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笑いのメカニズムを紐解いてみた

僕は昔からお笑いがすごく好きで、チャンネル争いなどと言うものがなければ、お笑い番組を常に見ておきたいタイプです。

それもあって、学生時代に笑いのメカニズムについて考えたことがあります。

今日はその頭の片隅に置いてあった僕のお笑い理論の一部をnoteに書き出したいと思います。

□緊張の緩和

お笑いといえば桂枝雀が唱えた「緊張の緩和」理論と言うのをテレビなどで聞いたことがある人もいるかと思います。
これは文字通り「笑いは緊張状態が緩和(解き放たれた)ときに生じる」ことを唱えた説です。

例えば学校のテスト。
テスト中は緊張状態にありますが、テストを終えると近くの友達と「あれできなかったよね〜」「俺は今回いけてる!」などと笑顔で喋ったりしますよね。
これも緊張の緩和です。

お笑いと比べて笑いの性質は違いますが、日々の生活にもこの理論は当てはまったりします。

でもこの説は100%全てのものに当てはまるものでもないと思っています。

□共感

緩和→緩和の笑いだってあります。

他愛のない話をしているとき
「最近○○にハマっててさ〜」
「え、私もそれ好き!」
「え、ほんとー!?」(キャッキャ)

これは緩和→緩和で起きている笑いと言えると思います。

その代わりここで起きているのは「共感」です。

たとえば「あるあるネタ」って、わかるー!と共感させればそんなに面白くなくてもなんか笑っちゃうじゃないですか。(失礼)
モノマネとかもそうです、共感は笑いを生むんです。

会社の忘年会とかでも、上司のマネとかしとけばそこそこウケてなんとか乗り切れたりしますしね。

□違和感

そして笑いの要素のもう一つは「違和感」です。

簡単にいうと共感とは逆の状態で、見ていて理解ができないことです。
人間は意味がわからないことが起きているとついつい笑ってしまうことがあります。

小さい子供が意味不明な言動をしたとき、ついつい笑ってしまったことってありませんか?
なんか変なダンスしながら意味不明な言葉で歌ってるけど、それがおかしかったりしますよね。

これが違和感の笑いです。

これも緊張の緩和とは関係なく起こりうる笑いだと思います。

□共感+違和感

僕はこの共感と違和感をうまく組み合わせたのが「お笑い」だと思っています。

漫才はボケとツッコミで成立しますが、
役割としてはボケが「違和感」、ツッコミが「共感」です。

ボケの「違和感」をツッコミがみんなの意見を代弁した「共感」の言葉で正すわけです。

たとえば定番の型として
「べっぴんさん、べっぴんさん、一つ飛ばして、べっぴんさん」
ってありますよね。

一つ飛ばしている人は実はめちゃくちゃキレイな人かもしれませんし、日常においては普通に失礼ですし、これに関しては「違和感」なわけです。

それを
「オァイ!なんで一人飛ばすねん!失礼やろ!」
とこのツッコミで「たしかに」と共感を得るわけです。これで笑いが生まれます。

漫才でもコントでも、基本はこの「共感」と「違和感」の組み合わせでできているんです。

□参考動画

2019年にM-1で優勝したミルクボーイは違和感と共感をとてもキレイに組み立てていて、笑いどころがわかりやすいのが万人にウケています。

漫才の話出しはシンプルなあるあるなのですが、後半にかけてツッコミにもボケ(違和感)を織り混ぜることで共感と違和感のハイブリッド的漫才になっています。ボケツッコミというやつです。

尻上がりな感じが絶妙で、どんなネタでもとてもキレイな右肩上がりで面白くなっていくネタをしているのが特徴です。


最近のお笑いはこの傾向が強くなってきていて、新しすぎると言われているぺこぱもこのハイブリッド漫才をしています。

普通の漫才はボケてツッコむという揺るぎない型があるにもかかわらず、
サイコっぽさを感じさせるしゅうぺい(違和感)の発言に対して松蔭寺がツッコミそうでツッコまないので、最後に「ツッコまへんのかい」と違和感を残し、それが面白かったりします。
違和感×違和感の構図です。
ただしポイントは松蔭寺の言ってることは共感できるというところです。

動画を見ていただければわかりますが、ボケツッコミにもかかわらず言っていることはかなりまともです。これが「ノリつっこまない」芸風と言われる所以です。

そもそもキャラが濃い松蔭寺がボケっぽい(違和感)にもかかわらず、発言がめちゃくちゃまとも(共感)というのがずるい。彼一人だけでも十分面白い。

□まとめ

以上が僕が唱えるお笑いのメカニズムの「基本」部分です。

これがわかって共感と違和感をうまくコントロールできれば笑いは生み出すことができます。

ちなみに、ボケは基本に違和感しか生み出せませんが、ツッコミはどちらもできます。面白くなるにはツッコミを鍛えることをお勧めします。

他にも色々な要素を掛け合わせればお笑いを見るのもするのもどんどん面白くなります。

今日は書ききれなかったのでまた今度他の要素も書いてみます。

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