「運送会社っぽくなく」掲げ人材獲得 裕進運輸
㈲裕進運輸(渡部裕之社長、三重県菰野町)は、現在、社員47人。一昨年30人、昨年末で40人。人材不足が叫ばれる中、若手を中心に社員が増えている。増加している理由について渡部社長は、「なるべく運送会社っぽくないようにしている」と話す。
地元の高校が毎年就職に向けて、バスを使って工業団地など地元の企業を見学している。同社もバスが立ち寄り、何人かの生徒が見学に来るが、就職希望者はほとんどいない。
「運送業界のイメージがよくない。生徒が希望だったとしても『親ブロック』が入る」と渡部社長。会社を「脱運送業」のイメージに作り変えていくうちに同社への就職希望者が増えているという。
まず、社長の名刺。列車の切符に見立てたデザインにしている。日付印字は会社の設立年月日。区間は裕進運輸から未来。右上に改札時の穴もあいている凝ったものだ。
事務所にはトレーニングジムのスペースがあり、各種ジム器具が置かれている。月一回ライザップの講師がトレーニングを教えに来る。瞑想ルームもある。癒しを求める社員が利用している。
そして昨年、ゲーム機を置いた。ピンボールとUFOキャッチャーで、社員は無料で利用できる。UFOキャッチャーの景品はカップ麺。ピンボールは一定の点数に達すると賞金が出る。
渡部社長は、「とにかく会社は楽しく働いてもらいたい。遊び心であふれた会社で生き生きと働いてもらいたい」と話している。(8月21日号)
【写真】昨年、ゲーム機を設置