自分がたどり着いた答えでした。

太田社長と僕を含む当時の経営メンバー4人では、会社の未来をどう考えるか、従業員にどう納得してもらってつなぎ止めるか、色々な話を重ねました。ただ、考え抜いた末には、「やったことないことだし、やってみよう」と腹を括りましたね(笑)。

――タイムレス社員のどなたからも「迷ったら挑戦してみる」というカルチャーが浸透しているのを強く感じます。M&Aについて社員からの反応はいかがでしたでしょうか。

いい子たちばかりで、文句も言わずについてきてくれました。最初の半年、1年は本当に慌ただしかったと思いますが、社員には本当によく頑張ってもらったなと思っています。

特に中核を担ってくれているメンバーに関しては、親会社・子会社の関係だと「親の言う事を子は聞かないといけない」と思ってしまうけれど、そうではないと。「言うことを聞くだけじゃなくて、タイムレスの良い形は維持して、掛け算で良くなるところを見つけていこう」と伝えてきました。
M&A当初は40名だったところから、現在はもう208名とM&A後に入社したメンバーの方がずっと多いんですが、タイムレスの「変化を恐れず挑戦を楽しむ」というカルチャーが維持されているのは、彼らが伝道師として頑張ってくれたこその今です。

自社とグループの掛け算を考えていく

――M&A後に変化したこととしては、どういった点がありますか?

平たく言うと、“会社"になりました。昔は太田社長の元にトップ営業マンが集まったような組織で、経営メンバーが昨対でどれだけ成長したとか、予算に向かって進んでいくという感覚を持ち始めたのはM&A後からですね。

個人的には、最初の1年はただただ変化が多く、忙しい1年でした。
その次は、長く一緒に会社を育ててきたメンバーが会社を去ってしまって、喪失感のあるつらい1年でした。
2年がむしゃらに走ってきて、この3年目は会社やグループを俯瞰できるようになりました。任せられる部長陣も育ってきて、バイセルの岩田さんや小野さんから「こういう観点でグループ経営に関わって欲しい」というお話を頂くこともあって、少し視座が上がったように感じています。

軸はタイムレスオークションを日本一にするにはどういう打ち手があるか、そのためにグループの知恵や限りあるリソースをどう活かせるかを考えつつ、タイムレスの力を活かしてグループ全体でグロースさせていくこと、掛け算することより具体的に考えられるようになりました。
グループには、テクノロジー活用も、法務も、経理も、商品管理も、マーケティングも、相談できる専門家が沢山います。これはグループに参画する大きなメリットです。以前の自分もそうだったのですが、なんでも自力でやろうとして中途半端になってしまうのはすごく勿体ないことです。得意な人の知見をうまく活かしていけたらと、ここ1年は強く思っています。

グループの経営層には長く古物業界を経験した人は多くありません。古物に関する点では自身の知見を還元していけるように、色々なプロジェクトに関わっていきたいと思っています。

――最後にグループジョインの1社目として、今後バイセルグループに参画する会社へどのように声をかけますか。

何を目指しているのかは、ぜひ聞いてみたいですね。先程「結局正解はない」とお話したように、全員に対してM&Aをしたほうが良いとは言えません。

タイムレスもフォーナインも、軸があったからこそだと思っています。志があって、リユース業界のもっと上を目指したいと思う会社や、グループに入った時に自分たちのアセットが輝くと思えたら、そのM&Aはきっと素敵なものになるんじゃないかなと思います。




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