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一人でみるには美しすぎて寂しい

2024.4.15

夢にうさなされて朝5時に起きる。
もう入眠するのは無理だと思って眠ることを諦めた。
夢の最後の記憶は、不気味な家から逃げるわたしと母。母がなにかに轢かれそうになって、それを呼び止めたわたし。

何か変わるかと思って昭和記念公園に行った。
一人の公園は少しハードルが高かったかもしれない。ぼんやりと思う。
桜はもう散っている。
飽きられる前に居なくなる桜の儚さよ。
チューリップが満開らしい。
部屋で一生ベッドに居るよりはきっとマシだと思った。

今日は暑い。
学割があると思ったらなかった入場料を支払ってとぼとぼ歩く。
久しぶりに約1キロもあるフィルムカメラを持ってきた。
フィルムはいつのものかわからない。現像したら色飛びが凄いかもしれない。

それなりにある距離を歩いてチューリップ畑にたどり着いた。
月曜日の昼なのに随分と混んでいた。
肝心のチューリップはあまりにの綺麗さに圧倒された。
色とりどりのチューリップが見事な満開だった。
久しぶりすぎてうまくシャッターが切れなかったけどたくさんの景色を写した。

少し疲れてベンチに座った。
何故か自然と涙が出た。
一人で見るには美しすぎたのか。
来年の開花に自分は何をしてるのかわからないからなのか。
漠然とした不安、いつもそれが頭にあった。
いつもその理由は分からなかった。

わたしが泣いてると、少年が手を振ってくれた。
どうか真っ直ぐに生きてね。
お姉さんは花を見て感動してるだけじゃない、人生に絶望したから泣いている。そんな大人にならないで。

2時間くらい花を見てたら人の多さと花粉症で疲れてしまった。
写真よりも肉眼。写真になると見劣りする。
この瞬間を焼き付けるしか無いんだと思った。

とぼとぼとまた帰路につく。
帰りにソフトクリームを買う。
ミックスにしたけどバニラだけで良かったかもしれないと思う。
気づいたら緩む涙腺に、こんな日は…と
カネコアヤノを再生した。
春、晴れ、花。
カネコアヤノとの相性は抜群。

優しさばかりが愛と わからずにいたい

やさしいギター/カネコアヤノ

カネコアヤノを聴いてたら、また涙が出た。

立川駅まで、電車の中でも泣いていた。
隣の人、何も知らない顔してくれてありがとう。

家に帰っても泣いていた。
涙の正体は何も分からないよ。
医者にあまり飲まないでと言われた抗不安薬を飲む、続けて眠剤を飲む。
このままだと過呼吸になりそうだった。

ヒステリックは暴走して、恐怖に潰されそうだった。
あれだけの花をみて何がそんなに悲しいのか、将来の何が不安なのかもうなにも分からない。
わからないことの恐怖、それだけだった。

抗不安薬も眠剤も効いてそのまま寝た。

その日、きみは
自分がわたしの不安になっていると言ったね。

わたしはどんなふうにきみと居たらいいのかわからなくなった。
わたしの存在までもきみは、無意味なものにする気なの。

わたしはなんて答えたらいいかわからなかったし、いちばん絶望した。



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